子どもたちの個性がひとりひとり異なるように、子どもたちの得意分野もさまざまです。
サッカーが得意な子もいれば、ゲームが得意な子、絵が上手な子もいます。
これは勉強についても同様です。
授業を受ければ教科書の内容は問題なく理解できる子もいれば、新しいことを理解するのに人よりちょっと時間がかかってしまう子や、なかなか九九が覚えられない子もいます。
しかし、勉強はスポーツなどの習い事とちがって、不得意だからといって避けて通ることはできません。
子どもたちが充実した学校生活を送るために、勉強と上手につきあっていくスキルを身につけることはとても重要です。
今回は、地頭がいい悪いに関係なく、わが子を勉強と上手につきあえる、勉強を苦手な子にしない方法を、ご紹介していきます。
目次
勉強に必要な基礎学力とは何か?
小学校や中学校で学習するのは、「努力はしたけれど、できるようにならなかった」が原則通用しません。
覚えられるまで何度でも反復学習をして、必ず使いこなせるようにしなければならない基礎的な知識や技能です。
基礎学力とは完全に理解しなければならいもの
たとえば、九九はすべて、正しく言えるようになるまで練習しますね。
たくさん練習したんだから、9割できるようになったらよしとしよう、なんてことにはなりません。
基礎的な学習とは、本来すべて九九のように完全に理解しなくてはならないものなのです。
「うちの子は苦手だから」で片付けない
お子さんに苦手な学習があるからといって、
「うちの子、漢字は苦手だから」
「計算は好きじゃないみたい」
「歴史には全然興味を示さないのよね」
などの一言で片付けてしまわないようにしましょう。
勉強を苦手にしないために子どもに合う勉強の仕方を探す
暗記が苦手なお子さんは、なかなか覚えられないという理由だけで、自分は勉強に向かない、バカなんだと思い込んでしまったりすることがあります。
これはとてももったいないことです。
お子さんが漢字や、科学の用語、人物の名前などをなかなか覚えられずに苦労しているときは、お子さんにあった暗記法をいっしょに探してあげましょう。
今の方法で覚えられないなら、覚えられる方法をみつければいい。
そして、その方法で本当に覚えられたという成功体験をお子さんにひとつでも多く経験させましょう。
暗記に有効とされる勉強方法を以下でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
暗記が苦手な子も出来るようになる!暗記に有効な勉強方法
1.書いて覚える
そんなの当たり前と思われる親御さんも多いと思いますが、最近の子どもたちは、この書く手間を省いて眺めるだけで暗記しようとするツワモノが多いそうです。
眺めるだけで覚えたような気持ちになって、いざテストを受けてみたら全然答えられない、残念なテスト結果をみて、自分は勉強に向かないと早急に判断してしまうのは、残念なことです。
覚えたいことは、まず紙に書いてみる。
面倒くさいと思っても、親御さんからアドバイスされれば、やってみようという気持ちになるかもしれません。
書きながら一緒に心の中で暗唱する、または実際に口に出してみると、もっと暗記がはかどるよ、などとアドバイスをどんどんバージョンアップさせていくのもいいですね。
2.体を動かしながら覚える
筋肉を動かすと脳が活性化されるので、スクワットやウォーキングなどの軽い運動をしながら、覚えたいことを暗唱してみるのもおすすめです。
親子でウォーキングをしながら問題を出す→答えられなかったところは家に戻って一緒に確認する、を毎日の習慣にして、教科書の英文をすべて日本語訳から英文になおせるようになったお子さんもいらっしゃいます。
ぜひ、挑戦してみてください。
覚えられないのは本人の気持ちの問題、などと放置しておくと、中学や高校の暗記が大半を占める学習には全く太刀打ちできなくなってしまいます。
子どもたちが自分にあった暗記法、勉強法を、なるべく早い時期に獲得できるよう、ぜひ一緒に試行錯誤してあげてほしいなと思います。
3.関連づけて覚える
たとえば地理で国名を覚える場合、最初にわかりやすい国の位置と名前を憶えていくのがおすすめです。
そこからその隣は、その隣はと広げていく。
上という漢字を覚えるなら、いっしょに上手、川上、上る、上の空、上役、頭上などと、語彙を広げる学習も同時に行うといいですね。
歴史の暗記なら、
江戸幕府を開いたのは誰?→徳川家康。
のような一問一答形式ではなく、時間軸にそった流れで、ストーリーして歴史をまずおおまかに理解することから始めてから、細かい知識を入れ込んでいきましょう。
流れでとらえる、全体像を掴む、原理を理解する。暗記を容易にするカギはこの辺にあるように思います。
しかし、目の前の課題に汲々としている子どもたちにとっては、どれもなかなか難しいことです。
覚えるための手掛かり、とっかかりをぜひ一緒に探してあげてください。
繰り返し学習の大切さを理解させましょう!
算数の問題は、間違えた問題も正解した問題も、何度も解きましょう。
算数はよく理解できている子でも、演習量が足りないとテストで思わぬ問題を取りこぼしてしまうことがあります。
算数は、演習を繰り返すことで、問題を解くための道筋が、問題を見た瞬間にぱっと思いつくまで繰り返すのが理想です。
算数の問題を前にして固まってしまうお子さんには、作業の手順を覚えることからはじめます。
たとえば分数の約分ができないお子さんには、「分数の約分をするときにはどんな作業をするの?」と訊いて、「分母と分子、両方を割り切れる数を探す」と答えられるようになるまで何度も繰り返します。
分数を約分する問題を見たとき、自分で「分母と分子両方を割り切られる数を探す」と思えるようになるまで繰り返しましょう。
理解がおぼつかない、できるようになるのは難しいかもと思われるお子さんでも、作業の手順を覚えるまで、しつこいくらいに繰り返し学習をすることで、高い計算力・理解力を身につけることができます。
勉強を苦手にしないために
いかがだったでしょうか。
勉強が苦手な子にならないかどうかは、理解するための方法を身につけられているかにかかっています。
お子さんにあった、学習方法、暗記法をぜひ一緒に探してあげてください。
NHK教育で放送されている「テストの花道」という番組は、いろいろな勉強法や暗記法を紹介してくれるので、お子さんと一緒に観て学習方法探しのヒントにするのもおすすめです。
自分の知らなかったことが理解できるようになる、勉強はそんな喜びの連続です。
ぜひ、より楽しい学習方法を見つけてほしいと思います。