塾通いを始めるのは簡単ですが、意外と困るのが辞めるとき。
お世話になった先生に辞める理由を問われたら、やっぱり答えにくいですしね。
クラスメートや周りの親御さんの反応も気になります。
そもそも塾をやめるのはどんなときでしょうか。
進学塾で私が見てきた、塾をやめる生徒の理由をご紹介していきます。
辞める時にどう伝えればいいか、上手な塾のやめ方について参考にしてみてください。
目次
塾を辞める理由
塾を辞める理由では、塾に入れるだけあって、経済的な理由を口にする人はほとんどいません。
多いのは子どもや塾に対する不安でした。
子どもが勉強しないから
勉強しない子どもも塾に入れれば変わるのではないか。中学受験を考えているから、学校より進んだ勉強をさせたい。
そんな思いでお子さんを塾に入れることも多いでしょう。
ただし、子どもが期待通りに動いてくれるとは限りません。
残念ながら、塾に入れたことで余計に勉強が嫌いになってしまうこともあります。
塾もお金がかかります。
それなのに塾で勉強をしないとなれば、退塾を考えるのも自然ですよね。
この場合、子どもの様子が分かっている塾側から連絡が来ることもあります。
塾側と家庭側と、どちらが働きかけても子どもに勉強する気が起きない場合は退塾を検討することが多いようです。
中学受験をやめるから
進学塾の場合、最も多い理由はこれですね。
進学塾の目的は学力アップというよりは中学受験対策。
受験をしなくなれば、進学塾に通う意味もなくなります。
六年生になると、志望校を決めて受験生として本格的に受験勉強を始めます。
本当に中学受験をするのかと改めて考える時期だけに、中学受験をやめるから退塾するという話も出てきます。
四年生、五年生は受験のためと思って入塾したもののまだ塾は早かった、ということもあります。
今は習い事と学校に集中したいということですね。
早いうちに一旦退塾し、五年生の終わりに戻ってくるという生徒は、多くはないものの毎年見かけます。
成績が上がらないから
学習塾の場合、学校でのテストの点数で塾の善し悪しを判断することになります。
通っているのに学校のテストで点数が上がらなければ、退塾を検討するのも当然です。
進学塾だと最終的なゴールが受験に絞られているため、学校での成績で判断することはあまりありません。
クラスが下がったから
進学塾の中には成績でクラスの昇降をするところもあります。
月に一度のハイペースで昇降が行われる塾もあり、生徒も親も一喜一憂。
より上のクラスでハイレベルな授業を受けたいという思いに加え、下のクラスだと恥ずかしいという思いもあるようです。
中には下の方のクラスになったら退塾と子どもに言っている親御さんもいるようで、「このコースでは通塾の意味がないから」と退塾する人も。
子どもはそれほど受験や塾にこだわりがなく親が熱心な家庭に多い退塾理由です。
環境が悪いから
塾の環境に不満があって塾をやめるパターンです。
先生の教え方や授業の進め方に不安があっても、なかなか先生を代えてもらうのは難しいですよね。
相談すれば配慮してもらえることもあり、それで不安が解消されれば良いのですが、そうでないときは塾とやりあうよりも辞めることを選択したほうが気も楽です。
先生ではなくクラスメイトに対する不満もありますね。
落ち着きのない子、うるさい子、授業の進行を止める子など、多人数塾ではそういったクラスメイトに対する不満が出てくることも少なくありません。
まだ幼い四年生では、落ち着きのない子や私語の多い子がいるのも当然かもしれません。
偏差値に関わらず一定数いるように思います。
五年生ともなると、意識の違いが顕著になります。
特に進学塾では、受験が意識できている子と学校の延長で来ている子で大きな差が生まれます。
六年生では焦りや苛立ちからか、些細なことがトラブルに発展することも。
点数を自慢されたりテスト中にくしゃみがうるさかったり、前は何でもなかったことも受験が近づくにつれて気になってしまう子もいます。
クラスメイトに関しては塾に相談して配慮を求めるのが一番ですが、その対応によっては転塾や退塾の検討につながりますね。
家庭教師に切り替えるから
六年生になって塾を辞める人の中には、家庭教師と家庭学習に切り替えるという人もいます。
親も子も家庭教師もスケジュールをコントロールできるなら、有効なのかもしれません。相性の良い家庭教師に出会えると心強いですね。
不安なのは、塾を辞めて「親が教えて」受験勉強をするパターンです。
四科目の受験勉強を教えるのは、プロでもなかなかできないもの。
加えて勉強のスケジュールを考え、過去問の傾向を掴み、採点や解説までできる親はそうそういません。
数年に一度見かけるので稀なケースではありますが、この方法だけはオススメできません。
上手な塾の辞め方
塾を辞めることを検討しても、なかなかそれを塾に切り出すのは難しいもの。
スムーズに辞めるための方法をご紹介します。
まずは塾に相談を
子供の成績や環境など、気になることがあればまずは塾に相談してみてください。
小学校高学年だと、親に見せる顔と塾で見せる顔が違うことも珍しくありません。
相談することで、新しい解決法が見つかるかもしれません。
辞めることがほとんど決まっている状態でも、あらかじめそれとなく塾に伝えておくと、実際に辞めるときもスムーズに進みます。
便利な言葉「中学受験をやめます」
塾を辞めるときにはやはり理由を尋ねられますが、もちろん「経済的に無理」といえばそれ以上は聞かれないでしょう。
引き止められずにすんなり辞められる最善のセリフとは言えますが、さすがに気が引けます。
進学塾であれば「中学受験を辞める」と伝えることが最も簡単な方法でしょう。
角も立たず切り出しやすいので、実際中学受験を辞めるかどうかは別として、なかなか塾を辞めると言い出せない場合は使ってみてください。
区切りの良いところを見極めて
学習塾にしろ進学塾にしろ、辞めるときは区切りの良いときにしましょう。
学年の切り替わりや長期休みの前後にすると、生活のリズムも作りやすくなります。
勉強中の分野の区切りもつけやすいのでオススメです。
できるだけ口外させない
塾を辞めると決めたら、親も子供も辞めるまでそのことは口外しないのが賢明です。
辞めることを口に出すとからかわれたり探られたりします。
子供は軽い気持ちで友達に言ってしまうものですが、相手は小学生。
大声で言ってしまうような配慮のない子供もいます。
退塾の申し込みをしてその日から行かなくなることは少なく、ほとんどの場合その月いっぱいは塾に通います。
その間に居づらい思いをしないよう、あらかじめ子供に言い含めておきましょう。
塾を辞める理由は人それぞれ、後悔のないように!
塾を辞める理由はそれぞれですが、最後まで嫌な思いをすることなくスマートに辞めたいですよね。
塾からすると生徒が辞めてしまうのは残念ですが、ほとんどの塾は「何が何でも辞めさせない!」というほど執着はないでしょう。
スッキリした気持ちで前に進めるよう、しっかりと手順を踏んで上手に辞められると良いですね。