近年、共働きの家庭が増えています。もちろんそのことは悪いことでもなんでもありません。
しかしなかには「共働きをしているから子供にかわいそうな思いをさせていないか」や「子供がかわいそう」と感じている保護者もいます。
はたして本当にそうなのでしょうか?専業主婦の母親が常に家に居る家庭は必ずうまくいっているでしょうか?
実際にあった具体例を挙げながら、うまくいっている家庭、うまくいっていない家庭の話を3つ紹介します。
共働きだから子育てはうまくいかないの?
共働きをしている家庭のAさんは家庭内でうまくいっていないと感じて悩んでいました。
家庭内のことを聞いているうちにすぐに原因はわかりました。Aさんは自分がパートに出ていて忙しいということを理由に子供に家事の大部分をさせていたのです。
子供も小中学生になると自分の世界を持ち始め、自分のしなければいけないことも増えてきます。
空いている時間に家の手伝いをすることは素晴らしいことですが、家事の大部分を押し付けられては気分が良くないでしょう。
まして子供が皿洗いや洗濯をしている時に母親が遊んでいたり寝ていたりしていては、うまくいくはずがありません。
Aさんは口癖のように「私は働いてきて疲れているから」と子供に言っていたようですが、これは子供からすれば「関係ない」ことです。
もちろん仕事をしていれば時間も限られますし、体力的にもしんどいでしょう。
本当につらい時は子供を頼ることも良いと思います。ただ、自分がしようと思えばできるということは自分でしましょう。
その姿を見ている子供は親がつらいときに手伝ってくれるはずです。
さらにこの状況は教育的に見てもよくありません。親がその言い訳をしていると「子供もまねをします」。
学校でのテストの成績が悪かったりしても「自分は家事をしているから勉強する時間がない」ことを主張するのです。
Aさんはそのことを忘れていたのです。
その部分を改めて、実践していったところ子供の表情が明るくなり、させられるのではなく、空いている時間には自分から手伝ってくれるようになっていったとのことでした。
共働きをしていることを理由に子供に必要以上の負担をかけてはいけないのです。
専業主婦で常に家にいる母親と子供が衝突する
親が家に居るから家庭がうまくというわけではありません。
実際にBさんの家庭は不満が爆発寸前でした。
Bさんは専業主婦であまり外に出るのも好きではなく、家に居ることが多くありました。しかしだから子供と接する時間が多いというわけではなかったようです。
家族みんなが家に居るときも父親は自分の部屋でパソコン、Bさんはリビングでテレビを見ていて、子供たちはそれぞれ自分の部屋で遊んでいる。
食事のときだけ一瞬みんな集まるが食べ終わるとそれぞれ元の自分の位置に戻っていく。という状態だったようです。
これでは家族のつながりが強くならないことも十分考えられます。
このパターンはある程度家が大きく、それぞれ自分の部屋を持っている家庭にはよくあることです。
逆に兄弟の人数が多い、そんなに部屋数がないマンションなどに住まれている家庭ではあまり起こりません。
みんなが同じ部屋に居ることが多くあるからです。
各自が自分の好きなことをしていても、それが別の部屋にいるのか同じ部屋でそばに居るのかでは意味合いも変わってきます。
みんなが家に居るから安心というわけではなく、同じ空間にいる時間が重要なのです。
うまくいっている家庭とは?
Cさんの家庭は共働きです。
しかし家族は非常に仲が良く、すれ違いや子供が寂しがっているということはありませんでした。
Cさんの家には小さいホワイトボードがあります。
親は子供へ、子供は親へとそこに伝言を書き、読んだらそこに返事を書くということをしていました。
このホワイトボードによってつながりがうまれ、意志の疎通はできていたのです。
そして家族がみんなそろったときには、みんなで行動するということを心がけていました。
まとめ
ここまでの実際の例でわかるように、「みんなが家にいるから幸せ」「共働きだからうまくいかない」なんていうことはないのです。
問題は長く一緒に居る時間が問題なのではなく、居る居ないに関わらず子供と親とがつながっているかどうかなのです。
小さい紙にメッセージを書いてもいいでしょう。
子供ととにかく関わってあげること、それがうまくいく秘訣ではないでしょうか?