中学受験における面接は合否を決めるためのものではありません。
比重は筆記試験に置かれていますので、どちらかといえば最終確認の意味合いが大きいのです。
そのため、面接のために長い時間を割いて準備するのは得策とは言えません。
とはいえ面接は子どもにとってはプレッシャーが大きく緊張するものです。
過度の緊張で言葉が出なくなったり震えが止まらなかったり、中には泣き出してしまう子さえいます。
面接で聞かれることは学校ごとに異なりますが、どの学校でもよく聞かれるのは「志望動機」です。
中学受験でも高校受験でも、志望動機の答え方に大きな差はありません。
頻出質問は事前に答えをある程度準備しておくことで、落ち着いて面接に臨めます。
志望動機は簡潔に伝えよう
どの学校でも1人の面接に掛ける時間は長くて10分程度です。
3分しかかけない学校もあります。長くだらだら話すよりも、簡潔に答えたほうが好印象です。
具体的には3,4文で志望動機を答えるのがちょうどよいでしょう。
まず始めに一文で「私が〇〇学校を志望した理由は~」とはっきり伝えます。この部分だけは暗記しておくと安心できます。
次に詳しく説明します。詳しくとは言っても、長くて二文でおさめましょう。
最後にその理由を合格した後の自分につなげてまとめましょう。
「だから私もこの学校で〇〇したいと思い、志望しました」といったようにまとめられればスマートです。
では、志望動機で何を言えば良いのでしょうか。
「学校が近いから」「レベルが高いから」といった消極的な理由や具体性のない理由は相手に熱意が伝わりません。
「この学校でなければならない」「具体的な」理由を考えておきましょう。
建学の精神や教育理念に共感
各学校には建学の精神・教育理念・教育方針など、学校の考え方を表すものがあります。
これらに共感したというのも一つの志望動機になります。
ホームページやパンフレットなどで見ることができます。
注意しなければならないのが、言葉や意味をしっかり理解することです。
小学生には聞き馴染みのない言葉も多いため、ただ暗記するだけでは質問されて言葉に詰まり、印象も悪くなります。
たとえば女子御三家の一角を担う桜蔭中学校には、「勤勉・温雅・聡明であれ」という校則があります。
この校則を面接で言いたい場合、「温雅」「聡明」の意味は正しく答えられるように調べておかなければなりません。
本来これらは意味を理解し共感したからこそ面接で使うものです。
印象やイメージで素敵だと思っても安易に使ってしまうことのないように気を付けましょう。
教育制度や行事に興味を持った
留学制度や学校行事としてもボランティア活動など、学校ごとに特色があります。
ポスターで軽く見た場合などは内容を理解していなかった、または中高一貫教育の中の高校でのイベントだった!ということもあります。
いつ・どこで・誰がどんな風に参加するものなのかをしっかりと調べておきましょう。
説明会・文化祭の雰囲気が良かった
お固いイメージを持っていたが実際行ってみたら温かい雰囲気だった、というように雰囲気に言及する方法もあります。
説明会では校内の施設を見学させてくれる学校もあります。
文化祭ではクラブ活動の様子を見せてくれたり話してくれたりすることもあります。
単に雰囲気が良いだけでなく、具体的に雰囲気の良さを説明できるとさらに良いです。
私立中学校では珍しいクラブや同好会も多くあります。
自由な校風とレベルの高さで人気の女子学院中学校には童話研究やマンドリンギターといったユニークなクラブもあるようです。
文化祭で興味を持ち、ぜひ参加したいというのももちろん志望動機になりますね。
在校生・卒業生がきっかけ
私立中学は入学しないとその様子が分かりにくいものですが、親族や友人に在校生・卒業生がいる場合は志望するきっかけになります。
話を聞いた、写真を見せてもらった、勧められたなどのきっかけが考えられます。
直接のつながりがなくても尊敬する人の母校であることもきっかけになります。
例えば芥川賞も受賞した作家・吉行理恵さんは女子学院中学校の卒業生です。
詩が好きな人には作家をきっかけに学校を知り志望するようになったということもあります。
ただしその場合は尊敬する人についての質問をされる前提で準備をしましょう。
その人はどんな活動をしていたか、どんなところを尊敬しているのかなどが答えられれば好印象です。
あいまいな答えと嘘はNG
志望動機を答えるときに大切なのは具体的に真実を述べることです。
あいまいで誰にでも答えられる内容はもちろん、嘘をついて自分をよく見せようとした内容もやめましょう。
誠意と熱意があれば、自然とよく見えるものです。
面識のない大人を相手に話すのは緊張するものです。
多くの面接は筆記試験の直後に行われます。が緊張と興奮状態が続き、頭も体も心も疲れている状態で臨むことになります。
質問の後の第一声が重要です。
ここで一声出せれば、その後も言葉が続きます。
頭が真っ白になってしまうことのないよう、事前にできることはしっかり準備をしておきましょう。
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