塾に入ったものの、塾のペースについていけなくて苦労しているという話はどこでもよく聞きます。
これは特に中学受験や高校受験でハイレベルな学校を目指す子どもたちに言えることでしょう。
「なんとかこの塾に喰らいつかないと、志望校に合格できない!」
そう思って躍起になっていませんか?
塾のペースに合わせるために、毎日遅くまで親子で粘っていませんか?
もしそうだとしたら、肩の力を抜いて今一度一緒に考えてみましょう。
目次
塾の授業についていけない理由
進学塾の授業ペースは基本的に速い
もちろんですが、塾というのは学校よりも格段にスピードを速めて授業をしています。それは、塾が点数を上げるのを第一義としているからです。
成果主義の塾が手っ取り早く成果を出すためには、子どもたちに効率よく勉強してもらうしかありません。
限られた時間の中でどれだけ効率よく点数を上げさせるかにかかっているとも言えるでしょう。
受験進学塾では、学校とは比べものにならない量の内容をものすごいスピードでさらっていきます。
マイペースに思われる少人数塾や個別塾でも、学校よりは効率重視。点数が取れるコツやテクニックを駆使しています。
まず前提として「塾は学校よりもスピードが速い」と理解しておきましょう。
学校で満点に近い点数を取るような子でも塾でついていけない。これはある意味普通なのです。
塾のための家庭教師をつける子もいる
塾についていけなかった子の多くは、劣等感を抱えます。
けれどハイレベルな学校を目指すということは、本来は「勉強ができない子」ではないはず。そう、学校では「よくできた子」なのです。
つまり、その子ができないのではなく、その塾の求めるスピードが速いということなのです。
塾にもそれぞれのスピードがあって、もちろんトップ校を目指すクラスは大人でもついていくのが大変なほどの速さです。
そのクラスについていくために家庭教師をつける、なんて言う話も少なくありません。
塾についていけない=志望校の偏差値を落とす?
たまたま何かの縁で決めた塾。おそらく我が子への期待や適性をよく考えて選んだ塾でしょう。
受験のために、大手進学塾に入った。授業は速いし、宿題も多い。でもこれをこなさないと合格はできない。
こんな呪縛にかられている親御さんは少なくありません。
確かにそうです。受験をするには学校よりもはるかに深い内容を習得しなければなりません。
大手の集団塾は、塾側が「これについてきてくださいね」の授業レベルを提示します。
そしてそれについてこられなかった子は、どうするのか。結果志望校の偏差値を下げる方向にシフトしかないのでしょうか?
狙いの志望校に近づく道は一つではない
偏差値の高い学校を狙うには、大手進学塾の〇〇クラスに入らなければ無理!
いえいえそうではありません。狙いの学校に入る道は、決して一つだけに限られてはいません。
もちろん、大手進学塾は情報も対策もカリキュラムも充実しています。そういう面では、「最も狙いやすい」環境であるのは確かです。
しかし、先に述べたように、どれだけ可能性を秘めた子でも、その子なりの学習スピードというのがあります。
じっくり時間をかけて身につけて、覚えたことは絶対に忘れないような子もいれば、抜けがあっても習得にスピード感があって、何回もスパイラル式に学習を繰り返して強固にしていく子もいます。
おそらく大手進学塾に適するのは、後者のタイプでしょう。
前者の子は、スピードについていけず根をあげます。しかし、だからといって負けたわけではありません。
そのまま志望校を落として考える前に、お子さんがついていけていない原因をもう一度じっくり考えてみてください。
もしかすると、ゆっくり地道にやる方が意外と最短距離になるタイプの子かもしれません。
転塾で成績が伸びる子も
中堅の塾で、スピードはさほど出さないけれども基礎の土台をしっかり作って、あとはその子その子の伸び率に任せる(つまり練習問題や模試などで各自応用力を掴ませる)タイプの塾もあります。
大手進学塾についていけなかった子が、こういったタイプの塾に転塾してぐんと伸びるケースもあります。
つまり、大手進学塾では上辺だけしか理解できてなかったことが、こちらに来て基礎固めができるようになったというわけです。
塾の授業についていけなくても全てを悲観しない
確かに「塾の授業についていけること」これがベストではありますが、選択肢がそれだけしかないわけではありません。
前述したように塾のための家庭教師や、塾のための塾、もあります。
少し語弊のある言い方かもしれませんが、「受験は結果がすべて」です。
塾の授業についていけなかったとしても、それだけですべてを悲観する必要はありません。
理解スピードの速い子が個別塾にいても伸び悩むでしょうし、逆もまた然りです。
今のお子さんの立ち位置をしっかりと見極めること、そこから合格までのプレセスを考え戦略的に手段を選択すること、それこそが、必要なことではないでしょうか。