<食育インストラクターが徹底解説>小学生のダイエット!食事で気をつけたいことと家庭で出来るサポート

ダイエットで気をつけるべきこと小学校中・高学年にもなると思春期に突入し、自分の容姿も気になる年頃となっていきます。

かっこよくみられたい、かわいくみられたいという願望から、ファッションや化粧などに興味を持ち始める時期でもあります。

最近は非常に大人びた格好の小学生たちを見ることも多くなりました。

そしてその延長上で「ダイエット」をしようとする子どももいます。

自分の容姿に磨きをかけるため「ダイエット」をするようになった子どもたちですが、子どもに「ダイエット」をさせてもいいものなのでしょうか。

また、ダイエットが必要な場合、親として何ができるか食育インストラクターの筆者と考えていきましょう。

小学生のダイエットをはじめる前に知っておくべきこと

1970年代頃よりライフスタイルや食生活が変化したことで肥満の子どもたちが増加しました。

その後子どもの肥満が問題視されたことで、現在は増加傾向にはありませんが、子どもの1割が肥満であると言われています。

子どもがたくさん食べて大きく成長してくれることは、親としては嬉しいことですが、不健康時では困ってしまいます。

子どもの「肥満度」を目安に確認しましょう

そもそも子どもはふっくら、丸みのある体型であることの方が多いですが、何をもって肥満と判断すればいいのでしょうか。

子どもの肥満を判断する1つの指標として「肥満度」というものがあります。

肥満度の求め方は、「肥満度=(実測体重-標準体重)/標準体重×100(%)」です。

幼児の場合肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ、学童の場合肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満とされています。

この指標をひとつの目安として、子どもの肥満を確認してみてください。

肥満の原因を把握しましょう

子どもの肥満のほとんどは摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ったことによるものです。

食事によるエネルギーの過剰摂取や過剰な間食、食事バランス、運動不足が原因となっていることがほとんどなので、逆に言えば、食事や適度な運動をすることで多くの肥満は防ぐことができます。

肥満は糖尿病や高血圧などの生活習慣病の原因となり、将来的にも心筋梗塞や動脈硬化などのリスクを高めることとなります。

そのような合併症が出なかったとしても、身体に負担がかかっていることに変わりはないので、早い段階で改善しておくことは必要です。

子どもの肥満は早い時期に介入した方が改善しやすく、また将来的にも成人肥満に移行しにくくなります。

本当に「肥満」であれば、小学生のうちから「ダイエット」をし、健康な体をつくることは大切なことだといえます。

ただし、ファッション感覚のダイエットならば、する必要はありません。

小学生のダイエットを食事からサポートする場合のポイント

食事からダイエットをサポートする

肥満につながる栄養素を知っておこう

肥満になる原因となるのが、糖質と脂質という栄養素です。

特に糖質は主食になるご飯やパン、麺類に含まれる他、砂糖に多く含まれています。

糖質は摂取するとエネルギーとして筋肉や肝臓に蓄積されます。この蓄積量を越え、過剰に摂取され分は体脂肪として体に蓄積します。

なので糖質の過剰摂取にならないよう、食事に気を付ける必要があります。

一方脂質については過剰に摂取すると胃もたれを起こし、多くを食べることができないので、さほど気にする必要はありません。

また、脂質も体には必要な栄養素なので、一切排除するのではなく、適度な摂取を心がけましょう。

タンパク質を多く含む食事を心がけよう

育ちざかりの小学生であればご飯もたくさん食べたい時期ですが、上記で述べたように主食の摂りすぎは肥満の原因になりやすいので控える必要があります。

その代わりタンパク質を多く含む食事になるようにします。

タンパク質は肉や魚、卵、大豆製品に多く含まれ、体をつくる材料になります。

タンパク質は子どもの成長に非常に大切な栄養素でもあります。

また、タンパク質は過剰に摂取しても体外に排出されやすいので、体脂肪にはなりにくい栄養素です。

そして糖質や脂質と比べても消化吸収の際にたくさんのカロリーを消費してくれます。

つまり、高タンパク質低糖質な食事が肥満改善に望ましい食事と考えられます。

間食には注意をしよう

食事以外にも気を付けるべきは間食です。

今はコンビニや自動販売機が街中にあふれており、子どもたちがいつでもどこでもお菓子やジュースを買うことができる状態です。

しかし、お菓子やジュースにはたくさんの糖質が含まれているので、肥満の大敵です。

一度味を知ってしまうと、なかなかやめることができず、また食べたくなるのが怖いところです。

これは砂糖と脂質が脳を刺激し、中毒症状のような状態にしてしまうからです。

間食でカロリー過多にならないように見守ることも大切なサポートのひとつです。

夜食を食べる受験生

食事の回数は減らさないようにする

ダイエットの方法の1つとして、食事の回数を減らす方がいますが、これは間違った方法です。

食事と食事の間隔があいてしまうと、脳は栄養素が少ないので栄養素を脂肪として体に蓄積させておこう、と考えます。

つまり余計肥満の体にしてしまうわけです。

ダイエットを考えるならば食事の回数は減らさず、むしろ食事回数を増やすとダイエット効果が高まります。

ただし、回数を増やす場合は1日の摂取可能エネルギーを越えないよう、注意してくださいね。

小学生のダイエットを生活面からサポートする場合のポイント

小学生のダイエットをサポートする

運動環境を作る

子どもは代謝が活発なので、体を動かすだけでカロリーを消費することが可能です。

なので、運動できる機会を設けてあげましょう。

だからといってジョギングを始めたり、ジムに通わせる必要はありません。

外遊びができるようにしてあげましょう。

遊べる環境があれば子どもは自分で考えて遊ぶことができます。

最近は、習い事に通う子も多くいますが、子どもにとって自由な遊びはストレス解消にもなるので、時間を上手く振り分けてあげられるといいですね。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活をし、決まった時間に食事をするようになると、脳はいつ栄養素が取り込まれるかを予想することができるようになり、緊急時用の脂肪の蓄積をしなくなります。

これだけでも、脂肪がつきにくい体質になることができるのです。

ストレスを溜め込まないようにする

小学生なんて気楽で、ストレスなんかないでしょ、と大人は簡単に思ってしまうかもしれませんが、現代の子どもたちは非常にストレスをため込んでいるのです。

学校生活のこと、友だち付き合いのこと、中学受験のこと、習い事のこと、様々な悩みがあるのです。

ストレスを感じると、人の体は様々な影響を受けます。その1つに基礎代謝の低下があります。

基礎代謝が向上すると痩せやすい体になりますので、ストレスをためないように見守ってあげ、適度にリフレッシュさせてあげましょう。

ダイエットの必要性はきちんと親が判断をして、健康的な体づくりを目指しましょう

小学生のうちからダイエットが必要かどうかは、親が判断し、必要な場合は親がサポートしてあげるのが望ましいでしょう。

ファッション感覚のダイエットは必要ありません。小学生の高学年にもなると大人なようでも、まだ視野も狭く、流されやすくもあります。

「ダイエット」という言葉に流され、体を壊してしまってはダイエットの意味がありません。

健康的な体づくりの一環としてダイエットができるようサポートしてあげましょう。