大手中学受験塾として知られているサピックスでは、どの教科でも4年生から小学校の教科書の学習内容とは少し離れ、中学受験に向けたカリキュラムがスタートします。
つまり、3年生までの小学校の教科書に即した学習方法とは異なり、「中学受験向け」の勉強方法に切り替えなくてはなりません。
本格的な学習がスタートする中、サピックスの算数ではどのように勉強を進めていけばよいのでしょうか。
ここでは、サピックスに通塾し中学受験をした我が子の経験から、受験の「かなめ」である算数の家庭学習ポイントをご紹介していきます。
サピックスに通塾されているご家庭の取り組みとして大切にしてほしいこと、優先すべきことなどをお伝えしていきますので参考にしてみてください。
目次
4年生の算数!サピックスで学ぶ内容とテキストの種類
家庭学習のポイントをお伝えする前に、4年生での算数ではそもそもどういう内容を学び、どういうテキストをもらうのかご紹介します。
まず、4年生では、中学受験までに必要となる四則計算のすべてを学習します。
たとえば図形では、平面図形の基礎に加え、立体図形でも表面積や体積の求め方、水量の変化とグラフ問題の考え方も学びます。
つまり、4年生では中学受験に必要な学習の基礎を学ぶのです。
4年生ではまだ、親御さんがテキストを見ても教えられるレベルの難しくない問題が多いです。
しかし、「解ける」ことだけが重要ではなく、算数の基礎学習として「反復練習」を身につけておくことがとても大切です。
次にテキストのご紹介です。4年生の算数では、下記の冊子が配られます。
- 基礎力トレーニング
- デイリーサピックスAテキスト
- デイリーサピックスBテキスト
さらに、授業中に下記のテストが実施されます。
- デイリーチェック
- 基礎力定着テスト
たくさんテキストやテストがありますね。
サピックスでは、すべてを完璧にやっていては時間が足りません。
だからこそ、サピックス算数の家庭学習では、優先順位をつけて取り組んでいくことが重要です。
学習効果をあげる!家庭学習をするときに優先すべきテキストと活用法
まず、家庭学習の優先順位をご紹介します。
基礎力トレーニング > デイリーサピックスBテキスト > デイリーチェックの復習 > デイリーサピックスAテキスト > 基礎力定着テストの復習
家庭学習では、テキストのすべてを実施する必要はありません。
これが、サピックスに入ったばかりの頃はなかなか慣れないところではないでしょうか。
親御さんも「テキストやってないよ!」と叱ってはなりません!
サピックス算数の家庭学習では、「解いてわかった問題」「もう少しで解けそうだった問題」に絞る必要があります。
「解き方がまったく予想できない問題」はやらないようにしましょう。
睡眠時間を削って無理に詰め込んでも、さほど学習効果は伸びないからです。
これはサピックスの教師陣からも口酸っぱく言われる指導法でもあります。
では、優先順位に応じて、各テキストやテストの家庭学習のポイントをみていきましょう。
基礎力トレーニング
必ず毎日実施しましょう。
基礎力トレーニングは小問集で、毎日10問の計算問題が出題されます。
時間も5分から15分程度なので、習慣がついてしまえば大きな負担ではありません。
毎日欠かさず、できれば決まった時間に実施することで、確実に計算力を身につけていきましょう。優先順位は一番高いです。
デイリーサピックスBテキスト
デイリーサピックスでは、Bテキストでまず新しい内容を学び、Aテキストでは、前週などに学んだ問題や応用問題などを解き、学習内容を再確認します。
そのため、Bテキストには新たに学んだ内容が詰め込まれています。
Bテキストを用いた復習は、授業の翌日か、翌々日には取り組みましょう。
優先順位は2番目です。
デイリーサピックスBテキストでは、奇数ページを授業で行い、偶数ページを家庭学習で行います。
奇数ページと偶数ページの問題はほぼ同じですので、授業で習った内容をしっかり復習することが大切です。
それぞれの問題には★マークがついており、★の数で難易度がわかります。★の数が少ないものから進めていきましょう。
デイリーサピックスBテキストの「応用問題に挑戦」「頭脳トレーニング」など、★の数が多く、手がつけられないと感じる問題は無理に取り組まないでおいても構いません。
ここで頑張らなくても、サピックスはカリキュラムの中で何度も同じ分野を繰り返していきますので、ここで100%をマスターする必要はありません。
授業で学び、理解した内容をしっかり定着させることを心がけましょう。
デイリーチェックの復習
デイリーチェックとは、算数A(デイリーサピックスAテキストを用いた授業)の小テストです。
このデイリーチェックで、Bテキストの家庭学習の理解度が測れます。
間違った問題はなるべく早めに復習しておきましょう。優先順位は3番目です。
デイリーサピックスAテキストの復習
デイリーサピックスAテキストは、Bテキストで学んだ内容の再確認です。
そのため、Aテキストで授業中に間違ってしまった問題は、しっかり定着していない問題ということになります。
つまり、お子さんの学習の「苦手なところ」がわかります。間違った問題を中心に復習しましょう。
基礎力定着テスト
授業前に行われる小テストは、基礎力トレーニングの内容とデイリーサピックスBテキストの内容が出題されます。
優先順位は高くありませんが、間違った部分をそのままにしておくと、しっかり定着しません。
間違った問題だけでもしっかりと復習しておきましょう。
4年生は遊ぶ時間も大切!子どもに負担がかからない勉強スケジュール
4年生の場合、塾が終わるのは20時頃で、帰宅して夕飯を食べたらもう21時を過ぎてしまいます。
学校の宿題をするのに精いっぱいというお子さんもいらっしゃるでしょう。
サピックスの授業が終わった後、無理に復習をする必要はありません。
だからこそ、オススメしたい方法は2点あります。
毎朝欠かさず実施しよう!基礎力トレーニングを15分で解く
この後、5年生、6年生と学年を経るにつれ、学習内容は増えていきます。
毎日やることも増えます。
理科や社会には「コアプラス」という1問1答の問題集も毎日こなさなければなりません。
朝少しだけ早起きして解くという習慣づけをしておけば、5年生・6年生になってからも毎日の勉強を進めやすくなります。
授業で学んだ内容は、翌日か翌々日までに復習しておくこと
サピックスは、復習中心の塾です。
なので、しっかりと復習をしておくことが、サピックスの塾の進度についていくために大切です。
難関中学への実績も多い塾で厳しいイメージを抱いているご家庭が多いかもしれません。
しかし、4年生から土日をまるまる勉強に費やす必要はありません。
先生から指導されたことをしっかり押さえておけば、ちゃんとお友達と遊ぶ時間を持ちながら通える塾になります。
最後に
サピックスでは算数のテキストが大量に配られます。
しかしすべてを完璧にこなす必要はありません。
優先順位をつけて、しっかり復習していくことが、上位クラスの成績を取り、中学受験で成功するための近道です。