灘中学校は、兵庫県神戸市にある私立の男子中高一貫校です。
中学受験における最難関の中学校の一つで、高い進学実績にも特徴があります。
また、中学校だけでなく高校からの募集も行われています。
ここでは、灘中学校の特色や、入試傾向と対策などをご紹介していきます。
目次
灘中学校の特色
灘中学校・灘高等学校は、伸びやかで自由な校風のもとで、生徒の自主性・自律性を重要視した教育を展開しています。
学業における高い実績はもちろん、自由と自治の伝統により、生徒会や各部活動が活発に行われていることも特徴的です。
また、6年間の中高一貫教育においては、各科目の担任6〜7人が担任団を編成し、その担任団が卒業までの6年間、チームとして学年を持ち上がっていく、という形態に特徴があります。
この担任持ち上がり制により、各科目の指導がより一貫したものとなるほか、一人ひとりの生徒に沿ったきめ細かな指導も実現しています。
学校の沿革
灘中学校・灘高等学校は1928年の開校から長い歴史を誇ります。
1947年には新制灘中学校が、1948年には新制灘高等学校が開校され、現在に至ります。
施設
主な施設としては、各教室をはじめ、図書館、講堂、屋上テラス、食堂、柔道場、剣道場、プールなどがあり、充実した施設環境が整っています。
進学先
令和5年度の大学合格者数は東京大学86名、京都大学45名、大阪大学12名、神戸大学6名などの国公立大学の合格実績のほか、慶應義塾大学20名、早稲田大学35名、同志社大学21名、立命館大学14名といった私立大学の合格実績も豊富です。
学校周辺の環境
灘中学校・灘高等学校は、JR住吉駅から徒歩10分、阪神魚崎駅から徒歩10分、阪急岡本駅から徒歩25分でアクセス可能です。
JR線、阪神線、阪急線のいずれも、神戸方面のほか大阪方面とのアクセスにも優れており、これらの路線を活用して多方面からスムーズに通学することができます。
灘中学校の受験情報
入試日
1日目:2024年1月13日(土)
2日目:2024年1月14日(日)
募集人数
約180名
試験科目
1日目が国語・理科・算数、2日目が算数・国語で、これら5科目から合否が判定されます。
各日程で募集が分かれているのではなく、1日目と2日目を両方受験し、各試験結果の合計で合否が判定されるという形に特徴があります。
灘中学校の偏差値と倍率
偏差値
灘中学校の偏差値を80偏差値でみると73です。
倍率
2022年度の実質倍率は2.60倍となっています。
灘中学校の入学後の学費
入学金等が合計50万円(入学金25万円、施設費25万円)となるほか、授業料が年額46万8000円、その他の学校維持協力金や生徒会費といった費用が合計約20万円となっています。
これらの費用を全て合わせると、合計で約116万8000円となります。
灘中学校の入試問題と対策
算数
試験時間は1日目・2日目ともに各60分、配点は各100点満点、合計200点満点となります。
また、1日目は大問11問程度、2日目は大問5問程度の出題となっています。(1日目は単問形式による出題です。)
灘中学校の算数は非常に難解なことで知られ、各日程とも高度な処理能力・応用力が必要不可欠です。
図形、数の性質などをはじめとした頻出分野ごとに、思考力・発想力、正確で速い計算力など、高度な算数の能力が求められます。
また、国語や理科と比べると、受験者平均点と合格者平均点の差が目立ちます。
そのため、まず算数の対策を徹底的に行い、算数で周りの受験生と差をつけることが、合格への大きな一歩となります。
過去問分析を徹底し、頻出分野や頻出の出題傾向をおさえたうえで、過去問や問題演習を重ね、傾向に沿った実力を磨いていきましょう。
また、時間配分にも十分に注意し、焦らず解ける問題から解くなど、本番のシミュレーションを重ねておくことも大切です。
国語
試験時間は1日目が40分、2日目が70分で、配点は1日目が80点満点、2日目が120点満点、合計200点満点となっています。
1日目は説明文・随筆文の読解問題が1題のほか、漢字・文法などの知識問題が出題されます。
一方、2日目は説明文・随筆文や小説文などの読解問題が2題、詩が1題という傾向が見られます。
特に読解問題では記述問題も多く出題されているので、過去問をはじめ、問題演習を日頃から行い、記述形式の出題に慣れておきましょう。
また、読解問題は時間的な余裕が少ないので、時間配分にも注意しながら、速く正確に解き進める力が必要です。
論理展開や心情・場面の変化を正確に追っていき、それぞれの設問に対応していくようにしましょう。
さらに、詩や知識問題にも注意が必要です。周りの受験生と差をつけるためにも、問題演習を十分に重ね、詩の傾向に慣れておくこと、そして知識問題に必要な知識をその都度確認することなど、実践力を鍛えておきましょう。
理科
理科は1日目のみで、試験時間は60分、配点は100点満点です。
大問は6問程度で、物理・化学・生物分野から出題されています。
試験時間が比較的長いですが、問題数はそこまで多いわけではありません。
ただし、高度な思考力が問われる問題や計算問題の出題もあるため、十分に注意する必要があります。
基本的な知識はもちろんのこと、その場で論理的に考える思考力、計算力など、日頃から実力をしっかり養っておかなければなりません。
過去問から頻出分野や傾向を十分に確認したうえで、似た傾向の問題の演習を積み重ね、他の受験生より一歩進んだ思考力・処理能力を鍛えておくことが大切です。
過去問
受験者平均点・合格者最低点の特徴
2023年度の受験者平均点は297.4点となり、合計点(500点満点)から割合(得点率)を考えると59.4%となります。
また、2023年度の合格者最低点は316点で、合計点から割合(得点率)を考えると63.2%になります。
合格ラインは6割を超えるほかに、平均点も5割後半の点数となりました。
灘中学校合格のために必要なこと
灘中学校の試験問題は、中学受験の中でもトップクラスの難易度となります。
2日間の日程を受験する必要があり、理科は1日目のみ実施、国語と算数は2日間に渡って実施されます。
試験科目に社会はありませんが、出題形式・日程が特殊であること、そして各科目とも難易度が高いことを踏まえると、重点的な対策を早めに行わなければなりません。
各科目の特徴・傾向をつかみ、出題形式に慣れ、実力を鍛えていく必要があります。
特に算数は受験生の間で差がつきやすくなります。
一歩踏み込んだ対策を意識し、本番をイメージしながら、日頃の問題演習を有意義なものにしていきましょう。
頻出分野の確認、出題傾向への対策はもちろん、時間配分や問題の取捨選択など、より本番を意識した対策が求められます。
そのうえで、高度な思考力や計算力など、必要となる実力を鍛えることが大切です。
また、国語は正確な読解力を意識したうえで、記述問題も含めて各設問形式に対応できるようにしましょう。詩や知識問題の対策もしっかり行わなくてはなりません。
理科についても、高度な思考力や計算力を日頃から意識し、問題演習を通じて対策を進める必要があります。
こうした各科目の対策ポイントを踏まえ、実力を鍛え、本番に臨むようにしましょう。