小学生へと成長するにつれ子どものお小遣いについて悩むこと、ありますよね。
他のご家庭ではどうしているのかな?と思っても、なかなかお金の話は聞きづらいし、たくさんの意見を聞いたところで結局迷ってしまいそうですよね。
今回は教諭経験からそんな「お小遣い」や「お金」のことについて、お話していきます。
目次
お小遣いを渡す時の3つの方法
子どもへのお金の渡し方にはいくつかあります。まずは3つの渡し方を見ていきましょう。
決まった額で渡すお小遣い制
平成15年の調査ですが、金融広報中央委員「知るぽると」のアンケート結果では小学生の7割強、中学生の8割強、高校生の約8割がお小遣いをもらっているとの結果でした。
お小遣い制といっても、1か月に1回の場合もあれば、不定期で時々もらう場合もあるようですが、1か月のお小遣い制の場合、中学生で1,000円、高校生で5,000円という家庭が多いようです。
お小遣いの中で自分で考えてやりくりしたり、貯金の習慣もつきやすいかもしれません。
家のお手伝いをした報酬として渡す報酬制
お風呂掃除をしたら1回○○円といったやり方ですね。
最近はこのようなお金の渡し方をしていると聞くことも多くなった印象を受けます。
特に幼稚園児や小学生など年齢が低いほどこのようなお金の渡し方が多いように感じます。
何か頑張ったら報酬(お金)をもらえると学べることはいいことですが、本来家族みんなで協力してやるべき家の家事ごとに対して報酬を与えるということが良いのかどうかは、やや疑問が残るところではあります。
お小遣いが必要な時に渡すプレゼン制
そしてお小遣い制がない場合「プレゼン制」をとっているご家庭も多いのかもしれません。
これは必要な時に、何にどのくらいのお金を必要としているのかをプレゼンすることでお金をもらう方法です。
筆者自身はこの方法でお金をもらっていました。
きちんと自分の考えが伝えられないと、もらえるお金は少なくなります。
きちんと自分の考えを伝えるプレゼン力は磨かれたかもしれません。
それぞれの渡し方にはメリットとデメリットがあります。それぞれのご家庭にあった方法を選ばれるのがよいでしょう。
お小遣いはいつから?何に使わせる?
では、月に1度のお小遣いの場合、いつから渡すのがいいのでしょうか。
筆者自身は1度幼児期からのお小遣い制導入を考えていました。
お菓子が欲しい、おもちゃが欲しい、と何でも欲しがる時期があり、この際お小遣いを渡して「お金の大切さ」「使う」「貯める」ことを学ばせてもよいかな?と考えたことがありました。
しかし、現実問題まだお金の概念、数字も怪しく、足し算引き算もできません。そのような中で考えさせることは少し無理があるかなと感じ断念しました。
現実的に考えると、お金や数字について理解し、簡単な計算ができるようになる小学校3、4年生頃がよいのかもしれません。
小学3,4年生頃になると友だちと遊びに行く機会も増え、行動範囲も広くなります。
金銭感覚を少しずつ身に付けていくにも良い時期かもしれません。
お小遣いが足りないという失敗も良い経験につながる
ではその「お小遣い」は何に使わせるべきなのか。
この辺はお小遣いの金額とも関係してくるのかもしれません。
学校で使う消しゴムやノートも自分で買わせる場合はお小遣いの金額も多くりますし、学校で必要なものは保護者が買う場合、お小遣いは子どもが欲しいものに使うだけの金額で十分になります。
どちらにせよ、無駄遣いさせない約束はしても、何を買うのかは自由にすべきかと思います。
それでお小遣いが足りなくなれば、「何がいけなかったか」「何が必要なかったのか」お金の使い道を考える機会になるからです。
失敗から金銭感覚を培うこともよい体験です。お小遣い帳を付けさせると親子で振り返りもしやすくなります。
お金での友だちトラブルに注意!家庭内で作っておくべき「お金のルール」
子どもがお金を持っている時は、お金のトラブルについても注意が必要です。
小学生くらいの時期は、お金をあまり持たせない家庭も多いですが、そのような中で自分がお金を持っているとなると、どうしても自慢したくなり、おごってあげたり、お金を貸してあげたり、といったことからトラブルに発展してしまうことも正直珍しいことではありません。
大人になってからも困らないために「お金のルール」を考えておこう
そのようなことがないように、各家庭で「お金のルール」を決めるのが大切です。例えば以下のようなルールが考えられます。
- 友だちにおごったり、おごられたりしてはいけない
- 友だちにお金を貸したり、借りたりしてはいけない
- 自分で購入したものを、友だちにあげたり、お友だちが買ったものをもらってはいけない
これは大人になってからでも守るべきものかもしれませんね。金銭感覚は1人ひとり違います。お金のやり取りをして人間関係を壊してしまうこともあります。
そうならないようにしっかりお金について子どもと話したり、考えたりする時間を設けましょう。
お小遣いを渡すようになったら持ち物などに気をつけておこう
そして、親御さんは普段から子どもの持ち物などをしっかり確認しておくよう心掛けておいてください。
無駄遣いをしていないかはもちろん、お小遣いやあげたお金では買うことができないようなものを持っていないか、持っている場合はなぜもっているのか、その背景をきちんと把握しましょう。
大人の気づかないところで子ども同士トラブルになっていたり、また何らかの悪い事態に巻き込まれている、足を踏み込んでいる可能性もあるからです。
ある一定の年齢になると、なかなか所持品の把握までしなくなってくるものかとは思いますが、普段から子どもの行動や言動にしっかりと向き合い、些細な異変を見過ごすことがないようにしてあげましょう。
何らかのサインを保護者に送っていることもあるかもしれません。
最後に
お金を持つこと、そしてお金を使うことは消費者教育の一環となります。
小さな頃からお金を稼ぐ、手に入れるためにはどうする必要があるのか、お金を何に使い、どう使うのかを学ぶことは大人になってからの金銭感覚にも大きく影響を与えるでしょう。
必要以上にトラブルなどを恐れてお金を使う機会を奪ってしまうと、大人になってからの金銭感覚を鈍らせてしまう危険性もあるので、親子で話会いながら「消費者」の1人としての経験を積ませてあげましょう。
お金は人を変え、人間関係も変えてしまいます。小さな頃から、使い方によってお金は良くも悪くもなることをぜひ学び、学ばせていくことも大切ですね。