小学校の授業を通して「算数が得意になるには、たくさん問題を解くことが大切」と思っている親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
もちろん、たくさん問題を解いて計算に慣れさせることも大切ですが、それだけでは不十分です。
では具体的に、たくさん問題を解くことの他に、「算数が得意な子どもにするためにすべきこと」とはどのようなことなのか、何が大切なのかをご紹介していきます。
目次
学年別でみる!算数で押さえておくべきポイント
まずは学年別で、どんなことをおさえておくべきかを確認しておきましょう。
もちろん算数の学習は他にもたくさんありますが、特におさえておいて欲しいポイントをご紹介します。
一年生は「足し算」と「引き算」がポイント
足し算や引き算をする際は、ブロックなどを使って視覚的に理解をさせておきましょう。
慣れてくると、頭の中でそのブロックの図を描けるようになり、計算できるようになります。
二年生は「かけ算」、「時間」、「筆算の足し算、引き算」がポイント
「かけ算」は、必ず二年生のうちに暗記をさせましょう。「かけ算」が好きな子どもたちは多いですので、飽きる前に一気に覚えさせましょう。
「時間」は時刻を読めるようにし、下記に出てくる「時間の感覚」も鍛えましょう。
「筆算の足し算、引き算」では特に繰り上がり、繰り下がりのある筆算は、子どもたちが苦手とするところです。
時間が空けば、やり方を忘れることがあるので、定期的に解き方を確認しましょう。
三年生は「割り算」、「分数」がポイント
中学年からは、これまでの基礎を生かした学習になっていきます。
二年生での「かけ算」をしっかりと習得していれば問題ないかもしれませんが、「かけ算」と「割り算」が混乱してしまう子どももいるので、しっかりと身に付くまで見てあげましょう。
また、分数で数値を表すことはよくできるのですが、分数の計算となると、できなくなる子が一気に増えます。
四年生の分数の学習ともつながりますので、三年生のうちに分数の計算の仕組みをよく理解しておく必要があります。
四年生は「小数」がポイント
これまでに出たことのない小数が出てきます。
小数の位置や計算の仕方に戸惑う子どもたちが多く見られますので、間違えた問題は一問一問丁寧に見てあげる必要があります。
五年生は「平均」、「割合」がポイント
平均を学習する授業の中で、「ならす」という馴染みのない言葉が頻繁に出てくる学習ですが、実はとても身近なことに関する学習です。
そもそも「ならす」意味が分からない子もいますので、そこから紐解いてあげる必要があります。
割合の学習では、文章問題しかありません。文章をよく読み、問われているパーセンテージを確実に出さないといけません。
苦手とする子が最も多い学習ですので、一つ一つの問題をよく理解しながら解いていきましょう。
六年生は「比例と反比例」、「面積」、「体積」がポイント
比例と反比例の学習では、グラフに作図をしていく作業があります。
グラフのマス目が今までよりも小さくなるということと、計算の仕方がよく分からず作図を間違えてしまうという子どもが多くみられます。
面積、体積の学習も含め六年生では覚えなければならない公式がたくさん出てきます。
公式が分からなければ、問題を解くこともできませんし、中学校からの学習がスムーズにいかなくなることもあるので注意しましょう。
家庭で出来る!算数が得意になるために必要な2つのこと
国語力をつけよう
「算数なのに国語力?」と少し不思議に思うかもしれません。
しかし、国語力は算数の問題を解く上でとても重要なものなのです。
算数の問題では、計算問題だけでなく、多くの文章問題が出てきます。
文章をうまく解読できないのに、文章問題を解けるはずがありません。
文章をよく読まず、数字だけ見て計算してしまうという子どもたちの姿をよく見かけます。それでも正解することはあるかもしれませんが、そのままにしておくと危険です。
文章問題の際は、必ず最後まで文章を読む習慣をつけさせておきましょう。
もし読んでみて問題の意味が分からなくても、キーワードとなる言葉に線や丸などで印をつけさせるようにすれば、その問題が何を回答者に問いているのかを徐々に捉えられるようになってきます。
感覚を鍛える
感覚と一言に言っても、一種類ではありません。大きく三つに分けて説明をしていきます。
量感
量感とは、大きさや重さなどの感じを捉える感覚のことです。
「ミリメートル」「センチメートル」「キログラム」「リットル」など、小学校ではたくさんの単位を習います。
「鉛筆の長さは15センチ」「このバケツは10リットルくらい入りそうだから10キロくらい」など、おおよその大きさや重さを予想できるようにしておくと、様々な問題を解くときに役立ちます。
小学校二年生の算数では、「1メートルはどれくらいでしょう。これくらいと思うところで紙テープを切ってみましょう。」などと長さを予想させる学習があります。
そのような練習問題をお家でもたくさんさせると、楽しく量感を捉えることができます。
距離感
「運動場一周は400メートルくらい」「家から学校まで1キロメートルくらい」など、距離をある程度予想できる感覚も鍛えるようにしましょう。
それに加えて、「車の速さ時速40キロはこれくらい」「自分はこれくらいの速さで歩くから到着まで10分くらいかかりそう」など、速さの感覚を身に付けておくことも大切です。
時間の感覚
時間の感覚は、子どもたちによって感覚が違います。
例えば、「10秒たったと思ったら手をあげてください。」と言ったときの感覚はだいたいの子どもたちが同じくらいに手をあげますが、それ以上になるとおもしろいほどバラバラに手をあげます。
「1分」や「1時間」の長さなどは、勉強をしているとき、遊んでいるときで感じ方が違います。
そのため、子どもたちは時間の感覚を捉えることがとても難しいのです。
時間の感覚を捉えるためには、よく時計を見る習慣を身に付けたり、「1時間くらい自由な時間があるからこんなことができそう」など、予想して行動したりする経験がたくさん必要です。
また、ストップウォッチでも時間の感覚を楽しく捉えることができます。
例えば「10秒たったと思ったらストップを押しましょう」と言ってストップウォッチで友達同士競い合わせるだけでも、子どもたちは集中して楽しく勉強することができます。
たくさんの経験を積み重ねて、様々な感覚を鍛えておくことは、算数の問題を解く上でかなり大きな力となります。
感覚が身に付いていれば、問題を解いた後に、もし計算が間違っていたとしても、感覚的に「おかしい」「絶対違う」と分かるようになってきます。
もし感覚がよく身に付いていなければ、とんでもない答えになっても、何の違和感もなく、そのままにしてしまうことが多いので家庭でも感覚を鍛える練習をしてみてください。
経験を生かして算数に取り組もう
いかがでしたでしょうか。
算数の学習では、たくさん問題を解くことはもちろん大切ですが、その他にも国語力や感覚を鍛えるということが大切です。
色々な経験を経て、それを生かして問題を解いていけることが一番子どもの身になるのです。