家庭学習を充実させよう!子供が楽しみながら学習を定着させるために試して欲しい家庭学習の基本と応用

家庭学習をする子供

昨今様々な事情で、子供が家庭で学習する機会が増えています。

学校に任せていれば安心と思っていた勉強も、親が関わらなければならない場面も多くなってしまいますね。

そのため、学力が下がってしまうのではないかと心配される親御さんもいらっしゃることと思います。

そこで今回は、小学校教諭の経験から、家庭でできる勉強法についてご紹介します。

基本的な家庭学習の進め方!お子さんの学習状況を把握しよう

皆さんは、お子さんの小テストや単元のテスト、宿題、ドリル、ノートの様子をどの程度把握しているでしょうか?

学校のテストやドリルは教科書に基づいて作成されていますので、これらで100点が取れていれば教科書の内容は理解していると考えられ、一つの指標となります。

点数が低いから怒ってばかり、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、これらには家庭学習のヒントが詰まっていますので、活用しない手はありません。

間違えた問題をフォローして学習していきましょう

まずは、点数や出来不出来の量に目を向けるのではなく、何を間違えているのか、その内容に注目してください。

どの子供にも得意不得意があるので、殆ど家で勉強の時間をとらなくても理解できる教科・単元もあれば、根気強く取り組む必要がある教科・単元もあります。

得意な分野は楽しく勉強できるので手を付けやすいのですが、苦手な分野ほどやる気が起きない上に、どう勉強したらよいかもわからないので、親の声掛けが重要になります。

すでに丸がついている問題を繰り返す必要はないので、間違えた問題に注意を向けさせましょう。

ケアレスミスなのか、漢字や暗記する用語など反復練習で解決できる問題なのか、自分で教科書などを参照して解決できる問題なのか、解き方が全く分からず自分では解決できない問題なのか。

それによって勉強の方法も変わりますし、親が教える必要があるかどうかも判断ができます。

学校は基本的に一斉指導なので、個別に懇切丁寧な指導はできません。

また授業では、どんどん単元を進めなくてはいけないので、すでに終わった単元を振り返ることも難しくなります。

そのため、家庭で個別に弱点をフォローすることが有効なのです。

親としては、問題集などを子供に与えておけば楽で安心と感じてしまいがちですが、手広い学習ではなく、ピンポイントで親が手をかけることが大切です。

家庭学習の応用!勉強した内容を先生になって教えてもらおう

次に、家庭学習の応用編をご紹介します。まず、「先生になってみよう!」です。

先生になるって何?と思われましたよね。

これは、子供が先生役になって、勉強した内容を親に教えるというものです。

学校でも教え合うという手法はよく用いられますが、自分の理解度を確認するためには非常に有効な手段です。

というのも、分かった気になっていても、いざ説明しようとすると意外とできないものだからです。

教えるためには、自分が問題を解く以上にその内容に精通する必要があるので、必然的により深い理解が得られます。

また、教えるというのは意外と楽しいことでもあります。

親は生徒役として質問をするなど親子で学習時間を楽しみましょう

教えたことで相手が喜んだり、問題が解けるようになったりすると自信がつき、学習態度が前向きになるケースが多く見られます。

方法としては、例えば、「今学校で習っている江戸時代の勉強をしたら、その内容の授業をしてね!」、「この算数の問題の解き方を教えられるように準備しておいてね!」、「今日勉強した内容から質問するから、答えられるようにしておいてね!」などと伝えます。

はじめは、しどろもどろになってしまうかもしれませんが、徐々に慣れてきて、教えるのが楽しくなるとしめたものです。

親として指摘をすることはせずに、「先生、どうして○○なんですか~?」や、「ここの解き方がわかりません~!」など、うまく生徒役をしながら誘導できるとよいですね。

親も楽しめますし、気分転換にもおすすめです。

年齢に合わせて、ご家庭で色々と工夫してみてくださいね。

勉強が嫌いな子供

家庭学習ならでは!自由なテーマを設定した「調べ学習」がおすすめ

更に、家庭学習ならではの応用編として、「調べ学習」に取り組んでみてはどうでしょうか。学校の「総合的な学習(探求)の時間」のように、課題を探求していく学習です。

家庭での学習は、真面目な勉強ばかりでは集中力が続きにくいですよね。

そこで、家庭で自由にテーマを設定し、調べ・まとめ・発表をしてみてはどうでしょうか。

教科書に関連した内容でもよいですし、子供に好きなテーマを考えてもらっても構いません。

身近なテーマとして、「今度家族旅行で行く北海道について」や、「好きなスポーツ」など何でもよいので、その歴史や変遷、他国との関係、抱える課題など、様々な観点から深めていくことで、教科横断的な学習ができます。

親から「これが知りたい!」と調べるポイントを伝えておくのもよいですね。

紙にまとめたり、劇にしたり、まとめ方も自由ですが、最終的には学習発表会のような形で家でもお披露目の場があると、伝え方を考える学習にもなります。

教育現場でもアクティブラーニング(積極的・能動的な学習)が主流になってきています。

主体性をもった学びは、家庭学習ならでは工夫のしがいがあります。

学力の低下を心配される場合も、教科書の内容に即したテーマを設定すれば、よりその内容を横断的・総合的に学ぶことに繋がるのでおすすめです。

秋田県式学習法とは

勉強しなさい!だけではなく、家庭学習を充実させていきましょう

ここまで、家庭でできる学習方法についてご紹介してきました。

家庭学習のメリットは、家族との関わりがあることです。

仕事や家事などでそれどころではないというのが正直なところかもしれませんが、子供が質問をしてきたら、後回しにせずその場ですぐに返答してあげるというだけでも、子供の意欲は向上するものです。

親が自分の学習に無関心であれば、「勉強しなさい!」と言われてもやる気はおきませんから、一緒に楽しみ工夫しながら、親が共に学ぶ姿勢を見せられるとよいですね。