小学校受験の願書の準備から書き方のポイント!お子さんと家族の「らしさ」を伝えよう

願書を書く母親小学校受験の本番は、願書を書くところから始まります。

この願書、学校への正式な「初めましてのご挨拶」となるものですので、非常に重要です。

筆者は幼児教室の講師をしていた頃、多くの願書の添削を担当しましたが、大半のご家族が、最初は「どうやって書いたらいいかわからない」と戸惑われていました。

この記事では、これから初めて小学校受験の願書を準備しようとしているご家族に向けて、書き方や提出の際のポイント・注意点をご紹介していきます。

願書を書くための3つの準備

志望校がある程度絞られてきたら、すぐに願書の準備も始めましょう。想像以上に、願書を完成させるまでには労力や時間を要します。

スケジュールには余裕を持って臨みたいところです。

まずは、準備段階で気をつけるべき3つのポイントをお伝えしていきます。

願書は複数部用意する

はじめに志望校の願書を手に入れなければなりません。

配布場所や配布時期などは、志望校のホームページをしっかり確認しておきます。

このとき、各学校の願書を複数部手に入れるようにしましょう。

1部しか手元に無いと、書き損字や汚れなどが生じた場合に困ってしまいます。

また、願書は、決して折れや曲がりなどが出ないよう、大切に保管します。

そして、コピーも多めに取りましょう。

内容を考えるときや記入練習をするときは願書のコピーを活用します。

書く内容を家族でよく話し合う

最終的に願書を記入するのがどなたであっても、お子様の受験に関わっているご家族全員で、願書の設問を読み、書く内容を検討しましょう。

特に、面接を受ける予定のご家族(多くはご両親がご夫婦で面接に臨まれると思います)は、「願書と面接はワンセット」と心得て、願書の内容を共有する必要があります。

うまく共有できていないと、願書の内容と面接で話す内容との整合性が取れずに、面接官に熱意が伝わらなくなってしまいます。

願書のコピーに書き込みながら文章をまとめる

願書では、内容だけでなく「読みやすさ」も重要です。

限られた記入欄の中に、文章を見やすく収める必要があります。

そのため、書く内容を決めた後、文章をまとめる際は、実際に願書のコピーに書き込みながら調整していくのがおすすめです。

そうすることで同時に、本番の願書を書く時の練習にもなりますよ。

設問別!書き方のポイント

設問別の書き方のポイント願書の設問で多いのは、「志望動機」「お子様の性格・様子/長所・短所」「ご家庭の教育方針」などです。

ここからは、設問ごとに書き方のポイントをまとめます。

「志望動機」を書く時のポイント

願書を書くにあたり、避けては通れない「志望動機」。

志望校のホームページ、パンフレット、説明会などではたくさんの情報が提供されています。

それらをしっかり集め、フル活用して組み立てていきます。

まずは、その学校の特色や教育方針について理解し、魅力を感じていること、その学校がご家庭やお子様と合うことが、熱意とともに読み手に伝わらねばなりません。

その上で、ご家庭ごとのストーリーがきちんと見えるようにします。

陥りがちなミスとしては、

  • 学校の特色紹介になってしまうこと
  • その後の設問(例えば「お子様の性格」や「ご家庭の教育方針」)とかぶりすぎてしまうこと

などがあります。

志望校への思いが強ければ強いほど、書きたいことが沢山出てくるかと思いますが、ぐっとこらえて吟味し、話題を絞って書くことが大切です。

志望校の特徴や方針などのうち、もっとも魅力的だと感じるポイントを2~3点取り上げましょう。

それらをお子様やご家族の過去・現在・未来と関連付けて掘り下げて書くようにすると、「学校紹介」にならず物語として伝わり、その後の設問とも差別化できます。

学校見学などで実際に見たことや、もし在校生や卒業生およびそのご家族にお知り合いがいれば、その方々から見聞きしたことなども盛り込めると、説得力が増すでしょう。

また、志望動機はご両親のお考えで書くことにはなりますが、あくまで学校生活の主役がお子様であることを忘れないようにしましょう。

「お子様の性格・様子/長所・短所」を書く時のポイント

この欄では、読み手がお子様の将来の学校生活まで想像できるような、生き生きしたエピソードを描けることが望ましいです。

一旦、家族であるというフィルターを外して、お子様の様子を思い返したり観察したりしてみてください。

志望動機同様2~3点にポイントを絞り、志望動機以上に具体的なエピソードに触れながら書いていきます。

たとえば、1点目は生まれ持った気質について、2点目は集団にいるときの様子について、3点目は生育環境やご家族の教育によって身についた性格・行動についてなど、複数の観点からお子様のことを伝えるようにするのがおすすめです。

「短所」については悩まれる方が多いのですが、必要以上に卑下したり、無理にフォローしたりせずに、「あっさりと事実を書く」くらいの意識でちょうどいいのではないかと思います。

「ご家庭の教育方針」を書く時のポイント

この欄に書かれたご家庭の教育方針と、志望校の教育方針との共通点を読み手が自然に見いだせることが理想です。

志望校の方針を理解し、それと通ずる部分のある話題選びをします。

「あれもこれも貴校の方針と一緒です!」とあまり主張すると、わざとらしくなってしまいます。

ご家庭の方針や心がけなどを伝える(つまり、聞かれたことに答える)ことに重きを置くようにしましょう。

小学校受験の参考書

清書・提出の際の注意点

内容が完成したら清書をし、時が来れば提出することとなります。

細かなところまで確認を怠らず、万全の状態で受験本番のスタートを切りたいものです。

それでは、清書・提出時に関してもいくつか注意点を挙げていきます。

必ず誰かに見てもらう

願書を清書する前に、必ず内容を誰かに添削してもらいましょう。

幼児教室や塾に通われている場合は、こまめに講師の指導をあおぐのがベストです。

添削を受けるときは、願書のコピーに、清書のつもりで丁寧に記入してみましょう。

内容に矛盾やかぶりが無いか、わかりやすい文章になっているか、誤字脱字が無いかなど、しっかり事前にチェックします。

黒の油性ボールペンなど、滲まないペンで書く

いざ清書となったら、滲まない、乾きやすい黒いペンで記入します。

願書はいわば挨拶状です。

紙面に汚れなどがあっては、印象が良いとは言えません。

休み休みでかまいませんので、とにかく丁寧に、心を込めて仕上げましょう。

そのためにも、早めの準備が大事です。

願書提出期間や提出方法を何度も確認し、余裕を持って、必ずご家族の手で提出する

せっかく計画的に準備してきても、ここで間違えてしまっては悔やんでも悔やみきれません。

志望校全ての願書提出期間や提出方法を徹底的に確認し、厳守します。

絶対に忘れないように、ご家庭内の見えるところに一覧を貼り出しておくのも一つの方法です。

そして、提出は必ずご家族が、ご自身の手で行ってください。

ごくまれにですが、他人に頼んでしまって後悔する方もいらっしゃいます。

長い時間をかけて準備してきた受験ですから、はじめの一歩は確実に、慎重に踏み出せるようにしましょう。

最後に

ここまで、小学校受験の願書にまつわる一般的なポイントや注意点をまとめました。

学校側は、決してお子様やご家族の優等生度をはかりたいのではなく、それぞれのお子様やご家族がどんな方々で、どんな思いを持って出願してきたのかを知るために願書の提出を課しています。

「らしさ」「人となり」が伝わる願書こそが良い願書と言えますので、ぜひご家族でよくお話をしながら、唯一無二の素敵な願書を作りあげてくださいね。