サピックスでは、どの教科でも4年生から学校での学習内容とは少し離れ、中学受験に向けたカリキュラムがスタートします。
学校の授業と異なってしまいますと不安になりますよね。
お子さんがちゃんとついていけるのか。成績が悪くても面倒を見てもらえるのか。その心配はありません!
サピックスは確かに超難関校への実績が豊富ですが、成績が奮わないお子さんにも面倒見のいい塾です。
けれど、理科は得手不得手が大きく分かれやすい科目。
単元ごとに勉強の仕方も異なり、お子さんのやる気も違ってくるでしょう。
滑車やてこの原理は大好きなのに、花ごとの花びらの枚数をいつまでも覚えられないお子さんもいます。
では、どのように4年生の理科の勉強を進めていけばよいのか。ここでは、サピックスに通塾し、中学受験をした経験から、家庭学習の進め方のポイントをご紹介します。
サピックスに通われているご家庭も別の中学受験塾に通塾されているご家庭も、理科を苦手にしないポイントをお伝えしていきますので、参考にしてみてください。
目次
4年生理科で学ぶ内容と成績につなげるために意識しておくべきこと
まずは、4年生でそもそもどういう内容を学ぶのか、確認しておきましょう。
4年生理科では、高校理科と同じように、大きく物理・化学・地学・生物の分野に分けることができます。
もう少し具体的に言うと、下記の内容です。
- 物理:熱の伝わり方、電気回路、電磁石、てこの原理、ばねの性質など
- 化学:水溶液、水の三態、酸素や二酸化炭素の性質、実験器具の使い方、気体の発生など
- 地学:地震やプレート、地層、化石、川の観察、星座、太陽の動き、台風、天気、季節ごとの雲の動きなど
- 生物:食物連鎖、花のつくり、受粉、植物の育ち方、植物の分類、メダカの生態、昆虫、光合成など
理科の入試範囲は、4年生と5年生の学習でひととおり終わります。
そのため、4年生の理科では基礎の基礎を学ぶと考えましょう。
もちろん、城を築くために石垣が必要なように、基礎的な学びがないと高みまでは登れません。
しかし4年生の段階では、論理的な思考が問われる問題も多くなく、目で見てわかる単元が多いです。
そのため、身近なものと理科を結びつけ、「そういうことだったんだ!」という気付きを学ぶことが大切になってきます。
計算問題は太陽の南中高度くらいで、ほぼありません。
そのため、4年生では、授業の内容をしっかり復習し、「科学的な目」や「理科の楽しさ」を学ぶことを意識しましょう。
筆者自身、理系大学院卒の経験から、理科は学ぶ内容が幅広いからこそ、力を伸ばすには「興味を持つこと」がとても大切です。
それが自然と点数に繋がっていきます。
ご家庭でも、お子さんが興味を持てるように、テキストを読んで一緒に感心したり、身近な理科について解説したり、問題に出てくる状況を実践してみるのもおすすめです。
例えば、水の三態を習ったら、やかんでお湯を沸かして水の様子や湯気を観察したり、「水に氷を入れるとなぜ浮くのか」を一緒に考えてみたりしても面白いです。
BPB溶液やフェノールフタレイン溶液などの動画を一緒に観てみるのもいいですね。
小4理科!デイリーサピックスの進め方と家庭学習のポイント
次に、4年生理科で使うテキストについて説明していきます。
使用するテキストは「デイリーサピックス」という1種類だけです。
この中に、下記の問題が入っています。
- 確認問題
- 発展問題
- ポイントチェック
- デイリーステップ
- デイリーチェック
では、この問題の中でどれが優先順位が高いのか見ていきましょう。家庭学習の優先順位は下記のとおりです。
デイリーチェックの復習 ≧ ポイントチェック ≧ デイリーステップ ≧ 確認問題(1~4まで) > 発展問題
サピックスでは、家庭学習でテキストのすべてを実施する必要はありません。
全部やろうとすると、睡眠時間も取れず、問題も解けなくて自信もつかなくなり、逆効果になってしまいます。
そのため、優先順位をつけて学習を長く続けるように意識しましょう。
「デイリーチェック」は、授業中に行われる、前回の学習内容を確認するためのテストです。
重点が出題されますので、間違った問題は、授業ノートや解説を見て、しっかり復習しておきましょう。
次に優先順位の高い「ポイントチェック」は、調べ学習ですので、授業内容の復習ができます。「デイリーステップ」も簡単な単語問題が多いです。
ここまではあまり時間がかからないので、できれば授業が行われた当日か、翌日には取り組んでおきましょう。
これらを終えたら、理解度の確認として「確認問題」にチャレンジしましょう。
確認問題は8問目くらいまでありますが、必須なのは1~4問目くらいまでです。
まずはここまで実施し、余裕があれば確認問題の5問目以降や発展問題にトライするのがオススメです。
表紙裏の「季節の図鑑」を見落としていませんか?
テキストの表紙裏に載っているのが「季節の図鑑」です。
春夏秋冬に見られる動物や虫、植物、花、さらにそれらの特徴についてまとめられたフルカラーのページです。
この部分は、それなりの頻度でテストに出ます。
しかし、雑誌のコラム連載のように、テキストの単元とは関係なく掲載されているので、テスト前の勉強で見落としがちになりますのでしっかり見ておきましょう。
「季節の図鑑」のポイントは、「学ぶ内容を身近なものだと思わせること」。
見たことも聞いたこともない花が「秋の花です!」なんて言われても、ピンと来ません。
ぜひ動画や写真を見せてあげましょう。
春には花畑を見に行ってもいいですし、道すがら見かけた金木犀や椿、あじさい、コスモスを示してあげるだけでもお子さんの経験値が増えていきます。
物理科目を得意にしておくためのコツ
電気回路、電磁石、てこ、ばね、滑車、光、熱、音。
理科が苦手だった親御さんは、これらの単語を聞くだけで眉をひそめたくなるかも知れません。
そう、物理科目は苦手な人が多いのです。それは今の小学生でも同じです。
だからこそ、物理を得意科目にすることは、受験において大きなメリットになります。
物理科目のポイントはひとつだけ。
基礎を覚えたら、あとは問題をひたすら解くこと。
小学4年生のうちはまだ計算問題が多くありませんが、今後いろんなパターンの計算問題が増えていきます。
それに備え、4年生のうちに物理を身近な科学と結びつけてお子さんの興味の定着を図りましょう。
たとえば電池セットやばね実験セットなどは市販されていますので、自宅で「理科実験」をしてみるのもオススメです。親子でいろいろと試してみてください。
まとめ
4年生の理科では、お子さんでも想像しやすい身近な内容を学びます。
基礎をしっかり学んでおく必要はもちろんありますが、もっと大切なことがあります。
それは、科学的な目を養い、日常に潜む不思議を解決する面白さを学ぶことです。
焦り過ぎず、科学を楽しめる目を培うようにしましょう。