子どもが問題児の仲間入りをしないために、仲間入りをした後に親が出来ること

問題児に巻き込まれないために「友達と仲良くできているだろうか」「友達に嫌われるようなことをしていないだろうか」と、子どもの友達付き合いはいつも気になる親御さんは多いはずです。

特に入学したてのころや、クラス替えなどがあった後は、親御さんも不安でいっぱいに。

また、普段の友達付き合いは親から見ても分からない部分が多く、どんな友達と遊んでいるのか、どんな友達と仲が良いのかを全て知っている親御さんは意外と少ないのではないのでしょうか。

もしもご自身のお子さんが、いつも問題を起こすような子と仲良くしていたり、つるんだりしているとなると気がきではないですよね。

しかし、親が子供たちの友達付き合いを見直させたり、変えさせたりするのは難しいことです。

最悪の場合、親子関係が悪化することもあります。

では、子どもが問題児の仲間入りをしないために、親にはどんなことができるのでしょうか。

教諭経験から「仲間入りをしないために」「仲間入りをした後に」親御さんにできることをみていきましょう。

子どもが問題児の仲間入りをしないために

子どもが問題児の仲間入りをしないためには、親にはどんなことができるのでしょうか?

親が子どもの友人関係に関心を持っているか持っていないかというだけで、子どもたちの意識は変わってきます。

「子どもを問題児に仲間入りさせたくない」と思うのであれば、まずは保護者が関心を持ち、子どもたちに気持ちを分かってもらい、意識づけをさせていきましょう。

ただし、押し付けは厳禁ですので、言い方には充分気を付けましょう。

仲間入りする前に親ができること

子どもの行動を把握する

まずは、子どもがどんな遊びをしているのか、どんな友達と遊んでいるのかを知ることから始めましょう。

何も知らないのに、いきなり「あの子と遊んではだめ」「こんなことしたらだめ」と言われても、子どもには理由が分かりません。

誰とどんな遊びをしているのかを、気づいたときで良いので何気なく聞き、子どもの行動パターンや周りの様子を把握しておきましょう。

毎日聞いていると嫌になって話さない子もいますので、なるべく普段の会話程度で聞いていきましょう。

子どもから毎日話してくれるのであれば、それが一番良いです。

部分否定を使う

もし会話をしていく中で、子どもが問題児の子がしたことなどを話していたら、是非耳を傾けて聞いてあげてください。

そして子どもへ返答するときのポイントがあります。

それは、その問題児を全て否定しないということ。

「その子はだめね」など、その問題児自体を否定するのは厳禁です。

「○○くんがしていたこういうことは、やめた方がよかったよね」など、その問題児がしていた「行動」について部分否定をすることが大切です。

そうすることで、子どもは「〇〇くんはだめな人」という判断から「〇〇をするはだめなこと」という認識になります。

「〇〇くんはだめな人」という認識だけだと、○○くんを避けたり嫌ったりするだけです。

しかし「△△をするはだめなこと」という行動についての認識ができると、違う人が同じことをしていたときに、自分で「これはだめだ」「危険だ」と判断できるようになります。

ある程度反抗する力(体も心も)を付けておく

問題児に仲間入りする子は、その子の怖さに支配されて付き合いを始めることが多いです。

ですので、普段から「だめなことはだめ」「それはおかしい」と言える力をつけておくことが大切です。

「もし頑張ってみて、それが失敗したりできなかったりしたときは、私たちが守ってあげる」と保護者が言えば、子どもは安心して友達に「だめなことはだめ」と言えるようになることもあります。

しかし、子どもたちには子どもたちの世界があるので、全てを見守るのは難しいことです。

できるだけ子どもも自分の身を守れる術を身につけておくといいですね。

仲間入りした後に親ができること

問題児の子供との距離

「友達をやめなさい」と言うのは注意が必要

問題児と付き合いがあるからと言って、いきなり「友達をやめなさい」「もうその子とは遊んではだめ」と言うことはとても危険です。

子どもが本当にその友達が好きで付き合いがある場合は、親子関係を悪化させることもあります。

問題児との付き合いがあると知ったときに、まずしなければならないことは、「子どもが何をしたいのか」を見極めるということです。

問題児の友達のことが本当に好きで付き合っているのであれば、無理に引き離すようなことはしない方がいい場合もあります。

付き合いには口を出さないけれど、悪いことや自分が痛い目に合うようなこと、周りに迷惑をかけるようなことはしないことを中心に話していくべきです。

そしてこの話をするときは「~しなさい」という言い方ではなく「~してくれると嬉しい」「~するといいんじゃない?」など、感情を伝えたり提案をするように話したりすることが大切です。

ただし、子どもが問題児に暴力を振るわれたり、いじめられたりしている場合は別の話です。

また、話していくうちに、子どもが付き合っている問題児の友達が好きではないということが分かったときは、離れることを提案しても良いでしょう。

家庭だけでは限界の場合は周囲の力を借りる

しかし、怖さや周りの目などから、簡単に離れられない場合もあります。

そのようなときは、家庭だけでは限界がありますので、学校や周りの力を借りることも一つの手です。

子どもが友人関係のストレスから泣き始めたり、親に当たったりする場合もありますが、叱るのではなく、子どもからのSOSと見て優しく包み込んであげましょう。

そこで叱ってしまうと、火に油を注ぐだけで何の解決にもなりません。

何事も理由をじっくり子どもから聞き、子どもの意見を尊重してあげることが大切です。

犯罪について知らせる

最悪のケースですが、問題児と一緒に子どもが犯罪を犯してしまうということも考えられます。

そのようなことを避けるために、「何をすると犯罪になるのか」「犯罪を犯すと自分や周りに何が起こるのか」をしっかりと話しておく必要があります。

この認識が甘い子どもは、何も知らずに、また知っていてもその重要性が分からずに犯罪を犯してしまう場合があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

子どもの友人関係を、親が変化させることはとても難しいことです。

子ども自身も、自分ではどうにもできずに苦しんでいる場合もあります。

子どもたちの友人関係には、大人には見えない部分もたくさんありますので、「こんな手を打つのが正しい」とは一概には言えません。

「子どものために親ができることは何か」ということを常に考えておくことが、子どもたちにとって助けとなります。

上記を参考に、子どもに応じて色んな手を打ってみてください。