しかし、クラスを上げることは、思うほどなかなか簡単なことではありません。
それでも、上位クラスを目指したいお子さんや保護者の方は多いはずです。
今回は、塾講師の経験から中学受験塾でクラスを上げるために必要な、行動や心構えを解説します。
目次
クラスを上げるために何をすれば良い?
クラスを上げるためには、塾が定期的に実施している塾内テストで結果を残す必要があります。
塾内テストは、塾によってさまざまな名称でよばれています。
通っている塾の学年の人数やクラスアップの基準などの事情により、クラス変更をおこなうかどうかは異なりますが、これらのテストで優秀な成績を収めることがクラスを上げることにつながります。
塾内テストで結果を残すために!日頃から準備しておくべき3つのこと

クラスを上げるためには塾内テストで優秀な成績を収める必要がありますが、優秀な成績を収めることはなかなか簡単なことではありません。
では塾内テストに向けてどのように準備を進めていけばよいのでしょうか。
テストに向けての日頃からの準備で特に意識してほしい点は、以下の3つです。
- 授業の復習に力を入れる
- 宿題を確実に実施する
- 翌週の確認テストなどで結果を残し続け、実力を高める
それでは、こちらを順番に解説します。
授業の復習に力を入れる
まずは、授業の復習に力を入れて勉強してください。
塾内テストでは、問題の出題範囲が決まっていることがほとんどです。
年に数回おこなわれる塾内テストは、基本的にテストまでに授業でおこなった学習範囲の定着度合いを確認するといった、復習の意味合いが強いです。
そのため、おもに直近の授業で学習した範囲が出題範囲となることが多くなります。
つまり、授業の復習をしっかりと手を抜かずにおこなうことが、テストの結果につながりやすくなります。
宿題を確実に実施する
宿題を確実に実施することも、塾内テストで優秀な成績を収めるには必要なことです。
先ほど説明しましたが、塾内テストの出題範囲は、復習の意味合いが強いです。
だから、学習した範囲をしっかりと復習することで十分な対策となります。
しかし、復習とはいえ塾内テストでは広い範囲を扱うため、短期間で対策できる量ではありません。
また、4教科の対策が必要となるため、バランスよく効率を考えて勉強することが必要となります。
そのため日頃から宿題をしっかりとおこなうことで、週ごとに学習内容を1つずつ定着させていくことが大切です。
こうすることで、塾内テスト直前は、これまでに定着を図ってきた学習内容の確認に時間を使うことができます。
直前にわからないところだらけとなってしまうのは、日頃からの学習が不十分である可能性もあります。
したがって、宿題を毎週確実に実施することが、塾内テスト対策に向けた最も有効な対策となるのです。
翌週の確認テストなどで結果を残し続け、実力を高める
翌週の授業内などでおこなわれる確認テストで、しっかりと結果を残しましょう。
授業内の確認テストがクラスアップの資料となることはあまりありませんが、確認テストで結果を残せるということは、復習内容が定着していると考えることができます。
毎週の確認テストでしっかりと実力が発揮できれば、塾内テストでも優秀な成績を収めることができる期待が高まります。
塾の先生は、毎週の授業内での理解度はもちろん、毎週の確認テストの結果を見て「AくんとBさんは復習もできているし、次の塾内テストは期待できるかもしれない」と考えているものです。
テストに向けての日頃からの準備では、復習の大切さを解説しました。
「授業の復習に力を入れる」「宿題を確実に実施する」「翌週の確認テストなどで結果を残し続け、実力を高める」という3つは、復習の内容をしっかり定着させるという共通点があります。
入試本番にもつながる!塾内テスト中に意識すべきこと
クラスを上げるためには、塾内テストで結果を残すことが大切だと説明しました。
それでは、テスト中の心構えはどのようにすればいいのでしょうか。テスト中は以下の3つをしっかりと念頭に置いて受けてほしいと考えます。
模試や入試本番でも大切!難易度の低い問題は確実に正解する
難易度の低い問題は、見直しなども優先しておこない、確実に正解するよう心がけましょう。
これはクラスアップを目指す塾内テストに限らず、模試や入試本番でも大切なことです。
テストの配点は、難易度の低い問題も難易度の高い問題もそれほど変わりません。
テストによってはすべて4点ずつなど、均等配点の場合も少なくありません。
つまり、自分ができる問題をていねいに解き、積み上げることが、高得点につながるのです。
難易度の低い問題を確実に正解するというのは一見簡単なことのように思われがちですが、テスト中に慌ててしまうと、思わぬミスをしてしまうものです。
難易度の低い問題は、とくに意識して見直しまでていねいにおこないましょう。
問題の題意を確実に読み取り、勘違いを防ぐ!小さなミスを防ぐことで点数を上げていこう
「問題の題意を確実に読み取り、勘違いを防ぐ」とは、問題をしっかりと読み、何を求めるかを確実にとらえることが大切ということです。
たとえば「表面積を求めなさい」なのに体積を求めたり、「平均を求めなさい」なのに合計を求めたりなど、勘違いのミスは挙げれば切りがありません。
「適当でないものを選びなさい」なのに適当なものを選ぶミスもよくありますし、「漢数字で答えなさい」のところを算用数字で答えたら、いくら番号が合っていても不正解です。
このように、問題の条件をしっかり読まないばかりに勘違いをするのはもったいないですよね。
このような小さなミスを防ぐことは、テストの点数を上げるために大変重要なことなのです。
解ける問題を確実に解く!解けない問題は飛ばしておくことで時間を効率的に使おう
解けない問題は時間をかけすぎず、解ける問題を優先的に確実に解くようにしましょう。
先ほど説明しましたが、問題の難易度によって配点の差が大きく異なるわけではありません。
解けない問題で立ち止まってしまわず、解ける問題から順番に解いていくことが大切です。
しばらく考えてもうまく答えられない問題は後回しにすることで、時間を効率的に使うことが可能です。
すぐに結果が出るわけではない!子どもに自信を持たせるために必要な親のサポート

ここまで、テストで結果を出すためには、復習に力を入れることはもちろん、テスト中の心構えも大切だということを説明しました。
それでは、親はどのようにお子さんをサポートしていけばよいのでしょうか。
ここでは心構えを2つ説明します。
結果以上にプロセスをほめ、自信を持たせる
結果以上にプロセスをしっかりとほめ、小さな成長を評価してあげてください。
解答に至るまでのプロセスをほめることで、「こうやって解けばいいのか」と納得することにもつながりますし、「ここではこうしてごらん」とアドバイスをすることで、似たような問題は次回からアドバイスを意識し解くようになります。
テストの結果に固執するあまり、思ったような結果が出ないからといってお子さんを叱らないようにしましょう。
テストで結果を残すことは大切ですが、思ったようにうまくいかず伸び悩むことも少なくありません。
また、次のテストですぐ結果を出せるほど、勉強は甘いものではありません。
点数が伸び悩んだときはできなかった問題が多いということですから、点数を指摘するのではなく、できなかった問題をできるように具体的にアドバイスしてあげることが大切です。
次の自信につながるような声掛けをしてあげてください。
勉強をする環境を整える
家庭学習を進めるにあたって、勉強に集中できる環境が必要です。
小学生の場合は自分の部屋よりもリビングで勉強することが効果的ともいわれます。
これは親の目が行き届き、声掛けがしやすいためです。
もちろん、テレビなどは消し、静かに集中できるように配慮してあげましょう。
コツコツと勉強に励み、小さなミスを減らしていこう
中学受験塾でクラスを上げるためには、塾内テストで結果を残すことが大切です。
復習に力を入れ、テスト中の心構えをしっかりと実践することで、小さなミスを減らすことが大切です。
日々の勉強の意識を高め、コツコツ勉強に励みましょう。勉強する場所だけでなく、お子さんが前向きに勉強に向き合うために自信が持てるよう、声掛けをしてあげてください。