アメリカのシンクタンクの調査によると「2011年以降アメリカの小学校へ入学した子どもたちの65%は、大学卒業時、今は存在しない職業に就職するだろう」と予測されています。
この調査結果を受けて、日本でも将来のイノベーションを引き出せる、子どもたち主体の学習環境を整える取り組みがはじまっています。
2020年の次期学習指導要領改訂の目玉としてアクティブラーニングを取り入れ、すでに主体的・協働的な学習手法が教育現場へ積極的に導入されはじめているのも、この流れの一環だといえます。
そんななか、アクティブラーニングを実践できる教材として、LEGO WeDo 2.0、レゴブロックを使ってプログラミングが学べる教育用ソフトが注目を集めています。
レゴエデュケーションは、2019年度までに国内2000の教育機関で3万台の導入を目指しているといいます。
すでに筑波大付属小学校など、理科の授業にLEGO WeDo 2.0を使用したプログラミング学習を導入している小学校も出てきています。
ここでは、レゴスクールで学べるプログラミングソフト・LEGO WeDo 2.0を使用したプログラミングとロボティクスについて解説していきます。
目次
レゴスクールって何?LEGO WeDo 2.0はどんなソフトなの?
レゴスクールは、レゴブロックを教材に子どもたちの想像力と想像力を養う、レゴ社公認のスクールです。
レゴブロックを活用したハンズオンの教育メソッドは、世界7ケ国で400スクール以上、日本でも20以上のスクールで実践されています。
LEGO WeDo 2.0は、レゴブロックを使用したモデル制作とプログラミングを習得する過程をとおして、子どもたちが自ら課題の解決策を模索・探究、創造していくことを目的に制作されました。
マサチューセッツ州工科大学の協力のもと、世界各国で100人以上の教育関係者の聞き取り調査を実施、試作品テストを何度も繰り返えして開発されたのが、この教育用ソフト、LEGO WeDo 2.0です。
レゴスクールで学べること
結びつける力が身につく
子どもたちが「学び」の経験を「知識」として定着させていくためには、すでに持っている知識と新しい体験を関連づけることが有効です。
レゴスクールでは、レッスンのテーマと、子どもたちの持っている知識を結びつけるため、写真やお話、歌などを取り入れながら、レッスンのテーマに対する子どもたちの自由な発想を引き出してくれます。
問題解決までのプロセスを「組み立てる力」が身につく
レッスンのテーマに沿ってブロックを組み立てる段階では、頭の中で考えを組み立てて知識をつなぎ合わせる作業をしていきます。
「計画を立て」「解決策を組み立てて」試行錯誤の中から完成のイメージを形づくっていきます。
結果について深く考えられるようになる
レゴスクールでは、どんな意図でそのブロックを組み立てたのか、どんな風に動くのかを子どもたち自身に説明させることで、アウトプットの訓練を行ないます。
組み立てたものをじっくり見て考えて、新しく経験したことへの理解を深める。そして、結果を客観的に振り返って、お友だちに説明したりお互いのアイデアを交換したりしながら改善点を見つけることで、さらに理解を深めていくことができます。
笑わず、けなさず、真剣に聞いてくれるお友だちの前で自分の考えを説明する機会を持てることは、子どもにとって貴重な経験になるはずです。
知りたいという探究心を次の挑戦に結びつける力が身につく
学年が上がると、LEGO WeDo 2.0でブロックに動力を加えたロボットの動きをプログラミング制御する方法を学びます。
もっと知りたいという子どもたちの自然な衝動を、連続性のあるキャリキュラムがつぎのステップに結びつけてくれます。
難しくなっていく問題をどんどん克服することで、知りたいという欲求をどんな風に次の学びに結びつけていけばいいのか理解できるようになっていきます。
レゴスクールのカリキュラム
3歳〜5歳のカリキュラム
自分自身のこと、身の回りの人々、生活などを視野に入れてブロックでいろいろな環境を作っていきます。
じっくり考えながらブロックの制作にあたることで、思いやりの気持ち、生活ルール、共同作業の理解を深めていきます。
6歳〜8歳のカリキュラム
いろいろな実験をとおして、身の回りの物事の仕組みを物理的に理解していきます。
論理的な思考力の習得、独自の発想と科学を応用した課題解決にも挑戦!
お友だちとアイデアを共有したり、自分の意見を発表する、表現活動にも取り組んでいきます。
8歳〜10歳のカリキュラム
LEGO WeDo 2.0を使用して、レゴブロックを使ったロボティクスに挑戦します。
自分で計画を立てて問題解決にあたるプロジェクト学習、計画構築、プレゼンテーションにも取り組んでいきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
子どもたちにはぜひ、何事も感覚的に理解できる時期に、私たちの暮らしを支える新しいテクノロジーと触れあう機会を持ってほしいなと思います。