行事食とは特別な日にいただく料理のことを言います。
家族の幸せを願い、健康を祈るなど、それぞれの行事食には大切な意味が込められています。
地域毎に違いがあったり、使用する食材が違ったりもします。
こうした行事食を通して、食べ物に感謝をする心を持ったり、家族みんなで楽しんで思い出を作ったりすることができます。
子どものうちから行事食に親しみが持てるように、日本にはどんな行事食があるのか、食育インストラクターの筆者と一緒に見ていきましょう。
お七夜
お料理は、赤飯、尾頭付の鯛があるのが一般的です。
子どもが生まれて初めての行事食です。家族でお祝いをして健やかな成長を願う大切な行事の1つです。
お食い初め
赤ちゃんが生まれて100日目に行う行事です。
お食い初めは赤ちゃんに食べる真似をさせます。
赤ちゃんはまだ食べることはできないですが、食器・箸も赤ちゃん用にきちんと用意し、「しっかりと食べて健康で育つように」「食べることに困らないように」と食べる真似をして、お祝いをします。
また、丈夫な歯が生えてくるように歯固めの儀式も行います。
桃の節句
女の子の成長を祈る行事です。
春の訪れを感じる季節の食材がたくさん使われている食事をします。
ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、菱餅、ひなあられなどが一般的でしょうか。
春を感じる、色鮮やかな食卓が印象的です。
それぞれの料理や使用する食材には、縁起の良い意味が込められています。
ちらし寿司をケーキのように見立てて一緒に作れば、子どもも喜びます。
初節句(端午の節句)
男の子の成長を祈る行事です。柏餅、ちまきなどが一般的です。
最近では、こいのぼりケーキ、こいのぼりパンなんかも見かけるようになりました。
縁起の良いと言われるものを食べることももちろん大切なことですが、子どもが小さいうちは、一緒にこいのぼりケーキ、こいのぼりパン、ちらし寿司をこいのぼりの形にするなどして作るってみるのも、子どもにとってもとても良い思い出になるはずです。
初誕生日
生まれてから初めての誕生日を迎えたことをお祝いします。
1歳まで無事に育ってくれたことを喜び、一升持ちを背負わせて、「一升(一生)食べるものに困りませんように」という願いを込めます。
七五三
男の子は5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いするのが一般的です。
七五三といえば、千歳飴です。
お着物を着て、千歳飴の入った袋を手にした子どもはとてもかわいらしいです。
千歳飴は、細くて長く、長寿の意味が込められています。
その他の行事食
その他、日本にはお正月のおせち・お雑煮、大晦日の年越しそば、十五夜のお月見だんご、七夕にそうめんを食べたり、土用の丑の日にうなぎを食べたり、春分の日にぼた餅を食べたり、様々な行事食があります。
季節の食材を取り入れ、縁起を担ぎ、健康を祈るような行事食はとても素敵な風習です。
お赤飯や紅白まんじゅうもお祝いごとにはかかせない行事食の1つです。
節分
そのほかに、子どもの喜ぶ行事食の一つとして節分があります。
節分と言えば、豆まきです。お父さんが鬼役で子どもは鬼に向かって豆を投げる。
子どもはこういった行事が大好きです。
幼稚園や神社でも節分祭を行ってくれるところも多いですよね。
ただ単に鬼に豆をまく、、、ということではなく、どういった意味があるか簡単にでも子どもに伝えられると良いですね。
節分には、福豆、イワシ、恵方巻が一般的です。
地域により、違いがあるのかもしれませんが、筆者の住んでいた地域は福豆を年の数だけ食べたり、豆をお茶に入れて福豆茶にして飲んだり、けんちん汁、いわしの目に串を刺してめざしにして食べたり、していました。
恵方巻を子どもと一緒に手作りをするのも良いですね。
1年間のその日だけ味わえる節分の行事食を通して、たくさん思い出を作ることができます。
まとめ
行事食にはそれぞれの意味があり、節目節目に子どもの成長を祝う行事がたくさんあり、そこでいただく行事食にも様々な意味が込められていることがわかります。
まだ赤ちゃんで何もわからない頃でも親は健やかな成長を願い、お祝いをしてくれています。
お子さんが行事について理解ができるようになったら、行事食について、意味をお話しながら、家族で楽しみながら思い出になるような行事を過ごしてください。
大人になっても子どもの頃に家族と楽しい行事を過ごしたことはよく覚えていて、さらには自分の子どもにも行事食の素晴らしさを伝えていくことができます。
行事食を通して、笑顔溢れる食卓を囲めたら、最高ですね。
食に合わせて日本の伝統の素晴らしさも一緒に伝えていけたら子どもにとっては最高の食育になるはずです。