子どもが塾を嫌がっているとき、親としてどう対処すれば良いのか困ってしまいますよね。
そのまま通塾させていいのか、そもそも何が原因なのか、向き不向きがあるのか、など、疑問点も多く出てきてしまうはずです。
この記事では、塾講師の経験から子どもが塾を嫌がっているときの対処法について、子どもの性格なども踏まえてポイントをご紹介していきます。
目次
通っている塾が本当に適している?塾には向き・不向きがある
当然ながら、塾には向き・不向きがあります。
どうしてもお子さんの性格に合わない場合もあるでしょう。
また、残念ながら、教育・指導体制がしっかりしていない塾も一部見られます。
塾側の不手際が原因で、お子さんが塾に行きたくなくなることもあるのです。
こうしたケースは、お子さんに何か特別な原因があるわけではありません。
向き不向きは性格の問題で仕方ない部分がありますし、塾側の体制が充実していないのは塾側の責任です。
このように、お子さんが塾を嫌がるとき、そもそも今の塾で良いのか、その塾が本当に適しているのか、一度考えてみる必要があります。
通っている塾が子どもの性格に合わない?!集団塾に向いてる子・個別指導塾に向いている子の特徴
塾といっても、集団塾から個別指導塾まで様々な形態があります。
そして、集団塾が向いている子どももいれば、個別指導塾のほうが適している子どももいます。
このあたりは性格の話となり、お子さんに何か問題があるわけではありません。
ただ、性格的に合わない塾に通わせるのも好ましくありません。
向き・不向きが理由でお子さんが塾を嫌がっているようなら、改めてお子さんの性格と塾の指導形態を比較し、辞めることも検討する必要があるでしょう。
以下、集団塾に向いている子ども、個別指導塾に向いている子どもの特徴についてポイントを整理しておきます。
もちろん個人差はありますが、お子さんが塾を嫌がっているとき、性格的に向いているかどうか検討する際の参考にしてみてください。
集団塾に向いている子ども
集団塾では、良い意味で競争意識を持って勉強することが可能です。
個別のカリキュラムで進むのではなく、集団の中で複数の生徒と一緒に勉強を進め、切磋琢磨しながら学力を磨いていきます。
もちろん、極端に競争意識を持ちすぎるのは好ましくありませんが、周りから良い刺激を受ければモチベーションも維持しやすいので、適度な競争意識はやはり大切でしょう。
このように、ある程度周りと競争しながら勉強したいという性格のお子さんは、集団塾のほうが適していると言えます。
個別のカリキュラムで進める個別指導塾だと退屈してしまう可能性があるので、程良い刺激を受けながら勉強したい場合、集団塾を検討してみると良いでしょう。
一方、競争意識を持つのが苦手な子どももいます。
こうした性格の子どもの場合、無理に集団塾に通わせるのは好ましくないでしょう。
周りの状況を問わず、自分のペースを大切にして勉強したい場合、やはり個別指導塾のほうが適しています。
個別指導塾に向いている子ども
個別指導塾では、生徒一人ひとりの学力や性格などを踏まえ、個別のカリキュラムで勉強を進めていきます。
個人の苦手分野・単元を集中的に対策したり、学校の傾向に合わせた試験対策を行ったり、それぞれの状況に応じて個別のカリキュラムが用意されます。
一人ひとりの学習状況に応じて対策を進めていけるので、自分のペースを大切にしたいお子さんは特に個別指導塾に向いています。
一方、個別指導塾は基本的に周りの生徒と一緒に勉強することはなく、生徒同士でライバル意識のようなものを抱くことは少ないです。
そのため、適度な競争意識の中で勉強したいと考えるお子さんにとっては、個別指導塾は退屈に感じるかもしれません。
そういった競争意識は苦手、自分のペースを大事にしたい、といった考えのお子さんなら、個別指導塾は非常に適していると言えます。
塾側に何か原因がある場合
残念ながら、塾によっては教育・指導体制がしっかりしていない場合もあります。
授業進度やカリキュラムに無理がある、宿題があまりに多すぎる、逆に宿題などが少なすぎて放任気味である、など、塾側に改善点が多いケースも少なくありません。
塾がお子さんの性格に合っていそうなのに、お子さんが塾を嫌がる場合、一度塾の指導体制や雰囲気などを確認したほうが良いでしょう。
そこで塾側の姿勢に何か問題があったり、親として何か疑問があるようであれば、無理にその塾に通わせるのは好ましくありません。
もちろん状況によりけりですが、一度塾側と話し合い、場合によっては辞めることも検討すべきでしょう。
一方、塾側の姿勢に特に問題がなさそうであれば、一度お子さんと話し合い、なぜ嫌がっているのか、その原因を考えていく形になるかと思います。
いずれにせよ、塾側の姿勢はどうなのか、雰囲気はどうなっているのか、一度きちんと確認して損はありません。
他の要因で子どもが塾に行きたくない場合
ここまで、塾が子どもの性格に合わないケース、塾側に何か問題があるケースについてお話ししました。
一方、塾が子どもの性格に合っていて、かつ、塾側に特に問題がなさそうな場合でも、子どもが通塾を嫌がる場合もあります。
デリケートな問題でもあり、各ご家庭やお子さんによって状況は様々ですが、いくつかその要因についてポイントを整理しておきます。
勉強そのものが嫌いになってしまった
勉強自体が嫌いになると、やはり塾へ行くのも嫌がってしまうでしょう。
勉強が嫌いでも塾は好き、といったケースも一部ありますが、勉強に抵抗があればあるほど塾にも抵抗は持ちやすいものです。
この場合、まずは勉強嫌いになってしまった原因から考えなくてはなりません。
例えば、「勉強に興味がなくなった」「親から何度も勉強しろと言われた」といった要因で勉強嫌いになることは多いです。
まずは一度お子さんと話し合い、勉強嫌いになった要因を探ることが大切になります。
以下、「勉強に興味がなくなった」「親から何度も勉強しろと言われた」の2例の場合で対処法を整理しておきます。
勉強に興味がなくなった場合
成績が思うように上がらない、モチベーションが下がった、勉強の目的がわからない、など、様々なケースが考えられます。
もともと勉強意欲が高くても、上記のような要因で勉強に興味をなくすことがあります。
このような場合、まずは勉強や通塾の目的意識を再確認し、なぜ勉強をしているのか、なぜ塾に通っているのか、親子で一度話し合ってみてください。
特に中学受験の場合、スランプなどで勉強に興味をなくし、勉強が嫌いになって塾も嫌がる、といったケースもあります。
この場合、まずはスランプの原因を突き止める必要がありますが、それに加え、志望校の魅力を再確認してモチベーションを戻すなど、受験の目的意識もしっかり共有することが大事です。
親から何度も勉強しろと言われる場合
親が何度も「勉強しなさい」「勉強して」と言えば、かえって子どもの勉強嫌いを加速させてしまいます。
それが原因で塾に通うのも嫌になってしまった、というケースもあるのです。
この場合、「勉強しなさい」「勉強して」が口癖になっていないか、一度再確認してみてください。
もちろん、親としてある程度「勉強して」と声かけをするのも大事ですが、何事にも限度はあります。
子どもは、自分でよくわからないまま「勉強しなさい」と言われても、素直に勉強する気にはなりません。
何度も何度も「勉強しなさい」と言われ続けば、子どもにとってストレスになってしまうでしょう。
親が子どもに「勉強してほしい」と思うことはもちろん大切ですが、無理に勉強を強制させることなく、口調や言い方にも注意してみてください。
「なぜ勉強するのか?」という目的意識を定期的に確認し、モチベーションを維持するなど、強制ではないやり方で接することが大事です。
特に「勉強しなさい」と言われ続けた子どもは、強制されることに敏感になっています。
デリケートな状態でもあるので、「強制しない」という意識のもと、接し方を工夫してみてください。
元から勉強そのものが好きじゃなかった
特に小学校低学年のうちは、「最初から勉強は好きじゃなかったけど、嫌々ながら塾に通っていた」というケースも残念ながら見られます。
このような場合、まずは勉強自体に興味を持ってもらうことから始めましょう。
場合によっては塾を一度辞めることも考え、いったん今の勉強から距離を置き、どうやって接すれば勉強に興味を持ってもらえるか、検討することが大事です。
例えば、身近な自然現象から理科に興味を持たせる、読書から国語に興味を持たせるなど、まず日常的なものと勉強をつなげ、「勉強は実は身近な存在なんだ」と思ってもらうなど、いろいろな方法があります。
特に小学校低学年のうちは、いきなり勉強だけをさせるより、日常的な事柄から興味を持ってもらったほうが効果的です。
特に昨今、低学年のうちから通塾させるケースも多いですが、ある程度勉強に抵抗がない状態を作ってから塾に通わせたほうが良いでしょう。
まずは子どもの勉強嫌いをある程度改善してから、もう一度通塾させてみるなど、いろいろな方法を検討してみてください。
通塾をする時は親子でしっかり目的意識を共有しておきましょう
今回は、子どもが塾を嫌がるときの対処法についてご紹介しました。
まず、塾といってもその指導形態は様々で、集団塾もあれば個別指導塾もあります。
そして、それぞれに向き・不向きがあり、集団塾に向いている子どももいれば、個別指導塾のほうが向いている子どももいます。
このあたりは性格的な問題ですので、お子さんが塾を嫌がっているとき、そもそもその塾が子どもの性格に合っているのか、一度検討することが大事です。
一方、塾側の指導・教育体制が原因で子どもが塾を嫌いになってしまうこともあります。
この場合、一度塾側と相談し、塾の雰囲気などもチェックするなどして、その塾を続けるのかどうか考え直す必要があるでしょう。
さらに、子どもが勉強嫌いになってしまった、あるいは元から勉強は好きじゃなかった、などの子ども側の事情で、塾を嫌いになってしまうケースもあります。
勉強嫌いになってしまった場合は、その原因をしっかり突き止め、子どものメンタル状態や親のアプローチ方法なども再確認し、改善点があればしっかり改善することが大事です。
また、元から勉強が嫌いだった場合は、まずは勉強に興味関心をもってもらえるよう、工夫する必要があります。
こうした点を参考に、塾をうまく活用しつつ、親子でしっかり目的意識を共有し、勉強を実りあるものにしてみてください。