食事の場において、相手を不快な思いをさせてしまっては、せっかくの美味しい食事もだいなしになってしまいます。
もちろん大人になってからの食事マナーも大切ですが、もっと根本的な基本の食事マナーは小さな頃の習慣が影響します。
子どもに基本的な食事マナーを教え、身に付けさせることは大変なことですが、社会に出れば大切なことですので、きちんと幼い頃から教えていきましょう。
今回は小学校に上がっても困らないように、幼児期に身に付けさせるべき食事マナーと教え方について考えていきましょう。
目次
食事マナーを教える時期と伝え方
食事マナーはたくさんありますので、離乳食がはじまると同時に教えていきましょう。
離乳食開始時期は現在多くは5,6か月頃からです。まずは食事前の手洗いや食事のあいさつなど、手本を見せたり手を添えて一緒にやってあげましょう。
たくさんの食事マナーを一度に教えようとしても、子どもは混乱してしまいます。
一つ一つを丁寧に教えていきます。教えるマナーは子どもの月齢や興味などによって決めていきます。できたら褒めてあげましょう。
褒められると子どもはどんどん食事の時間が楽しみになり、マナーもしっかり覚えてくれるようになるでしょう。
小学生になっても困らない!家庭で教えるべき食事マナー
食事の前に手を洗う
幼稚園や小学校の給食前には当たり前にやることですが、食べ物を食べる前には手を洗う習慣を家庭でも身に付けさせましょう。
食事空間に清潔さを求める人はたくさんいます。もちろん清潔な方が食中毒などの観点からも良いといえるでしょう。
食事のあいさつをする
食べる前の「いただきます」、食べた後の「ごちそうさま」が当たり前に言えるようにしましょう。
「いただきます」には生産者と生き物への感謝を込めて、「ごちそうさま」には食事を用意してくれた人と食べられることへの感謝を込めます。
小さな頃はその意味が分からないかもしれませんが、きっと大人になるにつれ、そのありがたさに気づく時がくるでしょう。
食事中は立ち歩かない
子どもは集中力もありませんので、食事中でもフラフラと席を離れてしまうといった経験がある親御さんも少なくないのではないでしょうか。
座りなさいと言っても、1度途切れてしまった気持ちを戻すことは大変なことです。
根気が必要ですが、少しずつ長い時間食卓に着くことができるようにしつけていくしかありません。
成長するにつれ、集中力が付き、周囲に合わせて食事をすることができるようになります。
食事中に立ち歩き出すとついついイライラして大きな声で叱ってしまうかもしれませんが、怒られ過ぎると食事を苦痛と感じるようになってしまいますので、メリハリをつけてしつけていくようにしましょう。
また食事中に立ち歩くこと埃が舞い上がり、食卓が汚れてしまいます。
特に外出時は周りの方に迷惑をかけないためにも、食事中に立ち歩かない約束は早いうちから教えていきましょう。
姿勢を正して食べる
猫背や肘付き、膝立てなど、姿勢が悪いと見た目が悪く、行儀が悪く見えます。
癖になる前に気づいたらやめるよう伝えましょう。もしかしたら食卓の高さが合っていない可能性もありますので、子どもの体型に合ったテーブルや椅子に替えたり、クッションなどで調節してあげましょう。
また、姿勢を正すことで、消化機能も良くなります。
音を立てずに食べる
ペチャクチャ音を立てながら食べるのは非常に嫌われる仕草のひとつです。
原因として考えられるのが、食べているときに口がしっかり閉じていないか、口に食べ物を詰め込みすぎているかです。
少しずつ、しっかり口を閉じて食べられるようにしましょう。
食べながらしゃべらない
食べ物が飛び散ったり、口の中が見えたりし、非常に行儀が悪くみられます。
子どもは思ったことをすぐに口にしたり、突然歌いだしたりしてしまうことも多いので、その都度注意してあげましょう。
お茶碗は持ちながら食べる、手を添えて食べる
お茶碗は持って食べるのがマナーです。持って食べないと、姿勢も悪くなります。
小さなうちは手も小さく力も弱いので、お茶碗を持てないこともあるかと思います。
その場合はお茶碗に手を添えるだけでもかまいません。
ただ、難しいのは最近の食卓には和洋中が混ざっていることです。
和食なのか洋食なのか、中国料理なのかでも少しずつ持つ皿と持たない皿が違いますので、教えて覚えさせるのは大変ですが、お茶碗はしっかり持って食べるように教えてください。
好き嫌いを減らす
上記以外にも、好き嫌いが多いと残すものが多くなり、汚いとみられる場合もあるので、好き嫌いを減らすことも美しい食卓にするためには必要なマナーと考えてもいいかもしれません。
また食べ終わったら片づけをさせることや、周りに迷惑をかけないことなども食事のマナーです。
子どもと一緒に食事をしていて気になることがあったら、その都度教えていきましょう。
箸の持ち方もマナーの一つ!
日本は箸食文化です。
箸の持ち方はその人を表すとまでいわれます。
一昔前までは箸を左手で持つことさえ嫌がられることもありました。
そのため左利きなのに、箸だけは右手で持つ人もいるくらいです。
一度持ち方の癖がついてしまうと、直すのには時間がかかるので、箸を持ち始めたら根気よく教えていきましょう。
最初から上手に持てることはありません。長時間になると親も子どもも大変なので、最初は時間を決め、短時間だけ集中させて取り組ませましょう。
また、箸には「忌み箸」というのがあり、箸でやっていけない行為もたくさんありますので、少しずつ教えていきましょう。
子供のうちから食事マナーの習慣づくりを心がけよう
日本には身に付けるべき食事マナーが非常にたくさんあります。
大人になれば会社や取引先との食事会、結婚式の食事会とたくさんの方と食事をする機会が増えていきます。
もちろん大人になってから使うテーブルマナーもありますが、基本的なマナーは一緒です。
同じ食事空間にいる人を不快な気持ちにさせないこと、これが最も大切なことです。
楽しく食事をし、楽しいコミュニケーションの場になると人間関係もきっと良好にすることができるでしょう。
将来の為にも、小さな頃からの習慣づくりをぜひ心がけてください。