小学校受験の考査ではさまざまな試験が行われますが、その中でも保護者の方々が不安に思われるのがお子さんの面接時の受け答えではないでしょうか。
ペーパー試験と異なり、行動観察や面接は課題が分かっていたとしてもその場でのお子さんの対応が見通しづらいもの。
とはいえ、5、6歳ともなればオンオフの切り替えを上手に行い、事前に準備した成果をある程度発揮することもできるようになります。
また、面接試験は日頃のお子さんとの接し方が如実に現れる場面であることからすれば、日常からコミュニケーションを大切にすることで十分に対策をとることができます。
そこで今回は事前の準備から当日の面接対策までをご紹介していきます。
目次
小学校受験の面接までに語彙力を高める訓練を
面接試験は過去問などで事前にある程度質問内容を把握することができ、繰り返し練習を行うこともできます。
しかし、同じ内容の質問でも聞きなれない単語で質問をされた場合に言葉に詰まってしまうお子さんがほとんどです。
たとえば「歳はいくつですか」という質問には答えられるのに、「年齢は」と尋ねられて押し黙ってしまうこともあるかもしれません。
このような場合に「どういう意味ですか」と質問し直せればいいのですが、そこまで求めるのは難しいかもしれません。
そこで、日頃から語彙力を増やす必要があります。
語彙力を高めるのに有効な方法
語彙力を増やす方法には、日常会話の中でさまざまな表現方法を使って丁寧に親子の会話を行うことはもちろん、言葉の図鑑を用いて解説していくのも有効です。
たとえば、角川学芸出版からは「ことばえじてん」という図鑑が出版されていますが、表現しづらい言葉の意味を可愛いイラストと共に紹介しているので、お子さんが理解しやすくなっています。
使い方としては、頭から順に読んでいき、知っている言葉にはシールを貼っていく方法などもありますが、受験対策に必須の昔話を読みながら、そこで出会った初めての言葉を一緒に調べてみるのもお勧めです。
また、さらに一歩進んだ活用方法としては、出てきた単語を見つけてお話や短文を作ってみるのもいいかもしれません。
小学校受験の面接対策で見落としがちな聞く力
これは面接試験のみならず個別試験(口頭試問)などにおいても言えることですが、小学校受験においては「聞く力」がとても大切になってきます。
たったの一度の発問を注意して聞き、理解することができなければ小学校受験は苦い結果を残すことになってしまうでしょう。
家庭でできる聞く力の訓練と面接対策
聞く力の訓練が大切になってきますが、これは家庭学習において発問は一度しかしない、日常の指示においても複数の指示をたった一度しかしないなど聞き返さないことを習慣化づける必要があります。
また、絵本を読むたびにそれを題材にして毎回異なった質問をすることもとても有効な訓練方法です。
ご家庭でお子さんの学習を見守っていると、お子さんの聞き漏らしやすい部分を把握することもできると思いますので、特にその部分を注意して聞くように促してあげるとより身につくでしょう。
小学校受験の面接対策に礼儀作法は必須!
挨拶やお礼などは面接対策のためだけに教えても、本番当日の緊張の中ではど忘れしてしまうかもしれません。
しかし、日頃から挨拶をすることは当たり前のことだと身についていれば、面接の場面で一礼を忘れることがあっても、「よろしくお願いします」や「ありがとうございました」の一言は自然と出てくるはずです。
そこで、先生やお友達、お友達の保護者の方々だけでなく、近所の方やお店の方など日常で接する方すべてへの挨拶もしっかり行えるよう注意していきましょう。
小学校受験校別、具体的な面接対策
面接で質問される内容は、受験される小学校の過去問を見てみればある程度事前に把握できると思います。
そこで、過去問を中心にこんな場合どのように返答すればいいのかという具体的な対策を日頃から話し合っておきましょう。
オススメの面接対策
このとき、答え方としてお勧めしたいのが質問された内容を引用しながら聞かれた内容を答えるというものです。
たとえば「あなたの好きな食べ物は何ですか」という質問に対しては「わたしの好きな食べ物は」といった具合です。
このように訓練することのメリットは、お子さんご自身が質問を復唱することで何を問われたか忘れずに落ち着いて解答でき、面接官にしっかりとした受け答えをしている印象を与えることもできます。
なお、「当校の名前は」「この学校に入ったら何をしたいか」などの質問をする学校も多いので、志望校のオープンスクールなどにはお子さんと一緒に何度も参加し、この学校に入ったら何をしたいかなど親子で話し合う機会を作るといいでしょう。
小学校受験当日にすべき面接対策
本番当日はこれまで準備してきた面接対策を確認するとともに、本番当日にしか準備ができず、かつ、質問蓋然性が高い当日の朝食や昼食の話や通学経路の確認などを話し合っておきましょう。
また、当日はお子さんに「頑張って」という言葉をかけるよりもお子さんにとってよりリラックスできる言葉をかけてあげるように心がけましょう。
なお、本番では想定外のことが起こりやすいもの。
これまでの模擬面接などではスラスラと答えていたのに、本番当日は自分の名前でさえ答えられず、黙り込んでしまう子も少なくありません。
このような場合に、お子さんがご両親の顔色を伺ったり、ご両親が必要以上に不安な顔をみせて何もできないまま時間が経過することのないよう、不測の事態における対処方法を夫婦や親子間で話し合っておきましょう。