大体の子供は3歳になると、その頃にはもう全ての乳歯が生えそろいます。
会話も上手になり、他者とのコミュニケーションも出来るようになります。その時こそ、歯科医院に通い始めるタイミングです。
ただ、3歳にもなると、歯科医院が遊び場ではない雰囲気やちょっと緊張する場だと分かるようになります。
また、自我もますます発達し主張が強くなります。歯科医院に連れて行こうと思っても、嫌だと言ったり、順番が来ても診療台に寝転がって口を開けてくれなかったりする経験をした親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
「ああーもぉー!!せっかく連れてきたのに〜」とイライラもしますし、歯科医院の方にも申し訳ない気持ちになりますよね。
「歯科医院をスムーズに受診出来たら・・・」と子どもをもつ多くのママが願っているはずです。
この記事では、その様なお悩みの解決に少しでもお役に立てる方法をご紹介します。
歯科衛生士として勤務していた経験のある筆者とみていきましょう。
目次
歯科医院を嫌がる6つの理由
まず、歯科医院を嫌がる理由を考えてみましょう。幼児であっても、年長くらいになると、自分なりに理論立てて考えられるようになります。
小学生になると、恥ずかしさや反抗期も関係してきます。
筆者が実際に小児の患者さんを診て来た中で考えられる理由は主に次の6つです。
- ただたんに機嫌が悪い
- 歯科医院の建物や臭い等の雰囲気が苦手
- 口を開けるのが恥ずかしい
- 口の中に器具を入れられるのが怖い
- 口の中の痛いところに触れられたくない
- 過去に痛い経験をした
歯科医院を嫌がった時の対処法はこれ!
1.日頃の生活リズムに合った時間に予約をする
ただたんに機嫌が悪い時は子どものリズムに合わせた時間で予約を取りましょう。
午前中や、昼寝の後に合わせると、子どもも元気な状態で歯科医院に行けるのでぐずりにくくなるはずです。
2.子どもが多く受診している歯科医院選びをする
歯科医院の雰囲気が苦手という子も多いですが、最近の歯科医院は、キッズスペースがあったり、ショッピングモールの中にあったりします。
子どもは、幼児であってもそこにいる人を大人か子供かを区別してみています。
大人ばかりで静かな歯科医院だと緊張してしまいますが、周囲から子どもの声が聞こえると、仲間がいると感じ安心します。
そのため、子どもが多く受診している歯科医院に、まずは通い始めてみてもいいかもしれません。
3.親の歯科受診時にお手本を見せる
年長や小学生になってくると口を開けるのが恥ずかしいと羞恥心が強くなります。
普段の生活の中で、口を大きく開けて、人に口の中を覗かれるという経験はあまりありませんよね。
仕上げ磨きの時に親に覗かれるくらいです。
親の歯科医院受診の時に付き添わせて、親も歯科医院に来たら、口の中を見せているという姿を子どもに見せてはいかがでしょうか。
親もやっているのを見ると、安心して口を大きく開けてくれるようになるということがあります。
4.使用器具の説明を事前にお願いする
診療台には座れるけれど、口の中で何されているのか分からず、恐怖心を抱く子も多いです。
そして、それは歯医者嫌いの大人の理由としても少なくありません。
診療台に座ったあとに、いきなり治療に入るのではなくて、どの様な器具を使って今からこういったことをしますよという説明を事前にしてもらいましょう。
これは実際に小児歯科では基本のTSDテクニックであり、tell=治療の説明、show=器具見せる、do=治療するという順序を経て行います。
また、歯科医院では、エアーをよく使います。乾燥させて薬剤の効き目をよくしたり、唾液や血液を飛ばして視野を確保するためです。
またバキュームといって、口に溜まった唾液や水を吸い込む器具も使います。
そのため、直接器具が当たる感覚よりも、突然の風にびっくりする事も多いです。
エアーやバキュームの感覚も事前に知っておいてもらった方がいいでしょう。
5.痛みがなくなるメリットを伝える
虫歯が痛くて来院した子は、口の中の刺激に臆病になります。
例えば、転んで擦りむいて傷がむき出しのところを人に触って欲しくはないですよね?
それと同様に、虫歯や外傷で傷ついているところを触られたくなくて抵抗する事があります。
治療をする事で痛くなくなって美味しいものが食べられるようになるということを伝え説得してみましょう。
6.治療中に痛みを感じたら我慢しないようにする
久しぶりに歯科医院に連れていくときに嫌がるとしたら、過去に歯科医院で痛い経験がある可能性があります。
虫歯の程度が軽度の場合、無麻酔で行うこともよくあります。
しかし、削ってみたら少し大きかったけど、麻酔が必要か微妙な場合があります。
その時、強い痛みではないので、子どもも言い出しにくく少し我慢をしている場合があります。
治療が終わった後、もうやりたくないと思った経験があるのかもしれません。
その場合は、痛みを感じたら手を挙げてその事を素直に伝えていいと言いましょう。
子どもであっても医師に気を遣ったり、遠慮したりします。
しかし、遠慮しなくてもいいという事を事前に言っておいてあげましょう。
歯科受診前に練習をしておくことも大切
上記に述べた対策以外にも、共通して言えることは、事前に練習していくという事です。
歯科医院に行くのを嫌がっている子をいきなり連れて行って診療台に寝かせて、口を開けさせるのは至難の技であり、ぶっつけ本番では、時間だけが過ぎていき、上手くいきません。
事前に、遊び半分でいいので練習をしておきましょう。
例えば、仕上げ磨きをする時に、歯医者さんと患者さんのおままごとの様な感じで、親に背中を向けて座らせて、背中を倒して寝転ばせます。
そして、口の中にライトを当てながら仕上げ磨きをしたりするのはどうでしょうか。楽しく出来そうではないですか?
子どもにとって楽しい雰囲気というのが、大切です。
まとめ
いかがでしたか?
十人十色、千差万別という言葉があるように、各個人いろいろ思いがあるので、この6つの原因に当てはまらない子もいるとは思います。
筆者が歯科衛生士として、歯科医院に勤めていた中での主な理由とその対策、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。