昔から「青魚」を食べさせていると頭がよくなるといわれていますが、本当なのでしょうか?
それが本当だとしても、サバやイワシなどの青魚が苦手な子どもは多いので、なかなか食卓にはあがってきにくい事情もあります。
実は、青魚を食べるとよい効果が期待できるのは、子どもだけではないのです。
ここでは、青魚を食べると頭がよくなると言われる理由と、食べることで期待される効果についてお伝えしていきます。
目次
青魚に含まれる成分〜DHAとEPA
青魚の脂に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が脳やカラダによい効果をもたらせてくれるようなのです。
魚の脂には必ずDHAとEPAが含まれています。
鮮度がよいことはもちろんのこと、脂がのった旬の魚にはより多くのEPAが含まれています。
DHAとEPAの働きを勉強して、本当に頭がよくなる効果があるのでしょうか?
また、青魚が苦手な子どもが食べたくなるようなメニューをご紹介します。
そもそもDHAとEPAって何?
DHAとEPAは魚の脂に多く含まれる脂肪酸のひとつです。
これらは体内で作ることができないので常に食品から補給する必要があります。
このDHAやEPAは特に青魚の脂に多く含まれています。
DHAに期待できる効果
1.記憶力の向上
青魚に含まれているDHAには、脳の発達や働きを向上させるために重要な栄養素が多く含まれています。
DHAは私たちのカラダの中でも、脳や神経組織に多く存在しており、摂取量が不足すると脳内の神経細胞の働きが低下することがわかっています。
2.目の機能の正常化
DHAは私たちの目の網膜や視神経にも多く存在しています。
視神経の細胞膜にDHAが多く存在していると、視神経から脳へ情報の伝達をスムーズにすることができます。
3.情緒を安定させる
DHAは脳だけではなく、心を安定させる効果があるといわれています。
情緒が安定していることで集中力や社会性など精神面での向上が期待できます。
EPAに期待できる効果
1.血管を健康に保つ
青魚に含まれているEPAは体内では作ることができない必須脂肪酸のひとつです。
「血液がサラサラになる」と聞いたことがありませんか?
EPAは血栓をできにくくし、血管の状態を健康に保つ働きをします。
結果、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防する効果があるといわれています。
また、血液がサラサラになることで血流が良くなり、赤血球と一緒に全身に運ばれる酸素もくまなく供給され、疲れにくいカラダをつくるとして、その効果はアスリートにも注目されています。
2.生活習慣病の改善
EPAによって体脂肪や内臓脂肪を減らす効果が期待できます。
脂質の代謝に関連する遺伝子に作用し、脂肪を燃焼しやすい体質に変えてくれる働きをします。
また、ドライアイ予防や紫外線による肌へのダメージ抑制などもしてくれます。
大人も子どもも青魚を食べることで効果アリ!
前述のように、脳の発達過程である子どもには青魚のDHAが効果的で、健康なカラダを維持したい大人には青魚のEPAが効果的だということがお分かりいただけましたでしょうか?
子どもの学力向上のためのメニューが、私たち大人にとっても健康によい効果が得られるなんて、青魚は一石二鳥な食材ということになります。
子どもも大人も大満足なおススメ青魚メニュー
生で食べるなら
- お刺身やカルパッチョ
- 海鮮サラダ
焼いて食べるなら
- ホイル焼き(味噌やマヨネーズを入れると子どもは大好き)
- 青魚臭さをあまり感じないように、ガーリックやケチャップを味付けにする
- サケなどはグラタンに入れる
- かば焼きにすると甘辛くて子どもも食べやすい
煮るて食べるなら
- お味噌汁やスープに入れる
- 定番サバの味噌煮など
子どもが青魚を苦手な理由のひとつに「臭い」があると思います。
子どもが大好きなカレー風味やマヨネーズ、ケチャップなどを使ってみましょう。
また、付け合せにも気を配りましょう。人参やパプリカ、ブロッコリー、ホウレン草など抗酸化作用のある野菜を使うことで脳のさびつきを予防してくれます。
食べるときに注意してほしいこと
実は青魚に含まれるDHAとEPAですが、摂取した後の増加率が異なります。
EPAは摂取すれば血液内で増加することがわかっていますが、一方DHAの方は摂取後の血液内でもほぼ一定の量を保ってしまいます。
つまり、DHAの効果には即効性がないので、普段からよく摂取し続けることが必要です。
いくら積極的にDHAやEPAをとりたいからといって、毎日青魚メニューというワケにはいきませんよね。
ただし、近年日本人は魚を食べなくなってきているというのも事実。
定期的に魚メニューを加えることで、バランスよく子どもの学力向上にも大人の健康維持にも役立てましょう。