発表会や参観会など、大切な場面で悪ふざけをする子どもを見て「他の子はしっかり席に座っているのに、どうしてうちの子だけフラフラしているの?」「周りに迷惑をかけていないか心配」など、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
今回は、大切な場面でふざけてしまう子どもにどのように接すれば良いのか、元幼稚園教諭の目線から、対処法や子どもの心理についてお話します。
注意しても全く改善しない、行動がよりエスカレートしていると感じている方は、今の対応を変えていく必要があるでしょう。
日常生活の中で、実践できるものもあるので、ぜひ子育ての参考にしてみてください。
目次
大切な場面でふざけてしまう子どもの心理とは?
大切な場面で子どもがふざける心理として考えられるのは「親や周りの関心を集めたい」、「失敗して恥ずかしい思いをしたくない」という心理です。
まずは、なぜ子どもがふざけてしまうのか、行動の裏に隠された心理を考えてみましょう。
親や周りの関心をただただ集めたい
最も多いパターンが、ふざけることで周りの関心を集め、自分に注目してもらいたいという心理です。
ふざけることで、周りの友だちが笑ってくれた、先生や親や自分のことを見てくれている、そのような状況を繰り返すことで、ふざける行為が一種の「成功体験」だと思い込んでいる可能性があります。
ふざければ、注目を集められるという認識を持ち続けていると、いくら注意しても聞かず、行動がエスカレートすることもあるでしょう。
失敗して恥ずかしい思いをしたくないという思いの裏返し
その他には、大事な場面で失敗しないか不安、人前に出るのが恥ずかしいという気持ちが隠されている可能性もあります。
特に、発表会や参観会などは、たくさんの人が集まり、子ども達も緊張しやすい場面です。
恥ずかしさや不安、緊張を隠すためにふざけてしまう、というケースもあるでしょう。
ふざけてしまう子への対処法!日常生活で意識したい声かけ・働きかけのポイント
子どもがふざける場面で、どのように対応すればいいのか、対処法や声掛けのポイントを4つご紹介します。
- 感情的に叱らない
- なぜいけないのか理由を分かりやすく伝える
- 子どもを認めて自己肯定感を高める(失敗も認めてあげる)
- 子どもの得意なこと・がんばれることを見つけて伸ばす
日常生活でも意識したい、声かけ・働きかけのポイントにもなるので、ぜひ参考にして下さい。
感情的に叱っていませんか?悪ふざけをしている時は逆効果になってしまいます!
ふざける子どもを見て「何をしてるの!」「やめなさい」「○○くんダメだよ」など、感情的に叱っていませんか?
感情的に叱る、理由を言わずに注意するという対応は、悪ふざけをやめさせるのに効果がなく、より行動をエスカレートさせてしまう可能性もあります。
「やめなさい」という言葉だけでは、子どもは「なぜふざけてはいけないのか」という根本的な部分が理解できていません。
また、人前で感情的に叱られる行為が子どもの自尊心を傷つけてしまうこともあります。
子どものふざけた行為を見ると、思わず感情的に叱りたくなりますが、逆効果になることもあるのでまずはぐっと堪えましょう。
なぜいけないのか、理由を分かりやすく具体的に伝えましょう
子どものおふざけをやめさせるには「なぜいけないのか」という部分をきちんと伝えることが大切です。
「今、○○くんが席を離れると、○○くんも、みんなも楽しいことが始められなくて、困っているの。だから、今は自分の席に座ろうね。ママ、楽しみに見てるね」と、落ち着いて、具体的に、分かりやすく、伝えることが大切です。
なぜ、いけないのか、どうすればいいのかを伝えた上で、楽しみに見ていること、しっかり注目していることも伝えてあげれば、子どもの意欲ややる気にもつながります。
何度も注意するよりも、子どもの側に行き、冷静に落ち着いて話す方が子どもにもしっかりと伝わります。
向き合ってもらうことで、子どもは安心感も得られるでしょう。
話が長くなりすぎると、子どもに伝わらないので、短い文章で明確に伝えることも意識しましょう。
失敗も認めてあげよう!頑張りを認めてあげることが自己肯定感を高めることに繋がります
失敗したらどうしようという不安や心配からふざけた行為をしている子どもには、たとえ失敗してしまったとしても子どもの頑張りを認めてあげて、安心感を与えることが大切です。
しっかり見ていたこと、頑張った姿を具体的にほめてあげることは、子どもの自己肯定感を高めることにもつながります。
大切な家族に、自分を認めてもらうことは、子どもにとって1番の喜びです。
子どもが頑張った姿を、たくさん褒めて認めてあげること、目を見て向き合って伝えてあげることを意識しましょう。
子どもの得意なこと・頑張れることを見つけてあげよう
日常生活の中で、子どもが得意なこと、頑張れることを見つけて伸ばしてあげることも意識するといいでしょう。
注目を集めたい、認めてもらいたいという心理を、十分に満たしてあげることで、行動が落ち着く場合もあります。
得意なことは、スポーツや勉強に、こだわる必要はありません。
遊びの中でも子どもの好きなこと、集中して取り組めることを見つけ、のびのびと楽しめる環境作りを心がけましょう。
すぐに変化がみられなくても焦らないで大丈夫!お子さんとじっくり向き合っていきましょう
今回は、大切な場面でふざけてしまう子どもの心理や適切な対処法についてお話しました。
まずは、行動の裏に隠された心理を見抜くことが問題解決の第一歩です。
子どもの気持ちに寄り添い、声かけや働きかけを変えていくことで、子どもは安心し、落ち着いて活動に参加できるようになります。
すぐには変化を感じられないこともありますが、子どもの気持ちや行動に焦らず、じっくり向き合っていきましょう。