小学生の思考力を高める方法!小学生の『なぜ』はこれからの興味・好奇心を育てる魔法の言葉

読書をする子供たち2020年度から小学校では「新学習指導要領」へと移行していきます。

社会が目まぐるしく変化していく中で必要な『生きる力』を身に付けることが求められています。

新学習指導要領では、「未知の状況にも対応できる“”思考力、判断力、表現力等」を育成することとされています。

今回はその中の“思考力”に着目して、小学生の思考力を高める方法を見ていきましょう。

そもそも「思考力」とは?

「思考力」という言葉から、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。

一般的に「思考力」とは「考える力」ととらえることが多いかと思います。

私たち人間は常に考えながら生きています。

たとえ豊富な知識があったとしても、その知識を“どう活かしていくか”を考えていくことができなければ、せっかくの知識は宝の持ち腐れになってしまいます。

考え、行動するからこそ開ける未来があり、円滑な人間関係を築くことができているのです。

そして、この「思考力」を高めることは、社会に出たときに非常に必要なスキルとなってきます。

例えば、仕事をしていて問題にぶつかったとき、「思考力」がない人は、どうしたらその問題を解決することができるかといったいわゆる「問題解決能力」がないため、それ以上先に進むことはできません。

しかし、「思考力」が高い人は、なぜそうなったのか、どうしたら解決できるのか、と問題解決に向けて動くことができます。

この能力があるからこそ、仕事での評価もしてもらえるのです。

また、コミュニケーションの場においても、その人、その場面にあった対応を考えることができるので、一緒に仕事がしたい、この人に仕事をお願いしたい、と思ってもらうことができるのです。

家庭で出来る!子どもの思考力を高める3つの方法

思考力を高める方法将来的にも大切になってくる「思考力」ですが、すぐに身に付くものではありません。

子どものうちからこの能力を鍛えていくことが必要です。

ここからは実際に小学生のうちからできる思考力の高め方についてご紹介していきます。

「計画」を立てさせよう

小学生になると、規則正しい生活が必要になります。

決まった時間の中ですべきことをきちんとできるようにするために、「スケジュール」を考えさせてみましょう。

最初は簡単なスケジュールで良いと思います。

例えば起きる時間、寝る時間、学校に行く時間と優先度の高いものから計画させてみます。

あまり最初から縛りすぎてしまうと窮屈に感じ、嫌になってしまうので、あくまでも「自分で考えた」ことを大切にします。

人間は出来る様になるとおもしろくなります。

子どもも自分で決めたことが出来ると、得意になります。

1日のスケジュール、1週間のスケジュール、1か月のスケジュールと先の事を見据えていけるように、段階を踏んでいきます。

その時、ただスケジュールを考えるだけでなく、見直しも大切にしましょう。

もし上手くいかなかった場合は、なぜ上手くいかなかったのか、どうしたら上手くいくのかを考えることで、思考力を高めていくことにもつながります。

「なぜ?」を大切にし、答えを探させよう

親御さんは、子どもの“なんで?”という疑問にどのように対応しているでしょうか。

幼児期の「なんで?」は疑問に思ってなくても「なんで?」と聞きたくなる年頃(いわゆるなぜなぜ期)ですが、小学生になった子どもの「なんで?」は子どもの興味や好奇心を育てる大切な質問になるので、丁寧に対応してあげましょう。

子どもの質問にもしすぐに答えられる場合でも、すぐに答えを教えてあげるのは賢明ではありません。

子どもに考える時間と、答えを導き出す方法を見つける時間を与えてあげてください。

自分で導き出した答えは、すぐに知った答えより記憶に残りやすくなりますし、調べる習慣はたくさんの知識を身に付けるのにも役立ちます。

自宅で勉強をする子供

読み聞かせ、読書のできる環境づくりをしよう

近年、小さな頃の絵本の読み聞かせは語学力の面でもスキンシップの面でも非常に重要だとされています。

そのため、乳幼児期にたくさん読み聞かせをする家庭も多いのではないでしょうか。

では、小学生になるとどうでしょうか。

乳幼児期ほど読み聞かせする時間は減っていることが多いはずです。

本を読むということは、言語能力の向上だけでなく、考える時間が増え、思考力を高めることができます。

最近の小学生は習い事などで忙しい子も多く、読書の時間がとれない、なんてことになっていませんか。

1日10分でも1週間続ければ70分、1か月続ければ280分にもなります。

親が読ませたい本もあるとは思いますが、まずは子どもに好きな本を与えましょう。

読書が楽しくなってくれば、自然と様々な本に手を伸ばすことにつながってきます。

これは本だけでなく、新聞でも構いません

新聞=大人の読み物と思いがちですが、小さな頃から目にすることで、子ども自身も新聞を受け入れやすくなります。

新聞は5W1Hで記載されていますので、筋道を立てて考える習慣作りにオススメです。

いずれにせよ、そうした本や新聞が身近にある生活空間を整えてあげることは大切です。

新聞を読む親子

子どもの思考力を養うには、親が心の余裕を持つことも大切

教員をしていてる中で、考える力を持った子が少なくなってしまった、と感じる場面があります。

もしかしたら、「考える力がない」というよりは「考えようとしない」、「考えることを知らない」、といった方がいいのかもしれません。

今は分からないことがあっても、パソコンやスマートフォンですぐ調べられ、「なぜ?」、「どうして?」と考える時間が非常に少ないことがひとつの原因だと思います。

また、子どもの周りの大人たちも非常に忙しくしており、子どもの「どうして?」にすぐ答えを与えてしまい、一緒に考え、導くことを怠りがちなことも原因のひとつではないでしょうか。

筆者自身も、忙しい時などに子どもがあまりに「どうして?」、「なんで?」としつこいと、つい「こうだから」とすぐに教えてしまうこともあり、これではいけないな、と感じます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?一つでもご家庭で実践してみて頂ければ幸いです。

小さな子どもたちも考えることが大好きです。

親が「小さいから」といってなんでも決めてしまっていませんか。

小さな子どもも1人の人間として、考えようとしています。

その考えようとしていることを大切に見守ってあげられる、大人の心の余裕もまた大切なのかもしれません。