
「早くご飯を食べて!」、「しっかり片付けしなさい!」など、日常生活の中で気付けば子どもに叱ってばかり……。
なかなか言うことを聞いてくれない我が子を前に、どうしたらいいのか悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか?
社会のルールを学び、危険から身を守るためにも叱る、注意することが必要な場面もあります。
しかし、感情的に怒ったり、繰り返し叱ったりしていると、子どもの成長の妨げとなる可能性もあるので注意が必要です。
今回は、幼稚園教諭の経験から、子どもにどのように叱るのが良いのか叱り方のコツやポイントについて説明します。
何度叱っても子どもがわかってくれない、つい感情的になってしまって後から後悔してしまうとお悩みの方は記事を読んでぜひ参考にしてくださいね。
目次
上手な叱り方と下手な叱り方!上手な叱り方のコツとは?
上手に叱るコツ・ポイントは大きく分けて3つあります。
- 理由をしっかり伝える
- 子どもの目を見て、向き合う
- 叱るときは、手短にまとめて伝える
「ダメ」と叱られても、子どもは「なぜだめなのか」を理解しなければ、同じことを繰り返します。
例えば「ここに乗ると落ちて怪我をしてしまうからだめだよ」、「熱いところを触るとね、火傷をしてヒリヒリ痛くなってしまうよ」など、危険な理由を具体的に伝えることが大切です。
「ダメ」「危ない」と注意した後は、その理由を子どもに分かりやすく、すぐに伝えることを意識しましょう。
そして、叱るときは子どもの目をしっかり見ること、向き合うことも意識しておくことが大切です。
スマホをいじりながら、テレビを見ながら、誰かと話をしながら流れで注意している場合には、子どもに重要性が伝わっていないこともあります。
子どもの目を見ないまま「ダメよ」「早く来なさい」「危ないよ」など、子どもを何となく叱ったり注意したりしている方は、例え小さなことでも子どもと正面から向き合って、注意することを意識しましょう。
また、叱るときのポイントとして、ダラダラ長く叱らずに、手短に分かりやすく伝えることも大切です。
長く叱られていると、子どもは今何について叱られていたのか分からなくなったり「早く終わって欲しいな、遊びたいな」と違うことを考え始めたり……結果的にただ聞き流している状態になってしまいます。
なぜ叱られているのか理由を伝え、これからはどうしたらいいのかアドバイスをする、この2点を意識して叱るだけでも、子どもにきちんと伝わる叱り方になります。
子どもに大切なことがしっかり伝わるよう、今まで子どもにどのように叱っていたのか、自分の言葉がけや向き合い方を見直し、一つひとつ改善していきましょう。
子どもを叱るときについやってしまいがちなNG対応

子どもを叱るのは、どのようなときでしょうか?
準備に忙しい朝の時間や自分にゆとりがないときは子どもにも叱る場面が多くなってしまいますよね。
ここでは、ついやってしまいがちなNG対応について紹介します。
叱るではなく怒るになってませんか?感情的に大声で叱るのはNG!
忙しいとき、余裕がないときについやってしまいがちな行動が「感情的に大声で叱ること」です。
子どもを叱るというよりも、気付けば怒っているだけになっていませんか?
忙しいときに、子どもが約束を守ってくれなかったり、なかなか食事や準備が進まなかったりするとついつい「何度言ったらわかるの?」、「早くして!間に合わなくなるよ」など、叱りたくなってしまいますよね。
しかし、ただ感情をぶつけるだけになってしまっていては、子どもは恐怖心を抱き、怒られていることにじっと耐えているだけになってしまいます。
子どもが精神的に大きなストレスを感じる原因となったり、親子の信頼関係にも影響を与えたりすることもあるため、感情的に叱ることが日常となってしまっている方は、叱り方・伝え方を見直しましょう。
過去のことや複数のことをまとめて叱るのはNG!叱る時は目の前のことに集中しよう
ダメと注意したことを繰り返す子どもに「あの時も言ったけど…」など、過去の出来事まで叱ったり、いくつものことを一度に叱ったりしていませんか?
あれこれと叱っていると、叱っている側も叱られている側も何について話していたのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
結局、時間だけが過ぎ、話の本質を見失ってしまっては本末転倒です。
同じことを繰り返していると、あの時もそうだった!と、過去のことも含めて話したくなりますが、叱るときは目の前のことに集中。
あれこれ話が飛ばないように注意して、大切なことをまず先に丁寧に伝えるといいですね。
<年齢別>子どもの年齢や成長に合った叱り方のコツとポイント
子どもを叱るときには、子どもの年齢や成長に合った叱り方のコツ・ポイントがあります。
ここでは、年少・年中・年長に分けて、叱り方のポイントを解説します。
年少のころは正しい社会のルールを丁寧に教えてあげましょう
3〜4歳の頃は、まだ自分の感情を上手く表現できなかったり、生活や遊びのルールもすぐに理解できなかったり、守れないこともあります。
叱るときに意識したいことは、子どもの気持ちや感情を否定せず、共感した上で正しい社会のルールを丁寧に教えること。
年少の時期に学んだルールや決まりは、その後の日常生活にも影響していきます。
正しいこと、間違ったことをはっきり区別できるよう分かりやすく伝えることも大切です。
年中は友達など相手の気持ちについて一緒に考え伝えていくようにしましょう
友だちとの関わりも増える一方で、トラブルも増えてきます。
ケンカやトラブルの仲裁に入った時には「◯◯くんに謝りなさい」「仲直りして」など、こちらで一方的に仲を取り持つだけでは、子どもたちが自分で解決する力が身に付きません。
相手の気持ちやどうしたら上手く遊べるか仲良く遊べるかなど、一緒に考えて伝えていくといいですね。
年長の時期は周りと比べない、否定しないように意識しましょう
自分の意見を持ち、こうしたら良いなど自分たちで考え行動する力が身に付きます。
生活習慣も身に付き、身の回りのこと身支度も自分でできるようになるでしょう。
年長児を叱るときに意識したいのは「○○くんはできているのに」など、周りと比べないことです。
年長の時期は、小学校進学を見据えながら意欲的に活動に参加する姿勢や、友達と関わる力が大きく伸びる大切な時期です。
子どもが積極的にのびのびと成長していくためにも、みんなの前で叱ったり否定したり、比べたりということはしないように意識すると良いでしょう。
まとめ
今回は、子どもの叱り方について良い叱り方やNGな対応、年齢別の叱り方のポイントについて解説しました。
叱るという行為は、子どもが社会の正しいルールを身に付け、安全な生活を送るために、必要な場面もあるでしょう。
しかし、叱り方に問題があると子どもに上手く伝わらず、時には心の成長に悪い影響を与えることもあります。
子どもに大切なことをしっかりと伝えるためにも、記事を参考に上手に叱るポイントやコツを意識してみてください。