チャレンジ校に合格する子の共通点!本番で全力を発揮するために大切なこと

チャレンジ校に合格する子の共通点

中学受験でチャレンジ校を受験するお子さんは多いでしょう。

一方、そもそもチャレンジ校とは何か、どういう位置づけなのか、そしてどんな子どもがチャレンジ校に合格できるのかなど、疑問点もあるかと思います。

中学受験は子どもの向き不向きもありますので、お子さんの性格なども踏まえ、チャレンジ校を受験するかどうか悩んでいるご家庭も多いでしょう。

この記事では、塾講師経験から、チャレンジ校の位置づけ、チャレンジ校に合格する子どもの特徴・共通点、関連する注意点など、それぞれポイントをご紹介していきます。

チャレンジ校の受験について検討する際、ぜひ参考にしてみてください。

チャレンジ校とは?チャレンジ校を受ける際のポイントと注意点

チャレンジ校に合格する子どもの特徴・共通点についてお話する前に、そもそもチャレンジ校とはどのようなものか、ポイントや注意点を整理していきます。

チャレンジ校に明確な定義があるわけではありませんが、一般的には「志望校より少し難しい学校」をチャレンジ校と呼びます。

「少し上位の学校にチャレンジしてみる」というイメージになるでしょう。

模擬試験を基準にする場合

あくまで一例ですが、例えば模擬試験で合格可能性80%の学校があり、そこを第一志望校または滑り止め校にしたとします。

この場合、合格可能性が50%の学校は、チャレンジ校として位置づけられるでしょう。

まさに、「ある程度合格の可能性はあるので、チャレンジとして受けてみる」という位置にあります。

チャレンジ校の定義は明確ではない

一方、最初に述べたように、チャレンジ校に明確な定義はありません。

例えば偏差値が5~10程度上の学校をチャレンジ校とするなど、偏差値で決める場合もあれば、模試で示される合格可能性から決めるケース、模試でチャレンジ校としておすすめされた学校を受験するケースなど、様々な例があります。

お子さんの勉強の状況や性格なども踏まえ、ケースバイケースで決めるため、そもそもチャレンジ校自体受験しない場合もあるでしょう。

チャレンジ校に合格したとしても、入学後に苦労するかもしれないと不安に思う親御さんもいますし、最終的には各ご家庭の判断に委ねられます。

こうした事情もあるので、チャレンジ校の前に、まずは第一志望校をどうするかを明確にしなければなりません。

チャレンジ校はあくまで志望校より少し難しい学校ですので、その志望校をまずはっきりさせ、受験の目的意識を明確にする必要があります。

入学者は合格可能性80%の子どもだけではない

先ほども触れたように、模試で合格可能性80%となった学校を志望校とするケースはもちろん多いです。

一方、各中学校の合格者が全て模試で合格可能性80%だったかというと、そうでもありません。

合格可能性50%、もしくはもっと低い場合だったとしても、本番で力をうまく発揮し、合格を勝ち取る子どももいるのです。

こうしたケースについて詳しくは後述しますが、模試で判定される合格可能性が全てではないことは、まずおさえておいてください。

合格可能性80%だから第一志望校、合格可能性50%だからチャレンジ校、と簡単に決められる問題ではなく、最終的にはお子さんの性格等も踏まえたうえで、各家庭で受験計画を練る形になります。

まずは志望校選びを丁寧にすること

そもそも中学受験は偏差値だけで決める問題ではなく、校風、教育方針、部活動なども含め、お子さんに合った学校かどうか、総合的に判断しなければなりません。

もちろん子どもの学力が目安となることは間違いなく、そこから志望校のレベルを決める形になりますが、校風などもきちんと確認して判断しなければならない問題です。

繰り返しになりますが、チャレンジ校の前にまずは志望校を明確にすることから始める必要があります。

そのうえでチャレンジ校を受験するのであれば、志望校より少し上位の学校を目安にすると良いでしょう。

もちろんチャレンジ校を選ぶ際にも、校風等も含めて検討することは大前提です。

併願校を選ぶ基準

チャレンジ校に合格する子どもの4つの共通点

さて、ここまでの話を大前提として、次はチャレンジ校に合格する子どもの共通点についてです。

もちろん一概に言えることではありませんが、子どもの性格なども含め、共通点や特徴、関連する注意点など、お話ししていきます。

1.論理的な思考力、柔軟な思考力に強みがある!

難関と言われる中学校に合格できる子どもは、やはり思考力に強みがある場合が多いです。

そもそも中学受験は、単なる知識の暗記で対応することは難しいですが、難関校であれば尚更、あらゆる面で思考力が要求されるのです。

また、論理的な思考力はもちろん、柔軟な思考力も求められます。

例えば「このやり方で解けないなら他のやり方を試してみる」といった柔軟な思考は、時間的余裕の少ない本番では非常に重要なスキルです。

このような思考力を本番で発揮できたら、チャレンジ校に合格する可能性はグッと高まります。

思考力が求められる問題の正答率が高いかどうか、日頃の問題演習や模試などから判断してみると良いでしょう。

2.本番に強い性格!

本番で知識を引き出し、その場で思考力も発揮する必要がある以上、やはり本番に強い性格のほうがチャレンジ校に合格する可能性は高いでしょう。

ただし、これは緊張する・しないの問題ではありません。

緊張しない=本番に強い、緊張しやすい=本番に弱い、とは言えないので、ここは注意してください。

緊張しやすくても本番に強い子どもはいる

これは子どもに限らず大人にも言えることですが、緊張しやすくても本番で力を発揮できる人はいます。

むしろ、きちんと勉強を積み重ねたからこそ、実力があるからこそ、いろいろ悩んで緊張してしまうというケースもあるのです。

これは何も悪いことではありません。

なぜなら、「勉強を積み重ねた」「実力がある」という事実は変わらないからです。

そして、様々な勉強を経て実力を養ってきた子どもは、「頭が真っ白になりながらも結果的にしっかり問題を解けていた」という状態が多いのです。

たとえ緊張した状態でも、本番で問題が解ければ何も悪いことはありません。

確かに、「うちの子は緊張しやすいから本番だとダメかな…」と悲観的になる親御さんもいますし、その気持ちはもちろん理解できますが、必ずしも「緊張しやすい=本番に弱い」とは言えないので、この点はどうか知っておいてください。

緊張しにくい子どもの場合

もちろん緊張しにくい子どもは、本番に強い可能性が高いです。

ただし、これはしっかり勉強を重ねて実力を養ってきたことが前提となります。

勉強が不十分であれば、いくら本番で緊張しないといっても、合格する可能性は当然下がります。

嫌な話になってしまいますが、「勉強をあまりしてこなかったからこそ緊張もしない」というケースもあり得ます。

逆に、勉強をコツコツ行って実力をアップしてきた子どもで、さらに緊張しにくく本番に強いのであれば、チャレンジ校に受かる可能性は相当高いでしょう。

ただ、必ずしも「緊張しない=本番に強い」とは言えないので、この点は十分知っておく必要があります。

3.応用力に強みがある!

中学受験の問題集などを見ると、「基本問題」「標準問題」「応用問題」といった区分けがあります。

ただし、応用問題に限らず、基本問題・標準問題でも応用力は必要です。

なぜなら、応用力というのは「知識を実際の事柄に当てはめて利用する力」を意味し、これは基本問題・標準問題でも同じだからです。

そして、基本レベルの問題も含め、あらゆる場面で応用力を発揮できる子どもは、それだけチャレンジ校に合格する可能性が高いのです。

例えば難関校であれば、基本問題の中にも「ひねりのある問題」が含まれるため、基本レベルでも応用力はしっかり求められます。

こうした応用力に強みがあると、学校のレベルがやや上がっても対応しやすくなります。

応用力があるかどうかの見極め方

問題集によっては、基本問題・標準問題でも全問正解は難しい場合があります。

基本レベルとはいえ、ひねりのある問題も少なくないからです。

こうした問題で高い正答率を維持できれば、応用力が高い可能性があります。

まさに難関校のような、基本レベルでも応用力が求められる問題に正答できるわけですから、相応の応用力はあると考えられるでしょう。

応用問題の正答率の高さだけでなく、基本・標準レベルの問題の正答率も、細かい部分までチェックしてみてください。

応用力がある子どもの特徴!知識の出し入れがスムーズになるための勉強習慣を身につけている

日頃の勉強が流れ作業のようになってしまうと、ただ知識を暗記して終わりになるおそれがあります。

一方、「この問題はどの知識を使ったら解けるのか?」を考え、各分野の知識を横断的に整理できる子どもは、それだけ応用力が高いです。

応用力は「知識を実際の事柄に当てはめて利用する力」ですから、知識を暗記するだけでなく、それを分野ごとに整理し、「どの知識を使うのか?」を常に意識する必要があります。

こうした習慣は、勉強が流れ作業になっているとなかなか定着しません。

一方、問題ごとに頭の中で知識を整理する習慣があれば、知識の出し入れはスムーズになり、それだけ応用力も高まります。

このような勉強習慣もチェックしてみましょう。

応用力を鍛える子供

4.チャレンジ精神が高い

当然といえば当然の話ですが、チャレンジ校に合格する子どもは、やはり相応のチャレンジ精神を持っています。

チャレンジ精神の高い子どもは、常に上のレベルを目指す意欲が強いため、それだけ日頃の勉強の質も上がります。

特に小学生のうちは、「まずやってみよう!」という気持ちが大きく左右するので、意欲的であればあるほど結果につながりやすいです。

もちろん基準は第一志望校となり、チャレンジ校は学力的にハードルが上がることも事実ですが、チャレンジ精神・意欲は無関係ではありません。

知識や実力を伸ばすことも大切ですが、こうしたメンタル的な要素も大きく左右します。

チャレンジ精神は親が無理につけさせるものではない

チャレンジ精神は、あくまで子どもが自主的に身につけるべきものです。

親が無理やり身につけさせるものではありません。

もちろん、「もう少し難しい問題もやってみない?」といった声かけは大切ですが、無理に難問にチャレンジさせようとするのはかえって逆効果です。

子どもの勉強嫌いを引き起こすおそれもあるので、やり方には十分注意し、様子を見ながらアプローチしましょう。

そもそもチャレンジ校は、第一志望校とは別に受けるものです。

たとえ第一志望校とともにチャレンジ校に合格できたとしても、子どもが第一志望校に強いこだわりを持っている場合、その気持ちを優先するべきでしょう。

このような点も含め、チャレンジ精神はあくまで子ども主体で考える必要があります。

受験に合格する家庭の特徴

まとめ

今回は、中学受験のチャレンジ校に合格する子どもの共通点や、そもそもチャレンジ校はどういう位置づけにあるのかなど、ポイントをご紹介しました。

チャレンジ校の明確な定義はありませんが、基本的には「志望校より少し難しい学校」を意味し、模試の結果や偏差値などからチャレンジ校を決めていく形となります。

ただし、まずは第一志望校をしっかり固める必要があり、そのうえでチャレンジ校を受験するかどうか考えるべきです。

また、チャレンジ校に合格する子どもは、思考力に強みがある、本番に強い、応用力がある、チャレンジ精神が高い、といった特徴も見られます。

特に難関校であれば思考力・応用力が様々な場面で要求されるほか、知識の正確な引き出しも含め、いかに本番で全力を発揮できるかがカギとなります。

ただ、緊張しやすい=本番に弱い、とは言えず、しっかり実力を磨いていれば、緊張しやすくても本番で力を発揮できることは多いです。

さらに、チャレンジ精神は親が無理につけさせるものではなく、あくまで子どもが自発的に身につけるものですので、子どもへの接し方なども含めて注意する必要があります。

このような点を踏まえ、チャレンジ校の捉え方、お子さんの向き不向きなど、それぞれ検討してみてください。