皆さんは「こ食」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
最近になり「こ食」という言葉が取り上げられることが多くなってきました。
「こ食」は子どもたちに大きな影響を与えることで知られていますが、では、実際どのようなことが問題なのでしょうか。
孤食、小食、個食、粉食、固食、濃食の6つの「こ食」を中心に子どもの食生活について考えていきましょう。
目次
気をつけたい6つの「こ食」
1.孤食
「こ食」の中でも1番問題とされているのがこの「孤食」です。
漢字の通り孤独に食事を摂ること、すなわち1人で食事を摂ることを意味します。
これは現代の家庭問題が食にまで影響していることの象徴ではないでしょうか。
家族それぞれが忙しく、食事の時間さえ合わせることができないため、このような状態になってしまいます。
「孤食」は他の「こ食」にも関係してくるため、特に注意が必要とされています。
子どもが1人で食事の管理をすることは難しいことです。
1人で自分の嫌いなものもたくさん食べることは、大人にさえ難しいことですから、それを子どもにやりさない、と言ってもやれるはずはありません。
どうしても好きなものばかり食べてしまうので、栄養の偏りが心配になります。
2.小食
「小食」と書いて「しょうしょく」とも読みます。つまり、食べる量が少ないことを意味します。
これには、ダイエットなどの食事制限も含まれています。
無理な食事制限で体重を落とすことは、成長期の子どもにとってはあまり好ましいことではありません。
無理に食べなさい、と押し付けることも食への恐怖を植え付けかねないので望ましくはありませんが、成長に必要な最低限度のエネルギーと栄養の摂取は必要です。
エネルギーの不足は無気力にもつながり、勉学にも影響してしまうかもしれません。
3.個食
孤食と同じくらい知られている「こ食」かもしれません。
これは家族で食事を摂っているのにもかかわらず、個々で別々のものを食べている状態の事を指します。
近年では食のあり方もだいぶ変化してきました。
一般的にかつては家庭内で食事は作られるものでしたが、食の外部化が進み、惣菜や弁当も安価で手に入れやすくなりました。
そのため、好きなものを手軽に用意することができるようになり、このような「個食」も増えたものと考えられます。
好きなものを食べるようになれば、栄養は当然ながら偏るでしょう。
また極端なことをいえば、協調性が欠け、わがままな性格になるのではないかとも心配されています。
せっかく一緒の食卓に座ることができる環境ならば、一緒のメニューを囲んで、会話を楽しみながら食事を楽しい時間にしていきたいですね。
4.粉食
これは粉の食事、すなわちパンや麺類などの粉を使ったものを好んで食べることです。
粉食文化が悪いとは思いません。パンや麺も大変おいしく、食事としては問題ないものです。
ただ、小麦粉は卵やバター、牛乳などと一緒に調理されることも多いですし、一緒に食べるものも高カロリーのものが多くなりがちになるため注意が必要なのです。
5.固食
「固い食事」と勘違いされることも多いですが「固定食」のことで、自分の好きなもの、決まったものしか食べないことを指します。
固食は若い人や男性に多いと言われています。
単純に安価だから、手軽だから、低カロリーだからといった理由で固食を続けることは危険です。
同じ食事を繰り返していると、その単純な味の繰り返しに慣れてしまい味覚障害を引き起こす可能性が考えられています。
また偏った食事は肥満や生活習慣業のリスクを高める可能性があります。
6.濃食
字の通り味の濃い食事を好んで食べることです。
また、濃食には調理済み加工食品を食べることも含まれています。
調理済み加工食品は誰が食べてもおいしいと感じることが出来るように、味が濃くなるように調整されています。
塩分の摂りすぎは、生活習慣病のリスクを高め命の危険を招きます。
さらに小さな頃から味の濃い食事をしていると、味覚の発達に影響を与えます。
食材の持つ本来のおいしさを覚えるためにも、薄味を心がけましょう。
その他の「こ食」
上記の孤食、小食、個食、粉食、固食、濃食が一般的に知られている「こ食」ですが、他にもさまざまな「こ食」があります。
子食
子どもだけで食事をすることを意味します。
子どもだけで食事をするので、食事マナーなどの定着に問題がでると考えられています。
戸食
外食や戸外で購入してきた食事を食べることを言います。
濃食に近く、塩分濃度が高くなりがちになるため、体への影響が心配です。
虚食
朝、食欲がなく、何も食べないことを意味します。
朝食を摂らないと活動に必要な十分なエネルギーを摂取することができません。
「こ食」を減らして食事の場を大切にしよう
食事は決して栄養やエネルギーを補給するためだけのものではありません。
一緒に食べることで生活習慣病や偏食の防止につながりますし、協調性や社会性を育んでいきます。
また食事のマナーやしつけの場でもあります。家族で食卓を囲むことは、とても大切なことなのです。
ですが、大切さはわかっていてもできない家庭もあるはずです。
現代社会の中では、それさえも難しいことは誰もがわかっていることですが、まずは少しでも実行に移せそうなところから改善してみましょう。
毎日子どもと一緒に食卓を囲めないなら、1週間に1回だけでも食事を囲めるようにしてあげてください。
それも難しい場合は、1品でも多く手作りの食事を用意してあげてください。
子どもの健やかな心と体の成長のために「こ食」を減らしていく努力をしていけたら素敵なことではないでしょうか。