「昔は素直な子だったのに…」
そう感じる親御さんも少なくないのではないでしょうか。
子どもは成長すると少しずつ一般的な「素直さ」が減っていってしまうものです。
しかし、「素直な子」は世の中では可愛がられることも多いですので、できれば「素直さ」がより多く残っていた方が社会ではプラスになることも多いかもしれません。
では、「素直な子」とは具体的にどんな子をさすのでしょうか。
そして、どうすれば「素直な子」に育っていくのか考えてみましょう。
目次
素直ってどんなこと?
まず「素直な子」の特徴を考えてみたいと思います。
皆さんの周りには「素直な子」はいますか。また、どんな子を「素直な子」と感じるのでしょうか。
教諭経験から、「素直な子」と言われる子たちには次のような特徴があるように感じます。
- はっきりと感情表現する
- 疑わない、だまされやすい
- 何事にも前向きである
- 物事に寛容である
- 人との関わり方が上手 など
もちろん、これ以外にも「素直な子」の特徴は考えられますが、今挙げたものだけで考えてみると、「素直」であることは社会の中では良いと思われる特徴もありますが、少し危険な特徴も見受けられます。
こう見てしまうと本当に「素直」であることは必要なのでしょうか。
素直だとどのような良いことがある?
では次に、素直な子が得ることができるメリットについて考えてみたいと思います。
周囲の人から愛される子になる
素直であることは人をひきつける力があります。
人は何かアドバイスをしたり助言をした時に、相手がそれを受け入れてくれると「よかった」という気持ちになります。
その気持ちは、その後も「その人のために何かやってあげよう」という気持ちにさせてくれます。
努力ができる子になる
何かを頑張りたいと思うことができた時、素直な子は自分の気持ちに素直になり、一生懸命に努力することができるでしょう。
成長、飛躍できる子になる
素直に努力ができる子は、何か困難にぶつかったときにも、周りのアドバイスや違うやり方を受け入れることができる子が多いです。
自然と成長し、大きく飛躍することができるようになってきます。
純真な心を持つ子になれる
自分の思った通りに過ごすということは、簡単なようで難しいことです。
人から疑われたり、逆に疑ったりすることは、心を非常に疲れさせます。
自分を忘れず、他人を受け入れ信じることができる素直な心を持った人は、周りからもかわいがられる子になります。
このように「素直な子の特権」を考えていくと、やはり「素直」であることはある程度必要な要素なのかもしれませんね。
素直な子に育てるために親が気をつけるべき子どもとの関わり方
では、「素直な子」にしていくためには、どのような育て方、関わり方がよいのでしょうか。
ここでは親が気を付けるべきことを考えていきたいと思います。
子どもの話をしっかり聞こう
子どもと親の関係は成長に大きな影響を与えます。
素直な心を育てるのにも例外ではありません。
良好な親子関係、信頼し合える親子関係は子どもの情緒を安定させることができます。
では、どうしたら良好な親子関係を築くことができるのでしょうか。
まずは、子どもの話にしっかり耳を傾けてあげてください。
忙しくてついつい、子どもの話していることを聞き流したり、曖昧な相槌を打ったりしていませんか。
大人がどんなに上手く聞いているフリをしても、子どもには聞いているか聞いていないかはすぐにわかります。
「話は目で聞く」と子どもたちは学校で教わっています。
しっかり子どもの目を見て、話しに耳を傾けましょう。
そして、子どもはきっとどんな反応をしてくれるか、親の反応を待っています。
褒めてもらったり、驚いてもらいたかったり、時には叱られるのを待っています。
周囲から褒められたら謙遜しないこと
日本人はすぐに謙遜してしまう方が多いように思います。
せっかく周囲から褒められても「うちの子なんて全然だめですよ。」と子どもの前で平気で言ってしまう。
これでは子どもは「自分はダメなんだ」「何をやっても意味がない」と卑屈になってしまいます。
子どもの可能性をつぶしてしまうことになりかねません。
周囲から褒められたら堂々と認めて、親も褒めてあげてください。
子どもができないことは親も一緒に取り組む
子どもはできないことの方が多いです。
それは当たり前のことですが、親になってしまうと、ふと忘れてしまう瞬間がありませんか?
親から「こんなこともできないの?」と強く言われた子どもは委縮してしまいます。
子どもができないことは当たり前、ということを忘れず、できないことは一緒にやってあげたり、お手本を見せてあげましょう。
そうすることで、困難なことからも逃げない心を育てたり、分からないことは誰かに教えてもらう習慣が身に付いていきます。
「素直な子」が本当にいい子?子どもの自我の発達にも目を向けよう
ここまで、「素直な子」であることはすばらしい、「素直な子」を育てることはよいこと、として書いてきましたが、では本当に「素直な子」に子どもを育てることは教育として正しいのでしょうか。
そう、「素直な子」というのは時に問題なのです。
「素直である」ということは、他の人の望む通りの姿、つまり「言うとおりにできている子」のことなのです。
子どもは成長すれば「自我」が発達していきます。
自我が発達することで反抗したり、自己主張したりするようになります。
「自分はこう思う」と自己主張できることは大変すばらしく、大切なことです。
「考える力」は今、教育界ではとても重要視されています。
大きくなれば小さな頃より「素直さ」は薄れていくかもしれません。
しかし、それは「成長の証」として受け入れてあげて欲しいと思います。
まとめ
素直な子の育て方について、いかがでしたでしょうか?
自分の主張や意見を持ちながらも、他の人の助言や意見に耳が傾ける、そんな「素直な子」に育ってもらうためにも、まずは良好な親子関係づくりから心がけてみてください。