受験勉強を頑張る子どものために何かしたい…受験生を持つ親ならだれもが思うことです。
特に中学受験ではまだまだ親のかかわりが重要なときです。
手を出し口を出し、毎日ハラハラしながら見守っていることかと思います。
でもその見守りが行き過ぎてしまっていませんか?
前向きに子どもと受験を乗り切れるよう、親が陥りがちな「子どものやる気をそぐ行動」から今すぐに抜けだしましょう。
目次
NG行動1.中学受験を物で釣る
「テストで満点を取ったら〇〇を買ってあげる」というのは、低学年の子どもにやってしまいがちな行動です。
実際にそれが動機となって満点を取ろうと奮起することも多いので、つい言ってしまいそうになります。
1-1.だんだん通用しなくなる
始めのうちはお菓子やちょっとしたおもちゃで釣ることができます。
しかし回数を重ねるうちにそれでは奮起できなくなってしまいます。
200円程度で済んでいたものが500円のケーキになり1000円のおもちゃになり、最終的には現金を渡すことになってしまうかもしれません。
それをテストのたびに用意できるでしょうか。用意することが子どものためになるでしょうか。
幼いころから物で釣られた子は、急に物を無くされると「損をした」と感じてしまいます。
一度渡したら途中でやめることは難しいということです。
勉強と物は切り離して考え、テストでいい点を取ったときは物を渡すのではなく、思い切り褒めてあげることでやる気につなげましょう。
1-2.受験をするという目的意識がなくなる
受験勉強の最終目的は志望校合格です。
テストのたびに物という小さな目標を与えられると、受験ということを意識できなくなってしまいます。
そうでなくとも小学生にとって受験は未知の世界です。
勉強してテストで自分の学力を試し志望校に合格する。
その流れをイメージさせるためにも、テストの点数は物につなげるのではなく、分析して今後の勉強に活かしましょう。
NG行動2.親同士で中学受験に対する意見が違う
中学受験ともなると両親はもちろん、場合によっては祖父母でさえも口を出したくなることもあります。
高学歴や中学受験経験者ならなおさらです。
それが同じ意見なら良いのですが、別々のことを言われれば、子どもは混乱してしまいます。
2-1.どっちつかずでは悪循環
例えば父親は算数を、母親は国語を重視していた場合、お子さんは両方全力で取り組まなくてはと考えます。
それではどちらも点数につながらず誰も納得できないということになってしまいます。
そうなると親の間でどちらが重要かの言い合いとなり、子どもはどちらかに決めることなどできず、また思うような結果が出ない…と悪循環を呼びます。
この悪循環を避けるためには、親のどちらかがサポートに回ることです。
基本方針を決めるのは塾や本人と話す時間を取れるほうに任せて、サポート係は行き詰ったときにアドバイスをする程度にすると、お子さんの逃げ道にもなって良いですね。
2-2.子どものストレス
自分の勉強が原因で親に溝ができてしまっては、当然子どもとしてはいい気分にはなりません。
お子さんに余計なストレスを与えないよう、親の話し合いは穏やかに、意見は一本にまとめましょう。
NG行動3.親の目標が高すぎる
志望校選びはとても重要です。
自分で設定したのならどんなに高い目標もやる気につながりますが、親の目標が高すぎると子どもにはプレッシャーにしかなりません。
3-1.親と比べる
親の学歴が高い場合にありがちなのが、親と同じ学校へ行かせたいという期待です。
自分の子どもだからできるはずと思い込み、学力に合わない学校を目標とされてしまうと、お子さんは早々に諦めてしまうこともあります。
3-2.昔と比べる
3年生の時はトップレベルの子供が6年生になったら塾で一番低いクラスになった、というのは珍しい話ではありません。
受験が近づくにつれて学力に自信のない子どもは受験を諦めるため、順位で考えれば下がるのは当然なのです。
昔はよくできていた、という過去に引きずられては子どもの学力を見誤ってしまいます。
良い教育を受けさせたいというのが親心ですが、その一心で設定した高すぎる目標は「今」の教育を台無しにしてしまいます。
今している勉強も将来につながるものなので、未来だけでなく今も見てあげましょう。
NG行動4.子ども以上にテストに過敏な反応をする
テストの大小を問わず、特に順位の出るテストは結果が気になるものです。
その結果を見たときどう反応するか、親の心構えは非常に重要です。
4-1.親が過敏だと子どもは人ごとになる
テストで思うような結果が出なかったとき、自分よりも親が落ち込んでいたら、子どもは落ち込むことも奮起することもできません。
親の顔色をうかがい、自分の受験勉強が人ごとになってしまいます。
子どもがテストの結果を冷めた目で見るようになってはいけません。
親の気持ちはぐっと我慢して、子どもに感情を出させてあげてください。
4-2.合格発表で泣く
特に受験の集大成である合格発表で泣くのだけは絶対に避けましょう。
もちろん嬉し泣きなら良いのですが、不合格を前に涙を流して良いのは受験生本人だけです。
親はその悔しさを受け止め、最後まで受験を支えてあげてください。
NG行動5.親が先生になる
問題を解くのも知識を覚えるのも解き方を身につけるのも受験生本人です。
教えてあげたい気持ちは分かりますが、その気持ちが前のめりになってしまうことには気をつけたいものです。
5-1.問題のポイントをノートにまとめる
採点をしてあげることは役に立ちますが、間違えた問題をまとめたり解説を読み込むのは子どもがやらなくては意味がありません。
弱点を把握し理解を深めることこそが、問題を解く意義なのです。
5-2.勝手に新しいことを教える
算数の勉強にありがちなのですが、塾や家庭教師に勉強を教わっている場合は特に、勝手に新しい解法を教えるのはやめましょう。
塾にはカリキュラムがあり、中学受験で必要なことを順序立てて教えてくれます。
家庭教師は子どもの能力や学校・塾との兼ね合いを考えて教え方を変えてくれます。
そこに親が割り込んでしまってはお子さんは混乱してしまいます。
小学生の学習内容も変化しています。親の世代では正しかったことが子どもの世代では通用しない、なんてことも珍しくないものです。
新しいことは塾や家庭教師の先生に任せて、本人が意欲的に勉強できる環境づくりに専念しましょう。
中学受験の主役は子どもということをお忘れなく!
受験の苦しさも喜びも、受け止めるべきは本人です。
勉強に関しては塾などの専門家に任せましょう。
親に求められているのは任せられる塾を選ぶこと、そしてなによりどっしり構えて子どもを受け止めてあげることです。
頼まれたときに全力で助けてあげればよいのです。
それまでは厳しく、そして優しく見守ってあげてくださいね。