子供の「おつかい」では何をお願いする?おつかいを通して自立の準備に繋げよう

おつかいに行く子供

子どもには様々な経験をさせたい!と思う親御さんにとって、「おつかい」もまた、体験させたい経験のひとつなのではないでしょうか。

でも、「おつかい」って危なくないかな?何歳になったらできるかな?など、はじめておつかいに行かせるにはとっても多くの不安が付きまといます。

今回は教諭経験から、「子どものおつかい」はどのようなことを任せられるのか、どのように子どもに経験させるのがよいかをみていきましょう。

「おつかい」って何歳からできるの?

そもそも「おつかい」って何歳からできるのでしょうか。

もちろん、その子の性格や住んでいる地域環境などによっても変わってくると思います。

しかしながら、5歳頃~小学1年生頃におつかいへ行かせることが多いかもしれません。

5歳頃の子供ができるおつかい

5歳頃になると、大人の言っていることが大体理解でき、交通ルールなども理解し、守ることができるようになってきます。

このタイミングでも「お隣へ回覧板を届ける」「郵便ポストに手紙を出しに行く」など、内容を吟味すれば、おつかいに行くことができるでしょう。

小学生になったら頼めるおつかい

小学1年生になると、もっと理解力がつき、かつ小学校への登下校などで地域を歩くことに慣れてくると、親としてもおつかいに行かせやすくなります。

子ども自身も、登下校をしている道なら自信を持って進むことができます。

また、小学生になると友だちと外に遊びに行く機会も段々と増えていきます。

そう考えると、友だちとお店に行くようになることも考えられますので、一人で買い物ができるようにしておくのもよいでしょう。

ちなみに、「おつかい」に関する絵本として有名な『はじめてのおつかい』(文 筒井 頼子、絵 林 明子 福音館書店)の主人公みぃちゃんは、5歳の女の子。

この本が出版されたのが1977年で45年前ですので、今とはまた状況も環境が違うかもしれませんが、その頃は当たり前の光景だったのかもしれませんね。

子供の成長につながる「おつかい」!おつかいを通して身につけられる4つのこと

1.自信がつく

何かを達成できた喜びは、非常に大きな自信へと繋がります。

1人で行けた、お金が払えた、お店の人に自分から聞けた、などできることが増えると、少しずつ着実に自信がついていきます。

逆にあまり難易度が高すぎるおつかいには気をつけましょう。

失敗してしまうと、失敗体験として心に傷を負ってしまう可能性があるので注意が必要です。

2.お金について学ぶことができる

少し前までは、一緒に買い物に行き、横目で親がお札や硬貨を支払うところをみて、なんとなくお金について学ぶ機会がありました。

しかし最近では、親自身もキャッシュレス化が進み、子どもと一緒に買い物にいっても親がお金を払っているところをみたことがないというお子さんもいます。

だからこそ、おつかいに行くためにお金について学び、おつかいで本物のお金を使うことは、実践的な教育という面で非常によい勉強となります。

3.人の役に立つことへの関心が高まる

おつかいに行ったら、親に「ありがとう、助かったよ!」と言ってもらえたら、子どもにとってそれは大きな喜びとなります。

自分のしたことで、相手が喜んでくれることを学ぶことができた子どもは、「また誰かに喜んでもらいたい」と思うようになり、「相手を喜ばせるにはどうしたらよいか」を考えて、行動ができるようになっていきます。

誰かの役に立っているということが、子供のこれからの成長にも繋がっていくはずです。

4.自立の準備につながる

子どもは「おつかい」を通して、大人の生活を知ることもできます。

回覧板を回すこと、季節の便りを出すこと、買い物に行くこと、お金の払い方、荷物が重いこと、などたくさんのことを知ることができるでしょう。

「こんなこんとをしているんだ」と知ることは、社会を知り、自立していく準備としての糧となります。

「はじめてのおつかい」をお願いする時に押さえておきたい3つのポイント

はじめておつかいに行かせるなら、まずは下記の3つのポイントは押さえておきましょう。

最初は「お隣へ」のおつかいから始めよう

「おつかい」というと、どうしても「お店」へ行かせるイメージを強く持ってしまっていませんか?

しかし、「近所の家」に届けものをするのも立派なおつかいです

  • 「回覧板を持っていく」
  • 「おすそ分けに行く」

などからはじめると、子どもの少しずつ自信が付きやすくなります。

また、地域環境にもよりますが、親としても隣近所で親しくしている方であれば、「はじめてのおつかい」への協力もお願いしやすいですよね。

少しずつ難易度をあげるように計画をしてみましょう

最初からお店に行って、お金を払って、荷物を持って、安全に帰ってくる、といういくつもの高いハードルがあると、子どもも大変に感じてしまいます。

少しずつ難易度をあげていくイメージで、おつかいの計画をしましょう。

たとえば、店選びもなるべく近く、何度も一緒に行き、どこに何があるか分かっているお店だと、子どももお店の人に商品の場所を聞かずに済むので、気が楽になるかもしれません。

また、お金を払うことに自信がない子には、お札1枚だけ持たせ、考えなくても払えるようにしてあげる工夫もできます。

買ってくるものも、3個、4個と最初から頼むのではなく、1つからはじめるとよいでしょう。

工夫次第で「おつかい」を簡単にも、難しくもできます。

大人の感覚では簡単なことも、子どもにとっては大変なことも多いということを忘れがちになってしまうので、計画を立てる時は、よく考えてみてください。

おつかいに行ってもらう時は混雑していない時間帯を選んであげましょう

時間帯選びも「はじめておつかい」では重要です。

たとえば、お店に行かせるなら、混雑していない時間帯を選びましょう。

子どもも人が多いとレジで慌ててしまったり、店員さんに聞きたくても忙しそうにしていて聞けない状況になってしまうかもしれないからです。

また、どうしても土日におつかいをさせるような場合には、休みの日は朝の方が比較的活動開始がゆっくりな人も多いので、朝のうちに行かせるのがよいでしょう。

安心・安全なおつかいから子供の経験を増やしてあげましょう

はじめておつかいに行かせるのは、親としては不安も大きいかと思います。

しかし、子どもから「1人でおつかいに行ってみたい」と言われたら、できるだけ行かせてあげることが子どもの大きな成長に繋がります。

最近は「はじめてのおつかい」を体験できるイベントを商店街などで主催しているところもあるようです。

そのようなイベントを利用できると、親も子も安心して「おつかい」にチャレンジできるのではないでしょうか。

そして忘れてはいけないのが、おつかいで大切なことは子どもの安全を守ること。

子ども自身が安全に気を付けられるのか、住んでいる地域の特性、安全性を無視したおつかいは子どもを危険な目にさらしてしまいます。

ぜひ、安全な「おつかい」を経験して、子どもが自信を持てることを増やしてあげてください。