学校の勉強だけじゃ足りない!?小学生にローマ字を覚えさせるコツ

ローマ字を覚えるコツ多くの小学生がローマ字に触れることになるのが3年生の時期になります。

早期英語教育の導入ですでにアルファベットに親しんでいるお子さんや、パソコンやタブレットなどで親がローマ字入力する様子をよく見ているお子さんであれば、「ああ、これがローマ字か!やってみたい!」と興味を抱きやすい学習単元となることでしょう。

ひらがなやカタカナ、漢字を学ぶときと同様にローマ字学習に興味関心を抱き、「ローマ字を覚えたらいろいろな文字の読み書きができて楽しいな」と感じてもらえたらうれしいですよね。

しかし実際のところ、すんなりとローマ字の表記やルールを覚えることができず、苦戦するお子さんが多いようです。

そこで今回は、ローマ字を子どもに教えるときの注意点やコツについて英語の教員経験からご紹介していきたいと思います。

小学校ではどのようにローマ字を学習していくの?

先述のとおり、多くの小学校でローマ字学習に取り組むのは3年生の時期ですが、実はそのトータルの指導時間はわずか3~4時間ほどしかありません。

アルファベットの大文字と小文字の違いもわからなかったり、aとdをうまく書き分けることのできなかったりする子どもに、ローマ字表記やつづりのルールを解説し、わずか授業の4時間だけでローマ字をある程度読み書きできる段階まで指導するのは難しいことですね。

自分の名前や友達の名前、住んでいる地域、身の回りにあるものなどをローマ字で書けるようにするためには、家庭でのフォローが必要不可欠です。

小学校でのローマ字授業を知ろう!

そこでまずは、小学校ではどのような流れでローマ字指導がされていくのかを確認していくことにしましょう。

  1. ローマ字表記について知る
  2. つまる音などの特殊な表記方法を確認する
  3. 訓令式とヘボン式の2種類の書き方があることを知る
  4. 自分の名前やまわりにあるものをローマ字で書いてみる

学校や担任の先生の指導方針などによって多少の違いはありますが、ローマ字を指導する際はおおむね上記のような流れになります。

家庭においても同様の流れで、さらに丁寧にポイントを押さえながら学習をサポートしていくとよいでしょう。

家庭でローマ字学習をサポートする際に押さえておきたい4つのポイント!

ローマ字を勉強する4つのポイント

1.ローマ字表記について確認する

ローマ字を学ぶときにはじめてアルファベットに触れるというお子さんは少なくありません。

正しいアルファベットの書き方がわからないお子さんもまた少なくありません。

「あ」は「a」、「い」は「i」といった具合に、まずは50音の配列から丁寧に学んでいきましょう。

「ちびむすドリル」など、無料でプリントアウトできる学習プリントサイトを活用してみるのもおすすめです。

ローマ字一覧表を見ながらどのように表記していけばよいのかを確認していきましょう。

2.特殊な表記方法を確認する

特殊な表記方法も確認しておきましょう。例えば以下のようなものがあります。

  • 「きゃ、きゅ、きょ」など、小さい「ゃ、ゅ、ょ」が入る文字は真ん中に「y」を入れた3文字で書く
  • のばす音を書くときは、母音の上に「^」をつける
  • 「切手 kitte」など、つまる音「っ」を表すときは次にくる音のはじめの字を重ねる
  • 名前や地名を書くときは、はじめの文字を大文字にする

3.訓令式とヘボン式の表記の違いについて確認する

ローマ字の表記には2種類あります。

例えば「電車」という言葉であれば “densya”または “densha“と書きます。

前者のつづり方は訓令式と呼ばれ、小学校のローマ字指導で主に習う表記です。

「さ行」であれば「sa si su se so」 と表し、sと母音を組み合わせるだけで表記できるため、規則さえわかればかんたんに理解することができるでしょう。

一方後者はヘボン式と呼ばれ、駅名の表記やキーボード入力の際に使われているつづり方です。

「さ行」であれば「sa shi su se so」 と書きます。

実際の英語の発音に準じたつづり方になっていて、パスポートの氏名表記などではこちらのヘボン式が用いられています。

習い始めは学校と同様の訓令式から教えていこう

ローマ字を習い始めたばかりの頃は学校と同様に訓令式をメインに教えていくことが望ましいのですが、日常生活の中でよく目にするのはこちらのヘボン式の書き方であることが多いですよね。

したがって、「し」は「si」とも「shi」とも書く、「ち」は「ti」とも「chi」とも書くという具合に、ローマ字一覧表の訓令式の下にカッコつきで併記してあるヘボン式の表記についても確認しておくとよいでしょう。

実際にローマ字を書いてみることで覚えていく

学校の限られた授業時間の中では、

  • 「ローマ字一覧表」を見ながら読み書きする
  • つづり方の特殊なルールを確認する
  • 自分の名前をローマ字で書けるようにする

などの目標がクリアできれば十分なのでしょうが、せっかくの機会なのでローマ字を覚えて自由に読み書きできるようになってほしいものですよね。

そこでおすすめしたいのが、「生活の中で使われているローマ字を探してみる」という方法です。

海外の方でも読めるように、駅名や地名、道路標識、看板などにはたくさんのローマ字表記がされていますよね。

電車にのっているとき、車でおでかけしているときなどにローマ字を見つけて読んでみるとよいでしょう。

身近なところでローマ字に触れる機会を意識的に増やしていくことで、学習の定着を図ることにつなげていくことができますよ。

テストを受ける子供たち

まとめ

日常生活の中で目にする機会の多いローマ字は、ルールさえ押さえれば読めるようになる文字です。

アルファベットの書き方を練習することができる、パソコンを使うときにローマ字で入力することができるなど、メリットもたくさんあります。

訓令式とヘボン式で書き表し方が異なるため、少々ややこしいように感じてしまうお子さんもいるかもしれません。

しかし、自分の名前や見知った地名をローマ字で書けるようになる、街の中にあふれているローマ字表記のものが読み取れるようになるなど、生活とリンクする場面が増えるにしたがってローマ字学習の楽しさが増え、自然と覚えることができるようになるはずです。

ローマ字には表記の仕方が2通りある、気を付けたい表記の決まりがあるなどを的確に教えながら、ぜひ「ローマ字が読み書きできるって楽しいな」と感じてもらえるようサポートしていってくださいね。