栄東中学校は、埼玉県さいたま市にある私立の男女共学の中高一貫校です。
今回は栄東中学校の受験予定者なら知っておきたい、栄東中学校の特色、受験情報、入試問題の傾向などをご紹介していきます。
目次
栄東中学校の特色
栄東中学・高等学校は「人間是宝」を建学の精神とし、「今日学べ」という校訓のもと、心の教育や学ぶ力(思考力・判断力・表現力など)の形成を重視した教育を行っています。
「アクティブ・ラーニング(AL)」の導入により、課題研究やグループワーク、ディスカッションやプレゼンテーションなどが盛んに行われ、生徒が能動的に参加できる学習環境に強みがあります。
また、校外学習などでもアクティブ・ラーニングが導入され、知識というよりも「学ぶ力」を重視する教育方針が特徴です。
学校の沿革
1971年に学校法人佐藤栄学園が認可され、1978年には埼玉栄東高等学校が設置されました。
1992年には栄東高等学校へ改称、さらに栄東中学校の設置により中高一貫教育が開始され、現在に至ります。
施設
主な施設は、総合グラウンド、グラウンド、第一校舎棟、第二校舎棟、第三校舎棟、第四校舎棟、第五校舎棟、カフェテリア、講堂、屋内プール、図書館、体育館、テニスコートなどがあり、充実した学習環境が整っています。
進学先
2022年の大学合格状況を見ると、東京大学14名、一橋大学2名、東京工業大学5名といった国公立大学の合格実績のほか、早稲田大学144名、慶應義塾大学78名、上智大学26名、東京理科大学213名など、私立大学で高い合格実績が見られます。
学校周辺の環境
栄東中学・高等学校は、JR宇都宮線東大宮駅が最寄り駅となります。JR宇都宮線は湘南新宿ラインや上野東京ラインなども通り、東京都や神奈川県とのアクセスにも優れています。
また、東大宮駅は大宮駅とも近く、大宮駅を通じて多方面からの通学も可能です。
栄東中学校の受験情報
試験日
- 東大・難関大クラス/A日程:2023年1月10日(火)または1月11日(水)を選択
- 東大特待クラス/東大特待Ⅰ(4教科型):2023年1月12日(木)
- 東大特待クラス/東大特待Ⅰ(算数1教科型):2023年1月12日(木)
- 難関大クラス/B日程:2023年1月16日(月)
- 東大クラス/東大Ⅱ:2023年1月18日(水)
募集人員
- 東大・難関大クラス/A日程:140名(難関大100名、東大40名、1年間特待生若干名)
- 東大特待クラス/30名
- 難関大クラス/B日程:40名
- 東大クラス/東大Ⅱ:30名
試験科目
A日程とB日程は、国語と算数でそれぞれ50分ずつ、それぞれ100点満点です。
また、社会と理科は合わせて50分、100点満点となっています。
社会と理科で別々に試験が行われず、合わせて60分の中で行い、合わせて100点満点となります。
一方で、東東大特待クラスは、国語と算数でそれぞれ50分ずつ、それぞれ150点満点となります。
また、社会と理科でそれぞれ40分ずつ、それぞれ75点満点となります。
栄東中学校の偏差値と倍率
偏差値
四谷大塚によると、栄東中学校の偏差値は、受験日程と男女で違いが見られます。
男子 | 女子 | |
東大・難関大クラス/第1回(1/10) | 58 | 60 |
東大・難関大クラス/第1回(1/12) | 58 | 60 |
東大特待クラス | 65 | 68 |
東大・難関大クラス/第2回 | 57 | 59 |
いずれの日程も、女子の方が偏差値が高くなっています。また、男女ともに東大特待クラスの日程の偏差値が最も高くなります。
倍率
令和4年度の入試結果より、受験者数と合格者、倍率は次のようになります。
日程 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
A日程(1/10) | 4646人 | 3380人 | 1.37倍 |
A日程(1/11) | 2223人 | 1318人 | 1.68倍 |
東大特待Ⅰ(4科) | 1116人 | 541人 | 2.06倍 |
東大特待Ⅰ(算数1教科) | 149人 | 35人 | 4.25倍 |
B日程(1/16) | 1507人 | 644人 | 2.34倍 |
東大Ⅱ(1/18) | 506人 | 253人 | 2倍 |
栄東中学校の入学後の学費
栄東中学校の生徒募集要項より、入学後費用は下記の通りとなります。
入学金 | 250,000円 |
施設設備拡充費 | 200,000円(年間) |
預り金諸費 | 170,000円(年間) |
生徒会費 | 10,000円(年間) |
保護者会費 | 10,000円(年間) |
後援会費 | 5,000円(年間) |
授業料 | 25,000円(月額) |
修学旅行積立金 | 13,000円(月額) |
これらの費用は4月に払うことになり、4月分の合計の学費は43万3千円となっています。また、給食費や制服代などの費用も加わります。
栄東中学校の入試問題と対策
算数
栄東中学校の算数は、受験日程によって試験時間と配点が異なります。
東大・難関大クラス(第1回・第2回)は試験時間50分で配点100点満点となります。
一方、東大特待クラスの場合、4教科型・算数1教科型(算数①)が試験時間50分で配点150点満点、算数1教科型(算数②)が試験時間40分で配点150点満点となっています。
大問は4問~5問程度で、いずれの日程も複雑な問題・難問が一定数登場します。
一方、基本・標準レベルの問題も含まれるので、まずは解ける問題からしっかり解き、着実に得点源を増やしていくことが大事です。
また、各日程とも時間的な余裕は少ないので、常に時間を意識し、一問に時間をかけすぎないようにしましょう。
難問に時間をかけすぎて解けるはずの問題が解けなかった、などの事態にならないよう、時間配分に注意して解き進めなくてはなりません。過去問演習を徹底し、日程ごとに時間配分の感覚をしっかり養っておきましょう。
また、年度や日程によって難易度にバラつきがありますが、基本・標準レベルの問題が多い場合、高得点勝負になる可能性もあります。
ケアレスミスは絶対に避け、得点できるものはしっかり得点につなげましょう。
頻出分野は図形、速さ、比など幅広く、作図や考え方を書かせる問題もあります。
各分野の基礎力・応用力を鍛えることはもちろんですが、途中式や考え方などをまとめる練習も欠かせません。
採点者に自分の考えがしっかり伝わるよう、日頃から式・計算・作図などをわかりやすくまとめる習慣をつけ、実戦的な力を鍛えましょう。
国語
東大・難関大クラス(第1回・第2回)は試験時間50分で配点100点満点、東大特待クラスは試験時間50分で配点150点満点となっています。
大問は4~5問程度で、知識問題、説明文・論説文、小説文・物語文などから出題されます。
特に知識問題の多さが特徴的で、漢字はもちろん、四字熟語、慣用句、ことわざなど、幅広い分野の知識が求められます。
読解問題の対策はもちろんですが、知識問題もなるべく早くから対策し、時間をかけて語彙力を鍛えましょう。知識問題に必要な語彙力は短期間で身につくものではないので、コツコツと対策を進めることが重要です。
また、読解問題の設問形式は、選択肢問題、書き抜き、記述問題など幅広く、難易度の高い問題も見られます。
特に記述問題では時間がかかる設問もあるので、スピーディーかつ正確に、過不足なくまとめる記述力が求められます。
字数指定が厳しい記述問題や、逆に字数指定がない記述問題もあるので、各設問に沿って臨機応変に記述する力が重要です。
そのほか、読解問題の選択肢問題もややこしい設問が多く、注意しなくてはなりません。
本文を素早く正確に読解したうえで、各選択肢を細かい部分までチェックし、本文と照らし合わせ、それぞれ正誤判断する必要があります。
日頃から難しめの選択肢問題に多く触れ、トレーニングを重ね、正誤判断能力を磨きましょう。
もちろん、過去問演習を徹底して時間配分の感覚をつかむことも大切です。時間的な余裕は少ないため、時間を常に意識して解き進める習慣をつけましょう。
社会
東大特待クラス(4教科型)の場合、試験時間は40分、配点は75点満点となります。
一方、東大・難関大クラス(第1回・第2回)では、理科と合わせて合計50分・合計100点満点となるので注意が必要です。
大問は3問程度で、地理・歴史・公民分野(時事問題含む)から幅広く出題されています。
設問形式は、選択肢問題、適語記入問題、記述問題などがあり、基本レベルの問題も比較的多いです。
ただし、思考力が要求されるもの、解答に時間がかかる問題、選択肢が複雑な問題など、一筋縄ではいかない設問も目立ちます。
問われる知識は基本レベルでも、そこから思考・考察して解答する問題が多く、油断はできません。
単なる知識の暗記では対応できないので、問題演習を通じて思考力や考察力、各形式の設問をテキパキ進める処理能力など、実戦的な力を鍛える必要があります。
各分野の基礎知識を幅広くおさえることは大前提ですが、その知識を各設問に合わせて応用していく習慣をつけましょう。
また、いずれの日程とも、時間的な余裕は少なくなります。リード文や資料等に登場する情報も多いので、スピーディーかつ正確に情報を読み取る力も鍛えなくてはなりません。
過去問演習を通じて時間配分の感覚をつかむほか、問題演習も徹底し、資料の読み取りも含めて素早く正確に進めるよう、トレーニングを重ねましょう。
理科
社会と同じく、東大特待クラス(4教科型)は試験時間40分、配点は75点満点となりますが、東大・難関大クラス(第1回・第2回)は社会と合わせて合計50分・合計100点満点となっています。
大問は4問程度で、 4分野からまんべんなく出題されます。設問形式は選択肢問題、計算問題、記述問題など幅広く、思考力・考察力が問われる問題も見られます。
全体として基本的な問題が多いですが、単なる知識の暗記では対応できない問題構成のため、注意が必要です。
実験問題における考察など、基礎知識を応用して解く問題が多いので、過去問演習・問題演習でトレーニングを行い、思考力や考察力を鍛えなくてはなりません。
難問・奇問や細かい知識を問う問題は少ないですが、基礎知識を幅広くおさえ、そこから応用して考察を進めるなど、実戦的な力を磨く必要があります。
また、社会同様に試験時間の余裕も少ないので、時間配分にも注意しなくてはなりません。過去問演習はもちろん、日頃の問題演習でも常に時間を意識し、テキパキ進める習慣をつけましょう。
特に実験などの問題は、ある程度慣れておかないとスムーズに解けないので、過去問をはじめ重点的に対策することが大事です。
また、資料なども多く登場するので、問題演習を通じ、情報を速く正確に読み取る練習を行い、情報処理能力を鍛えておきましょう。
過去問
受験生平均点の特徴
受験者平均点(4教科合計)
A日程(1/10) | 199.5点(300点満点) |
A日程(1/11) | 188.8点(300点満点) |
東大特待Ⅰ(4科) | 276.9点(450点満点) |
東大特待Ⅰ(算数1教科) | 159.0点(300点満点) |
B日程(1/16) | 217.2点(300点満点) |
東大Ⅱ(1/18) | 234.0点(300点満点) |
合格基準点
A日程(1/10)1年間特待 | 240点(300点満点) |
A日程(1/10)東大クラス | 212点(300点満点) |
A日程(1/10)難関大クラス | 187点(300点満点) |
A日程(1/11) 1年間特待 | 240点(300点満点) |
A日程(1/11) 東大クラス | 212点(300点満点) |
A日程(1/11) 難関大クラス | 187点(300点満点) |
東大特待Ⅰ(4科)6年間特待 | 353点(450点満点) |
東大特待Ⅰ(4科)3年間特待 | 335点(450点満点) |
東大特待Ⅰ(4科)1年間特待 | 281点(450点満点) |
東大特待(1科)6年間特待 | 280点(300点満点) |
東大特待(1科)3年間特待 | 268点(300点満点) |
東大特待(1科)1年間特待 | 201点(300点満点) |
B日程(難関大クラス) | 228点(300点満点) |
東大Ⅱ(1年間特待) | 300点(300点満点) |
東大Ⅱ(東大クラス) | 241点(300点満点) |
合格基準点は、特に東大特待合格は7割近くを得点する必要があり、他の日程と比べて最も高くなっています。
栄東中学校合格のために必要なこと
栄東中学校は試験日程が多く、日程によって時間や配点が一部変わるため、あらかじめ注意しなくてはなりません。
一方、4教科の傾向はいずれの日程でも比較的共通しており、各傾向に沿った対策を徹底する必要があります。
例えば算数であれば、まずは基本的な問題でのミスをなくし、得点源としたうえで、難問で差をつけることが重要です。
また、国語は知識問題が多いことに注意するほか、複雑な選択肢問題や記述問題の対策も欠かせません。
さらに社会と理科は、問われる知識は基本レベルが中心ですが、そこから思考・考察すること、与えられた情報を素早く読み取ることなど、より実戦的な力が求められます。
こうした点に注意し、各日程・各科目の傾向に沿った対策を進め、本番に備えましょう。
ただ知識を覚えるだけでなく、思考や考察を深める習慣をつけ、実力を伸ばしていくことが大事です。