肥満と聞くと、あまりいいイメージがない方が多いかもしれません。
他の子どもと比べて自分の子どもがちょっとぽっちゃりしていたり、体重がどんどん増えていったりすると不安になるママも少なくないのではないでしょうか。
今回は、管理栄養士の筆者が子どもの肥満において食事で気をつけるべきことをお伝えします。
目次
子どもが肥満になる原因はこれ!
子どもの肥満は、単純性肥満(原発性肥満)と呼ばれる、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っているために生じることがほとんどです。
食事やおやつの食べ過ぎ、ジュースの飲み過ぎ、野菜不足や偏食などの食事内容のバランスの悪さ、さらに運動不足が原因になります。
肥満の中には病気が隠れていることがありますが、その場合は身長の伸びが悪くなるのが特徴です。
大人の肥満になる前に!子供のうちから対策をしよう
肥満は、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病に繋がります。
生活習慣病は脳血管疾患や虚血性心疾患など、重大な病気を引き起こすリスクが高くなり、命の危険や重篤な合併症を引き起こす危険性も高くなります。
また、子どもの肥満は大人の肥満に繋がりやすいので、子どものうちから対策をすることが大切です。
肥満を解消するために!食事で気をつけたい6つのこと
よく噛んで食べる
「噛む」という行動は、運動と同じようにエネルギーを消費します。
よく噛んでエネルギー消費量を増やしましょう。
また、よく噛むことによって満腹中枢を刺激し食べ過ぎを防ぎます。
その他にも、よく噛むことで唾液がたくさん分泌され虫歯予防になったり、食べ物の消化を助けてくれたりなど、「よく噛む」ということは良いことがたくさんあります!
子どものうちから、よく噛むという習慣を身に付けましょう。
目標としては、1回に30回噛むことが望ましいですが、難しい場合は食べ物を1回口に入れたら1度箸を置く、飲み込みたくなったらあと5回噛んでみるなど、無理せずできることから始めましょう。
脂身の多い肉は避ける
揚げ物や脂が多い食べ物はカロリーが高く、脂肪として体に蓄えられやすいです。
できるだけ揚げ物は控え、お肉は脂身の少ないものを選ぶようにしましょう。
鶏肉であればささみや胸肉、牛肉や豚肉であればヒレやモモがおすすめです。
油の多い食べ物を控える
その他、中華料理やファストフードにも油が多く使われているので注意しましょう。
魚の脂は、脳の働きを活発にするDHAやEPAが含まれており、発育段階にある子どもには大切な栄養素です。
特に青魚に豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れましょう。
調理面では、テフロン加工のフライパンを使用することで油を使わずに焼けるのでおすすめです。
揚げ物は控えた方が良いですが、唐揚げやフライドポテトなど揚げ物が好きな子どもは多いですよね。
子どもが好きな揚げ物をする場合は、少量の油で揚げ焼きにすると揚げるよりカロリーを抑えることができます。
また、材料に油をかけてオーブンで焼く方法もあり、こちらも油の量を抑えることができるのでおすすめです。
一汁二菜を心がける
ご飯、肉や魚などの主菜、野菜の副菜、汁物を合わせた一汁二菜の献立は、バランスの良い食事になり肥満解消に最適です。
毎日一汁二菜の食事ができると良いですが、毎日はなかなか難しいですよね。
惣菜を買ってきたり、外食をすることもあると思います。
その場合は、ご飯やお肉だけということにならないように、野菜を使ったおかずも選ぶようにするなどして、少しでも偏りがないようにしましょう。
お菓子を控える
市販のお菓子には砂糖や油が多く使われているので控えましょう。
砂糖も油と同様にカロリーが高く、脂肪になりやすいです。
おやつを手作りすれば砂糖や油の量を調整でき、安心して食べさせることができます。
さつまいもやかぼちゃ、りんごやバナナなどの果物を取り入れることで、自然な甘さが出て子どもも満足する味になりますよ。
ママの手作りおやつは子どもも喜びます。
また、親子でのおやつ作りは、子どもにとって楽しい時間になること間違いなしです!
ジュースの飲みすぎに注意する
ジュースにも砂糖が多く含まれているので気をつけましょう。
最近では、カロリーゼロの飲料や食べ物も売られていますが、これらには砂糖の代わりに人工甘味料が多く含まれています。
人工甘味料の中には肥満になりやすくなる作用などを持つものもあり、カロリーゼロだからといってたくさん摂取しても良いというわけではありません。
できるだけ飲まない方が良いですが、絶対飲まないというのは難しいと思うので、週に1回だけにするなど、ジュースを飲むことが毎日の習慣にならないように気をつけましょう。
肥満を解消するためには家族と協力をして取り組もう
多くの子どもの場合、子どもの肥満は解消することができます。
そのためには、子どもだけが頑張るのではなく、ママやパパ、家族の協力が必要です。
子どもだけが我慢をしたり、ママが1人で悩んだりしないよう、家族で協力して取り組んでいきましょう。
そして、肥満に関係なく、食事は楽しくなければ意味がありません。子どもにとって、楽しい食事をすることは心の栄養にもなります。
食べ物や食べる量を制限し過ぎたりして、子どもにとって食事の時間が嫌になったり、食べることへの意欲がなくなったりしないよう気をつけましょう。
子どもの体のことを考えて、食事内容を工夫をしたり、献立を考えたりするのは大変だ、辛いと感じることもあるかもしれません。
ですが、ママの想いは子どもに伝わります。
頑張り過ぎてママの笑顔がなくなってしまっては、子どもも笑顔になれません。
不安になったり悩み過ぎたりせず、子どもと一緒に無理なく取り組んでいきましょう。