もし近くに良い学校があったら、やはり親として中学受験を考えたり意識する親御さんも少なくないのではないでしょうか。
勿論、公立の中学校で学べる事も多いですが、やはり良い環境には良い友人、良い先生が集まります。思春期の友達は一生の友達になる事も多く、周りの人々がその子の人生に与える影響は計り知れません。
中学校から高い教育を施してもらえる安定した環境があり、子どもにも合っていると思えるのなら、そこにチャレンジさせてあげるのが親の役目ではないかと思うでしょう。
では、中学受験の合格を勝ち取るためにはいつ頃から何を準備するのが適切なのでしょうか?
目次
中学受験準備の前段階 1~3年生
準備は早いに越した事はありませんが、その年齢によっての適切な順序があります。
準備の前段階として、低学年のこの時期に必要な事は「学習のクセづけ」です。
机の前に座っていられる時間というのは、その子の成長具合によって決まります。
心の成長が伴わないと、幾ら塾に通わせたり、家庭教師をつけても糠に釘なのです。
「学習のクセ」とは「毎日、自ら継続して学習を行う習慣」です。
これは、中学・高校時代にも影響してくる大変重要な能力です。
学習のクセづけのためにすべきこと
具体的には本屋さんでドリルを買ってきましょう。
①国語、②算数、③ひらめき系の3種類×2冊位が適切です。
- ①国語:漢字ドリル+読解ワーク(or作文ワーク)
- ②算数:計算ドリル+文章題ワーク(or平面・立体問題ワーク)
- ③ひらめき系:数独orクロスワードなど
毎日30分~1時間位で終わる量に設定します。最初は無理のない様設定し、様子を見ながら増やしていきます。
親御さんがページの隅に日付を書き入れ、その日にやる場所を決めてあげます。
子どもがちゃんとこなせているかのチェック&丸つけも大切なフォローです。
少なくとも1週間に1回は見てあげて下さい。解答が合っていたなら大きな花丸を、間違っていたなら解き直しを一緒に行って下さい。
文章題は3年生位からが目安です。
ひらめき系は頭の体操となる楽しい問題集がお勧めです。
数独は数学脳、クロスワードは語彙力に繋がりますので、是非良さそうなのを選んで下さい。
子どもはひらめき系が大好きなので、こればかり進めてしまう事もありますが、上手く調整してあげましょう。
国語は実は、全ての受験勉強の元となる最重要科目です。
難関校の特徴である長文問題の読解ができるかどうかは国語力に関わります。
大学受験やその後にも通用する力となりますので、軽視しない様にしましょう。
学習のクセづけで大切なこと
子どもに学習のクセづけをさせる上で大切なのは
- 『計画を立てる』
- 『計画通りにやる』
- 『やったかチェックする』
- 『間違った問題は必ず解き直す』
この4工程です。
もしその日に出来なかった分があったなら、他の日に回す様再設定してあげて下さい。
ここでしっかりこの4工程を習慣づけると、高学年以降は自分で行える様になります。
中学受験の準備開始は4年生
前段階を経て、さあ腰を据えて受験勉強のスタート!とするのは4年生がベストです。
遅くとも2学期からは塾に通わせてあげて下さい。
塾には受験に関する最新情報と豊富な教材があり、また緊張感を持って学習できるという点で家庭学習より優れています。
受験問題で重要な部分を占める算数の「つるかめ算」や「速さの問題」などは、基礎が4年生にあります。
ここでつまずくと、後から取り戻すのが大変になってしまいます。
目標の明確化は5年生
いよいよ本格的な学習内容に入ってくるのが5年生です。
ただし、5年生から受験勉強を始めても、まだギリギリ間に合います。
大切なのは、4年生の内容も全て完璧にする事。
6年生に迄なってしまうとなかなか時間も足りませんので、5年生のうちに4年生の総復習を行って下さい。
そして最重要ポイントですが、5年生のうちに是非一度、志望校を訪れて下さい。
志望校を訪問することの重要性
公開授業や文化祭などに親子で出掛けてみましょう。
実際の学校の雰囲気や活気ある授業、生き生きとした先輩の姿を見て下さい。
すると、子どもの心に憧れが芽生え「この学校に通い、この先輩達と学びたい」というリアルな欲求が生まれます。
本物を見るのと見ないのとでは、その後のやる気が全く違います。
子どもの目標が明確にビジョン化され、その学校に入りたいと思った子は、自分で勉強を頑張る様になります。
逆に、志望校を見てもその学校に行きたいという気持ちになれなかった場合は、大変残念ですが受験を見送った方が賢明です。
その子の気持ちが十分に成長していない場合もありますし、学校を気に入らなかったという場合もあります。
親の押しつけでは勉強は続きません。
「あなたはこの学校を受験する?」「受験する為には塾が必要だと思うけれど、あなたは塾に通う?」と子供に聞いかけ、この段階で本人の意思をしっかりと確認して下さい。
どんなに忙しくても絶対に決まった量の勉強はこなす6年生
そして、6年生になると小学校の最高学年。
勉強の他にもスポーツや習い事をしている場合が多く、試合や発表会など子どもも親も多忙です。
土日も毎週潰れる事が多く、子どもも親も休む暇がありません。疲れていたりすると「塾を休んでもいいかな」と子供は聞いてきます。
こういう時は、凛とした態度で行かせましょう。
ここで塾を休む子と休まない子が、合格する子としない子の分かれ道です。
自分に甘いかそれとも厳しく出来るかが、その後の結果に関わってきます。
「塾を休む」「塾を辞めたい」と言った時には、「あなたが自分で決めたんだよね?」「あの学校には行かないの?」と聞いてみて下さい。
基本的には『自分で決めた事は続けなさい』というスタンスです。
小さな逃げ道を提案しながら、明るく冷静にサポートしてあげて下さい。
中学受験で最も大切なのは「本人の気持ち」
中学受験で一番大切なのは、上にも述べたように本人の気持ちです。
嫌々ながらやる勉強ほど不幸な物はありません。
もし壁にぶつかったなら、何の為の中学受験なのかをもう一度問い直しましょう。
親の為ではありません。子供の為の受験です。
そして、例え中学受験を回避する事になっても、その後の高校受験も大学受験もあります。
人生、チャンスはまだまだあるのです。
また例え志望校に落ちたとしても、それはまた人生の貴重な経験です。
挫折は人を成長させます。
是非どっしり構えて、子供さんを上手に暖かく、リードしてあげて下さいね。