中学受験期だからこそ起こる反抗期の特徴!冷静に対応するコツと接し方

反抗期の小学生

中学受験の勉強期間に子どもが反抗期になってしまうと、親としても不安は大きくなるでしょう。

本当に受験を乗り切ることができるのか、悩んでしまうご家庭も少なくありません。

ただ、反抗期というのは子どもが成長している証拠でもあり、反抗期そのものは何らおかしなことではないのです。

そのため、親としても過剰に反応しすぎず、まずは冷静な対応が必要になります。

ここでは、塾講師の経験から中学受験の勉強期間に反抗期になってしまう子どもについて、その特徴や接し方などをお話ししていきます。

中学受験の勉強期間と反抗期が重なることはある?

一般的に、中学受験の勉強期間と反抗期が重なってしまう可能性はあります。

いわゆる「第二次反抗期」というもので、これは小学校高学年くらいから始まる場合があります。

「第二次反抗期」というと中学生になって起こるイメージも強いですが、小学校高学年から反抗期が始まるケースもあり、これがちょうど中学受験の勉強期間と重なってしまうケースもあるのです。

反抗期と勉強期間が重なると親としては非常に悩みどころになるかと思いますが、焦りすぎず冷静に対応し、受験を乗り切っていかなければなりません。

受験期間中の反抗期は何もおかしなことではない

そもそも反抗期というのは、子どもが心身ともに成長するにあたって起こるものです。

反抗期が来るのは別におかしな話ではなく、多くの子どもが経験することなのです。

確かに、お子さんが反抗期に入ると親としては不安に思う点も多いかと思いますが、お子さんの精神状態としては何らおかしな状況ではありません。

そのため、お子さんが反抗期になったからといって過度に怒ったりするのは好ましくないのです。

もちろん注意すべき点はしっかり注意する必要がありますが、反抗期はお子さんが成長している証拠でもあり、その精神状態そのものを責めることは避けてください。

反抗期を否定するのではなく、親として子どもの反抗期とどう接するか?を考えることが大切です。

特に中学受験であれば尚更、子どもが反抗期だろうと親子の二人三脚で受験勉強を乗り切る必要があり、そのためにも親として冷静な対応が求められます。

受験勉強をする小学生

中学受験で起こる反抗期の特徴とは?

中学受験の勉強は小学校高学年からスタートするケースが多いでしょう。

つまり受験勉強期間に起こる反抗期は、先ほど述べた通り「第二次反抗期」に該当します。

高学年から起こる第二次反抗期の特徴

反抗期を大きく分けると、1歳~3歳あたりの幼児期に起こる「第一次反抗期」と、小学校高学年~中学生あたりから起こる「第二次反抗期」の2種類があります。

このうち第一次反抗期は、いわゆる「イヤイヤ期」とも言われ、幼児として自我が芽生え始める段階に見られるものです。

一方、第二次反抗期というのは、心身ともに大きく成長する小学校高学年から中学生あたりに始まることが大きな特徴です。

この時期の子どもは、大人へ近づくことへの不安やストレスなどを抱えやすく、その不安や焦りを親などにぶつけ、反抗期になってしまうことが多いです。

また、この時期は思春期とも重なり、心も体も成長することに戸惑いを覚えるなど、子どもにとっては何かと神経質になりやすい時期でもあります。

受験期に反抗期が現れる例

こうした第二次反抗期が受験勉強期間で現れる場合、勉強に対するストレスやプレッシャーと重なることも多いです。

例えば、勉強が思うようにうまく進まないとき、怒りや不安を親にぶつけてくるなどの例があります。

言葉を思いっきり親にぶつけてくる場合もあれば、乱暴な行動をしてしまうケースも一部見られます。

また、親が勉強に関してコミュニケーションを取ろうとしても、子どもの反応がそっけない、いきなり不機嫌になる、無視してくるなど、態度に現れるケースも多いです。

例えば、成績が上がって子どもを褒めても反応がそっけなかったり、無視してきたりする場合もあります。

反対に、成績が下がって親がフォローの言葉をかけても、かえって不機嫌になったりする例も見られます。

このように、反抗期特有の反応が受験勉強の悩みと合わさって現れることは多いですが、とにかく親としては感情的になりすぎず、余裕を持って接することが大切です。

お子さんが悩みをぶつけてきたらひとまず話をきいてあげる、あるいはお子さんの反応がそっけないときはひとまず様子を見てみるなど、必要以上に感情的にならない対応が求められます。

(これらの点につき、詳しくは後述します)

反抗期だと学習状況がうまく把握できない可能性がある

特に中学受験の勉強で問題になるのは、反抗期になった子どもとうまくコミュニケーションが取れず、子どもの学習状況を正確に把握しにくくなることでしょう。

反抗期の子どもは感情的になったり、あるいはそっけない態度になることが多いので、親子のコミュニケーションに支障をきたし、親のほうで子どもの学習状況をうまく把握できないこともあります。

子どもが今どんな勉強を進めているのか、どこが苦手分野なのかなど、学習状況を正確に把握できないと、親として子どもにどう声かけをしていいのかがわからなくなります。

特に小学生のうちはまだ一人で全ての勉強を進めることは難しく、当然ながら親が必要に応じて関与することも大切になります。

しかし、その適度な関与が、反抗期の子ども相手だとうまくできないおそれがあるのです。

このような事態を避けるためにも、とにかく親は冷静になり、反抗期のパターンに沿って冷静に対処しなくてはなりません。

お子さんが感情的になっているときはまず話を聞き、学習状況や悩みをしっかり分析できるよう、根気よくコミュニケーションを続ける必要があります

また、お子さんがそっけない態度を取っているときは、様子を見つつコミュニケーションを試したり、あるいは塾側に相談して学習状況を細かく教えてもらうなど、こちらも冷静な対処が求められます。

反抗をしつつも子どもの中には罪悪感があることも多い

一方、反抗期というのは、子どもの中にもある程度罪悪感があることも多いです。

本心では思っていないようなキツい言葉をわざとぶつけたり、本当は親の声かけが嬉しいのにわざと無視したりなど、反抗期の子どもはわざとこのような行動をすることも多いからです。

そして、わざと行う行動は、心の中で罪悪感が生まれることも多いので、あるとき子どもが突然謝ってきたりする場合もあります。

このように、子どもが反抗的な態度を取ったからといって、その態度が永遠に続くわけではないのです。

そのため、反抗期の子どもの言動を、その通りに受け止めすぎないことが大切です。

たとえ子どもが親にキツい言葉を浴びせても、それが子どもの本心とは言えないのです。

同じく、子どもがそっけない態度を取ってきても、子どもが本心から親とのコミュニケーションを望んでいないわけではありません。

子どもの中にもある程度の罪悪感は存在するはずであり、子どもの言動全てが子どもの本心に沿ったものとは言えないのです。

こうした視点もしっかり意識する必要があるでしょう。

受験勉強期における反抗期の子どもへの接し方

ここまでの話を大前提として、受験勉強期に反抗期になった子どもに対し親としてどう接するべきなのか、お話ししていきます。

子どもが感情的になっているときの接し方

反抗期の子どもは、親に感情を思いっきりぶつけてくることも多いです。

お子さんが受験勉強期にそのような反抗的な態度になっているとき、とにかく親は冷静さを保つことがカギになります。

まずは子どもの話を冷静に聞く

反抗期の子どもは言うことも感情的になるケースが多いですが、まずは親のほうで冷静に話を聞き、子どもが何を主張しているのか理解してあげることが大切です。

特に勉強が思うように進まないときや、モチベーションが低下しているとき、疲れが溜まっているときなど、子どもは感情的になりやすくなります

そこに反抗期特有の言動も相まって、余計に感情的な言葉をぶつけてくるかもしれませんが、とにかく親は冷静に対応しなくてはなりません。

そこで親のほうも感情的になってしまうと、感情と感情のぶつけ合いになってしまいます。

そうなるとますます話がこじれてしまうため、親はとにかく冷静に、余裕を持って対処することが大事です。

お子さんが何に悩んでいるのか、具体的に勉強のどの部分でつまずいているのか、何か将来的な不安を感じているのかなど、お子さんの話の中から正確に読み取るためにも、まず親は冷静でなければなりません。

冷静に対応するコツを親側も身につけておこう

そうは言っても、あまりにお子さんが感情的・反抗的な態度を取ってくると、親としても感情的になってしまうかもしれません。

そこで冷静に対応するコツについて整理しておきます。

<スルーするときはスルーすること>

お子さんが感情的になっている場合、親に対して酷い言葉を浴びせてくることもあります。

ただ、先ほども述べた通り、その言葉が子どもの本心というわけではないのです。

そのため、こうした感情的な言葉・キツい言葉に関してはスルーすることも大切です。

もちろん親も一人の人間ですし、ときに子どもの言葉にカッとなってしまうこともあるかもしれません。

ただ、とにかく親が冷静さを失ってはいけないので、「スルーするときはスルーする」という意識が大切です。

また、お子さんの言葉の一つひとつに反応してしまうと、お子さんが本当に言いたいことが理解できないおそれもあります。

スルーすべき内容はスルーし、聞いたほうが良い内容(勉強の悩みなど)はしっかり聞く、このような使い分けが重要です。

<まず親が日頃からストレスを溜めないことが大切>

いざというときに冷静に対処するためには、日頃からストレスを溜めないことも大切です。

ストレスの多い日々を過ごしていると心の平穏が保てなくなり、冷静になるべきときに冷静になれないことも多いのです。

一方、ストレスの少ない日々を過ごせば自ずと心にも余裕が生まれ、いざというときに冷静に対処しやすくなります。

このように、いざというときのメンタル状態というのは、日頃の生活習慣が大きく影響するわけです。

心の余裕を保つことの重要性を意識していただき、なるべくストレスを溜めない習慣を心がけてみてください。

子どもの態度がそっけないときの接し方

反抗期の子どもというのは、感情的に言葉をぶつけてくるだけでなく、そっけない態度や不機嫌な態度を取ったりすることもあります。

このようなケースでは、親は適度な距離感を意識すると良いでしょう。

あまりに干渉しすぎるのは逆効果

子どもがそっけない態度を取っているとき、あまりに干渉しすぎるのはかえって逆効果です。

お子さんの反応が鈍いとき、確かに親としては気になる点も多いかと思いますが、ここで干渉しすぎても反抗期の子どもは抵抗感を抱いてしまいます。

褒めるべきときはきちんと褒める、距離を置くときは距離を置くというバランスが大切になるのです。

このあたりはお子さんの態度も踏まえ、どこで声をかけるべきか、逆にどこで声かけを控えるべきか、試行錯誤しながら分析していく必要があります。

いくら親といえども、常に子どもに干渉すれば良いわけではありません

このあたりのバランスを常日頃からぜひ意識してみてください。

子どもの態度を気にしすぎないこと

子どもからそっけない態度を取られると、親として複雑な気持ちになるかもしれません。

特に褒めたときに冷たい態度を取られれば、やはり悲しい気持ちになるでしょう。

ただ、反抗期のこうしたそっけない態度も、子どもの本心とは言えないのです。

本当は褒められて嬉しいにもかかわらず、素直になれずにわざと冷たい態度を取る子どもも少なくありません。

そのため、親としては子どもの態度を気にしすぎないことも重要です。

子どもの態度や受け答えを一つひとつ気にしすぎても、親として悩みが増えるだけになってしまいます。

過剰に気にするのではなく、ひとまず様子を見たり、スルーするときはスルーしたりなど、余裕のある対応を意識してみてください。

反抗期とはそういうものだと捉え、何事も考えすぎないようにする習慣も大切です。

反抗期の受験生

まとめ

今回は、中学受験の勉強期間に反抗期になってしまう子どもについて、その特徴や接し方などをお話ししていきました。

受験勉強期間に起こる反抗期は、小学校高学年くらいから始まる「第二次反抗期」に該当します。

第二次反抗期は、心身ともに大きく成長するにあたっての不安やストレスを親などにぶつけてしまうことが大きな特徴です。

これが受験勉強期間に起こると、勉強に対するストレスやプレッシャーも加わり、感情的な言葉で不安をぶつける、親が声かけをしても反応がそっけなくなる、といった例が見られます。

一方で、反抗期というのは子どもが成長している証拠でもあり、反抗期そのものが悪いわけではありません。

そのため、親としてもまず冷静に対応することが重要であり、反抗期のお子さんの精神状態を責めるようなことは避けるべきです。

特に中学受験の勉強であれば尚更、子どもの中でも何かとストレスが生まれやすく、それが反抗期の言動と相まって表面化することもあります。

子どもが感情をぶつけてきたら冷静に受け止めて話を聞く、子どもがそっけない態度を取っていれば過度に干渉しすぎず様子を見るなど、とにかく親として冷静な対処が求められます。

反抗期の言動というのは、お子さんが本心から望んでいるわけではありません。

様々な不安が重なり、わざと反抗的な態度を取っているだけですので、親のほうも過剰に考えすぎずに冷静に見守っていくことが大切です。

こうした点も踏まえ、親子の二人三脚で受験期間を乗り切っていきましょう。