親にとって子どもの好き嫌いは悩みの種の1つかと思います。
なぜ食べないのか、どうしたら食べてくれるのか、健康面は大丈夫か、と心配ばかりになっていませんか。
できればいろんな食材を食べてもらって、健康な身体で、元気に遊んで欲しい!と願うのは、親であれば当たり前のこと。
今回は子どもの好き嫌いをなくすためにできることを食育インストラクターの筆者が解説していきます。
目次
子どもの嫌いな食べ物トップ3
子どもはどんな食べ物が嫌いなのでしょうか。
様々な調査機関が「子どもの嫌いな食べ物」を調査していますが、今回は最近発表された飲食店情報を掲載するWebサイト「ぐるなび」で知られる「株式会社ぐるなび」が2018年4月に発表した結果を見ていきましょう。
参考リンク:株式会社ぐるなび「小学生が好きな食べ物ランキング発表!」
3位:ピーマン
昔から嫌いな食材の上位にランキングされている王道の野菜ですね。
あの独特な苦みと青臭さを苦手とする子は多いですね。
2位:セロリ
様々な効能を持ち、健康な身体づくりにはもってこいの野菜ですが、強烈な風味を苦手とする子が多いです。
ちなみにアメリカでは、幅広い年代の方が生のセロリにピーナッツバターをつけて食べるそうです。
1位:ゴーヤ(にがうり)
にがうり、という別名を持つだけあって、独特な苦みが嫌われてしまう原因の1つですね。
ピーマンとはまた違った苦みを持ち、ピーマンは食べられても、ゴーヤは苦手という人もいるくらいです。
夏バテ予防にはとってもいいので、子どもにもぜひ食べてもらいたいですが・・・。
その他、上位にランクインしてくる野菜はモロヘイヤや春菊、トマト、カリフラワーなど。こう見てみると、苦みや香味など独特の風味を持つもの、食感に特徴があるものがランクインしている印象ですね。
子供にはなぜ好き嫌いがあるの?
いつから食べ物の好き嫌いができるのでしょうか。そして、なぜ野菜嫌いになる子が多いのでしょうか。
味の好みは胎児期から始まる
研究が進み、味の好みは胎内からはじまっていると言われています。
胎児は羊水を通じて、母親の食べたものの味やにおいを感じ、生まれてからも母乳を通じて感じています。
つまり、妊娠中や授乳期に母親が積極的に様々な食材を食べることが、後々の子どもの好き嫌いのためにもよいと考えられます。
単純接触効果
単純接触効果とは、繰り返し食べることで、その食べ物を好きになる、という効果のことです。
心理学に基づくもので、小さな頃から目にしていた食材は苦手意識が薄れます。
食卓には偏った食材ばかりではなく、様々な食材を並べ、目にする機会を増やすと、嫌いなものが減るかもしれません。
遺伝子の影響
子どもは苦みに対して過剰に反応するようになっています。
苦みは毒、酸味は腐敗と危険を知らせるシグナルであり、摂取を拒むようになっているのは生き物が生きていくために身に付けている本能です。
そのため、子どもに苦みのある野菜を食べさせようとすることには無理があるのかもしれません。
成長するにつれ、苦みに対する反応が薄れ、その食べ物自体を美味しいと経験することができれば、自然と野菜も食べられるようになっていきます。
好き嫌いをなくすための5つの方法
好き嫌いをなくすためにはいくつかの方法が考えられます。
なぜその食べ物が嫌いなのか、何が苦手なのかを見極めて、その子にあった方法を見つけてあげてください。
繰り返し食卓に出す
「単純接触効果」については前述したとおりになりますが、「繰り返す」ということが大切になります。
子どもは初めてみるものに対して恐怖を感じます。だから最初は嫌がったり、食べなかったりすることは当たり前のことなのです。
食べなくても、毎日見せたり、親が食べて、食べてもいいものだということを教えてあげましょう。
ポイントとしては離乳食から続けていくことです。赤ちゃんもしっかり見て、お勉強していることを忘れずに!
食べることのテンションを高める
3歳ぐらいまでの子どもだったら、ほめたり、遊びを取り入れながらテンションをあげてみるのも方法の1つです。
食べられたら「すごいじゃん!さすがじゃん!」といつも以上にほめてあげます。
食べられなかったら、「かばさんのお口っておっきいよね。まねっこできるかな?いっぱいたべられるかな?」と誘導していくなどの方法もあります。
友だちと一緒に食事をする
幼児期、児童期の頃は親の言うことを聞かないことも増えてきます。
それは成長の証であり、悪いことではありません。この時期、親の言うことは聞かなくてもの友だちの言うことは素直に受け入れたりします。
友だちが食べていると、自分も食べてみようかな、と挑戦してみることも好き嫌いをなくすには効果的です。
調理方法を工夫する
基本的なことですが、やはり調理法によって食材の味や食感は変えることができます。
苦みが苦手なら、苦みを感じさせない味にしてみたり、食感が苦手なら切り方にしてみたり、工夫してみましょう。
食卓以外で食材に触れる機会を増やす
買い物やお手伝い、家庭菜園などを通して、食卓以外にも食材に関わる機会を設けてみてください。
名前や形を覚えさせ、苦手意識を和らげることも、好き嫌いをなくすことに繋がっていきます。
これは逆効果!食べないからといってやってはいけない3つのこと
食べてくれないとついついやってしまいがちなことが、実は逆効果になる可能性がありますので注意してください。
ここからは、逆効果になってしまうことをお伝えしていきます。
嫌いなものを無理に食べさせない
嫌いなものを無理に食べさせようとすると、苦痛やストレスとなり、余計食べることができなくなることがありますので、注意が必要です。
小さくしない、混ぜ込まない
食べさせるために、嫌いな食材を料理の中に小さく切って混ぜ込む、という調理方法をされる方がいますが、注意が必要です。
後々嫌いな食材が入っていたと伝えると、次も入っているのではないか、と疑って食べるようになってしまいます。
疑って食事をするのは、子どもにとってかわいそうなことであり、見ている方も楽しい食事ではないですよね。
食べられない=悪い子と言わない
どうしても食べられない時期、食べられないものもあります。
つい、親の言う通りにならないと、悪い子と言ってしまう方もいるかもしれませんが、言われ続けてしまうと、自分は悪い子なんだ…と思ってしまうので気を付けましょう。
楽しい食卓で好き嫌いをなくそう
好き嫌いが多いと、いろいろ悩んでしまうと思いますが、健康に問題がなければ少し長い目で見守ってあげましょう。
ただ、嫌いなものが多すぎると将来的に食事の場で困ることもあるかもしれません。
食事の場はコミュニケーションの場でもありますから、お互いが楽しめないと、コミュニケーションも上手くいかないこともあるかもしれません。
いろいろ食べられると、楽しくなることを教えていくためにも、子どもが楽しく食べられる環境を整え、良い食の経験をたくさん重ねさせてあげてください。