高学年から始めよう!中学生に向けての先取り英語学習方法とは?

英語学習をする親子小学校から英語が必修化されるようになり、大学入試改革の一環として英語の試験内容に大きな変化が加えられるようになる中、子どもたちを取り巻く英語学習環境は近年ものすごいスピードで変化しています。

しかし実際のところ、そのような変化の渦中にある子どもたちや保護者の中からはポジティブな意見も聞かれる一方で、「どのように対応していけばよいのだろうか?」「うちの子はうまくついていけるだろうか?」と不安視する声をよく耳にするのも事実です。

そこで今回はそのような悩みを解決するために、小学校高学年のうちにどのような先取り学習をしていけば中学校での英語学習にスムーズにつなげていくことができるのでしょうか。

その具体的な方法や押さえておきたいポイントについて英語教員の経験からご紹介していきます。

まず押さえておきたい、よく耳にする「中1の壁問題」とは?

ひと昔前であれば英語の学習が始まるのは中学校に入ってからというのが当たり前でした。

しかし、最近では幼稚園児や赤ちゃんのころから、さらには妊娠中から早期英語教育に取り組むことも珍しいことではなくなってきました。

小学校でも外国語活動が盛んに取り組まれるなど、小さいころから「英語に親しむ」ことができる環境が徐々に整えられてきています。

しかし、子どもが成長して自我が芽生えるにしたがって、今度は「勉強の要素を取り入れた学習への拒否反応」が出てくることが問題視されるようになりました。

これは俗に「中1の壁(中1ギャップ)」と呼ばれるもののうちの一つです。

小学校から中学校に進学するときに、歌やゲーム中心の「英会話」寄りの授業から「文法・単語練習・読解問題中心」の難しい授業へと変化する過程でよく見られるものです。

歌やゲームを通して楽しく英語に親しんでいた小学校時代に対して、中1の夏以降からどんどん難しくなる内容や単語の暗記についていけず、「英語嫌い」の状態になってしまう子が増えてしまうというのです。

そのような現象を解決し、中学校の英語学習にスムーズにつなげていくために、2020年度から実施されるのが「小学校での英語学習の必修化」です。

小学3・4年生で年35時間の外国語活動、また5・6年生で年70時間の「教科」としての英語の授業がスタートします。

語彙力を高め、話せる英語・使える英語を増やしていこう!

英語の先取り勉強法とは上記のとおり、今後小学校では高学年から「聞く」「話す」「読む」「書く」の英語の4技能を総合的に高めながら、英語を用いてコミュニケーションするためスキルを養うカリキュラムが先取りで実施されていきます。

とはいえ、学校の授業だけで英語の運用能力を高め、「自分の伝えたいことを話せる」レベルにまで到達することはなかなか難しいため、英語学習の難易度が高まるにつれて挫折しないように、家庭で適切なフォローをしていくことも求められていくでしょう。

「そう言われても、自分も英語が苦手だったから教えられないよ」という親御さんもおられるかもしれません。

しかし、スムーズに中学英語に接続していくためには、小学校高学年の時期における先取り英語学習の役割がとても大切になってきます。

お子さんの興味や関心、英単語や文法の理解度に応じて、以下のようなことに家庭でも取り組んでいくとよいですよ。

フォニックスを学習に取り入れてみる

英単語を覚えるとき、例えばfriendという単語を「ふりえんど」などと無理やり覚えた経験のある方は多いでしょう。

しかし、これは「フォニックス」という英語の発音とアルファベットの関連性に注目した学習法を取り入れることによって、「スペルを見ただけで発音がわかる」という状態にすることができます。

たとえば「cake」という単語であれば、

「c」=ク
「a」=エイ
「k」=ク
「e」=発音しないe

とフォニックスのルールを当てはめることによって「ケィク」と読むことができます。

読むことができれば、「hat」と「cat」、「read」と「leaf」などのように同じ音節を持つ単語を読んだり書いたりすることも容易になっていきます。

You Tubeの動画や「あいうえおフォニックス」というサイト、「ABCフォニックス」というアプリなどを活用して、スペルを見ただけで発音できる単語を増やしていくとよいでしょう。

高学年の男の子

市販の問題集や無料教材プリントを活用する

続いて取り入れていきたいのがドリルや問題集などを用いた学習です。

単語を知らないことには英会話の内容を理解することができません。

アルファベット、身の回りにある単語、学校の授業で習った単語などをコツコツ覚え、語彙を増やしていくことが大切です。

市販のドリルや問題集を使ったり、無料教材をインターネットで探してプリントアウトしたりするなど工夫して、毎日5分だけでも単語の発音やスペルを確認する時間を設けるようにすることもおすすめです。

宿題にプラスして取り組む、登校前の朝学習にする、「アルファベットストーンズ」などの学習アプリを活用するなどしてルーティンに加え、語彙の定着を図りましょう。

英語の音に触れる機会を増やす

ある程度インプットができてきたら、次はアウトプットする機会を多く設けるようにしていくことが大切です。

英語は「言語」ですから、使えば使うほど使いこなせるようになり、自分の言いたいことをきちんと伝えることができるようになります。

NHKの初心者向け英語番組を見る、日頃日本語音声で観ているディズニーやスポンジボブなどのアニメを字幕に切り替えて英語の音声で観る、簡単な英語で書かれている洋書や絵本を読む、子ども向けオンライン英会話で実際に会話してみるなどの方法が有効でしょう。

親御さんもこの機会に一緒に勉強し、一緒に英語試験に向けて勉強をしたり、地域の国際交流事業に参加してみたりするのもよいですね。

興味や関心に応じて楽しみながら先取り学習に取り組んでください

小学校での早期英語教育事業の取り組みが進むにつれて、子どもたちもまたその変化に順応していくことが求められるようになってきました。

「先取りでうまく勉強していくことができるのだろうか」「あまり強要すると嫌がってしまい、英語嫌いになるのでは」などと不安になってしまう親御さんもいるかもしれません。

しかし、お子さんの語彙力や興味関心に応じて今回ご紹介したものをうまく活用していただき、楽しみながら先取り学習を進めていくようにしてくださいね。