以前、~数学はもうかる?算数のできる子の育て方~で、普段の生活の中で幼児期のお子さんが数に触れる機会を増やしてみませんか?というお話をさせていただきました。
今回は小学生のお子さんを算数が得意な子にするためにご家庭でできることをご紹介したいと思います。
目次
そもそも算数ができないとは?
塾講師の宮本哲也さんをご存知でしょうか。
主宰していた「宮本算数教室」は教えるのは算数のみ、無試験先着順の教室ながら、在籍生徒の80%が首都圏の最難関校に進学するという驚異の実績をあげていました(現在は活動の拠点を海外に移されています)。
宮本哲也さんの著書「強育論」「超強育論」には、算数ができるとは、どんな問題もぱっと解けてしまうことではなく、解けない問題も投げずに深く思考し続けられる力のことだと書かれています。
算数が得意な子はどんな難問でも、いろいろなアプローチで答えを導こうとチャレンジし続けます。
適当な解法が思いつかないときでさえ、すべてを書き出して、しらみつぶしに可能性を消していくような泥臭い方法で答えを出そうとします。
算数ができないと諦めてしまうこと
一度つまずいてしまうと手がとまってしまい、そこから先に進めなくなってしまう算数が苦手な子どもたちとは対照的です。
この違いはどこからくるのでしょうか。
算数ができない子どもにオススメしたい「賢くなるパズル」!
たとえば「200はどんな計算式と=で結べる?」算数が得意な子に訊ねてみると、
- 100+100
- 25×8
- 1000÷5
- 40×5
- 200億÷1億
など、計算式がどんどん出てきます。
200をいろいろな計算式であらわせるということは、200という数をいろいろな角度から眺められることを意味します。
数について考え続ける力を支えているのは、このような数に対する豊かなイメージです。
数に対するイメージ、じつは算数パズルで楽しく数を操作しながら育てることができます。
今回ご紹介したいのは宮本算数教室の『賢くなるパズル』です。
『賢くなるパズル』とは
『賢くなるパズル』は販売累計220万部を超える宮本哲也考案のペンシルパズルです。
レベルはたし算、かけ算、四則それぞれに入門編、初級、中級、上級があります。
小学生の算数は文章問題など、国語の要素が多分に加味されていて、それが原因で本当は力がるのに自分は算数が苦手だと誤解してしまっている子どもたちもいます。
パズルはルールさえ覚えてしまえば、純粋に数の操作に没頭できるので、文章題が苦手なお子さんもゲーム感覚で楽しめます。
『賢くなるパズル』に取り組むうえでの注意点
『賢くなるパズル』の表紙には「お子さんの目の届くところにさりげなく置いてみてください。親が焦らなければ、お子さんは自然に賢くなるはずです」とあります。
義務になってしまわないよう、「ちょっとやってみようか?」など最低限の声掛けで、スタートさせてみてはいかがでしょうか。
『賢くなるパズル』がなかなか解けない子へのアドバイス
どんなに時間がかかってもいい、自己流でかまわない、親はよけいな口出しをしない。が宮本算数のルールですが、そもそも数を操作しての試行錯誤が苦手な子どもたちもいます。
そんな子どもたちには、自分の力で解いたという達成感と自信が持てる範囲でアドバイスしてみてもいいのではないでしょうか。
「賢くなるパズル」できない子どもがやってしまいがちなこと
決めてかかる
「2かもしれない」というマスに、すぐ2を入れてしまうことです。
子どもが自分のミスになかなか気づかず、パズルを諦めてしまいそうなときは「ぜったいこの数しか入らないって決まるまで、入るかもしれない数は小さく書いておこう」とアドバイスします。
「かもしれない」と「これしかあり得ない」のちがいが理解できるようになるまでは、何度か声がけしてかまいません。
順序だててできない
もうひとつやってしまいがちなのが、たとえば「1~6までの数で差が2のもの」を探さなくてはいけない時、「6と4」「3と1」が思いついたところでやめてしまうことです。
そんな時は「これでホントに全部だった?」
「組み合わせは全部みつけてからじゃないと、間違った数を選んじゃうかもしれないよ」と声をかけます。
漏れがないかを子ども自身が気にするようになれば、6と4、3と1など、思いついた順ではなく、まずは1と3、つぎが2と4、と組み合わせをすべて書き出すための工夫もできるようになります。
『賢くなるパズル』自力で解ける子へのアドバイス
算数が好きな子どもたちは、たとえば3675を5つの数の積に分解する作業も「これ以上分けられない数で割れないかやってみた」という具合に、5×735 → 5×5×147 → 5×5×7×21 →5×5×7×7×3と何を教わったわけでもないのに素因数分解で組み合わせをみつけていきます。
『賢くなるパズル』の上級は大人も手こずるような難問ですが、得意な子は四則の計算ができるようになる3年生からはじめて、4年生になる頃には上級まで終わらせてしまいます。
そんなお子さんには、お母さんも問題を解いて、わからない(わからないフリでかまいません)ところをお子さんに教えてもらいましょう。
教えてもらったら、説明が多少拙くても「ありがとう、わかりやすかったよ。また教えてね」と評価することも忘れずに。
相手にわかりやすく説明しようと試行錯誤することは、自分の意見を伝えるスキルを磨くことにつながりますし、相手に認められることで、子どもたちは自信を持って、自分の意見を発信できるようになっていきます。
まとめ
脳トレのための算数パズルは、ご紹介した『賢くなるパズル』以外にもたくさん市販されています。
ぜひ、お子さんと一緒に脳に汗をかかれてみてはいかがでしょうか。