将棋をすると頭が良くなる!今ひそかに人気の『将棋』という習い事

将棋

羽海野チカの「3月のライオン」という漫画をご存知でしょうか?

15歳でプロ棋士になった少年桐山零が、知り合いの川本家の人々やライバルたちと交流するなかで、棋士としても人間としても成長していく物語です。

売上部数は200万部に迫り、TVアニメ化や映画化も決定しています。

また、女性棋士の考案した簡略将棋ゲーム「どうぶつしょうぎ」(王将にあたる駒がライオン、歩がヒヨコと、かわいらしいデザインのボードゲーム)は50万セットを売り上げ、アナログゲームとしては異例の大ヒットを記録しています。

これらがどの程度影響しているかはわかりませんが、いま子どもたちの間で将棋人気が高まっています。

各地で開催される将棋大会への参加者は増加傾向にありますし、将棋道場にも大人に混じって多くの子どもたちが通っています。

将棋を習わせることで得られる5つのメリット

1.礼儀が身につく

将棋は「よろしくおねがいします」というあいさつで始まり、負けた側が「負けました」と頭を下げることで終わります(勝った側も「ありがとうございました」と頭を下げます)。

対戦する相手に礼をつくす、という姿勢が自然に身につきます。

2.将棋は年齢関係なく楽しめる

将棋は年齢に関係なく楽しめるボードゲームなので、将棋が指せるようになるといろいろな世代の方と対局できます。

また、将棋を指しようになってからおじいちゃんとの交流がさかんになった。なんてお話もよく聞きます。

3.論理的な思考力が育つ

将棋は偶然性の要素がないボードゲームなので(逆にばばぬきなどのトランプゲームはほぼ偶然性のみで勝敗が決まりますね)、もし負けたらその原因はすべて自分の指した手に理由があるということになります。

対局後の感想戦(対局後に指した手の良し悪しを対戦者と一緒にはじめから検証します)をとおして、論理的な思考力と論理的に物事を説明する能力が身につきます。

4.暗記力が身につく

将棋の研究には、定跡(最善とされている指し手)を覚える、棋譜を覚える、次の一手などの決まり手を覚えるなどたくさんの暗記が必要になります。

子どもたちは、1手1手の意味を理解することで100手ほどの棋譜(対局の記録)を苦もなく覚えていきます。

将棋の研究をとおして、自分なりの暗記法を身につけることができます。

5.将棋は生涯にわたって楽しめる

将棋は生涯にわたって楽しむことのできる趣味です。

日本将棋連盟の認定する三段以上の段位を取得すれば、将来将棋指導員として将棋の普及に携わることも可能です。シニアの将棋愛好家の方も、将棋指導員として活躍されています。

将棋を覚えることは、日本の伝統文化に対する理解を深めることにもつながります。一般教養として覚えていて損はないでしょう。

教育にも取り入れられている将棋

教育でも将棋を取り入れる将棋は学校教育導入推進事業に指定されており、部活動としてばかりでなく授業に将棋を取り入れたり、全校レベルで将棋大会を開催している学校も少なくありません。

東京大学をはじめ、数々の大学でも講義に将棋が取り入れられています。

余談になりますが、中高一貫の男子校の多くには将棋部があります。

筑波大駒場、開成、麻布など将棋の強豪校に憧れて難関校受験を決心する子たちも少なくないようです。

本人が将棋好きだったおかげで、中学受験の動機づけがうまくいきましたと話すお母さんにも何度かお会いしたことがあります。

あくまで結果論ですが、ご参考までに。

将棋を習うには

将棋は周りに上手な方がいらっしゃれば、わざわざ習わなくとも強くなれますが、初心者同士でいくら指していてもなかなか上手にはなりませんし、独学で強くなるというのも大変です。

そんな時は将棋道場か将棋教室に通ってみるとよいでしょう。

将棋教室

日本将棋連盟のHPで将棋の指導員の先生方の開催されている教室を検索することができます。

将棋教室では、先生の対局指導を受けるなかで、将棋の技術・考え方を学ぶことができます。

将棋道場

将棋教室とはちがい、先生の指導対局を受けることはできません。

道場ではいろんな強さの相手と対局し、連勝記録を伸ばすことで級、段位をのぼっていくことをめざします。

子どもたちはとにかく数多く対局することで自然に強くなっていく場合が多いようです。あの羽生名人も「八王子将棋倶楽部」という道場出身です。

ご自宅の近くにどちらもないという場合はネット将棋という選択肢も

自宅にいながら対局できるネット将棋もおすすめです。

竜王戦のタイトルホルダーだった糸谷八段のように、道場には通わずネット将棋で強くなったという若手棋士もいます。

子供たちの習い事

どんな子にも将棋の効果は期待できるの?

将棋は、英会話などとちがって「だれでもいずれは必要になるスキル」というわけではありません。

あくまでボードゲームのひとつにすぎないので、まずは本人のやってみたい、強くなりたいという意思が不可欠です。

興味が持てないのに、勝ち負けがはっきりするゲームを強要されるのは苦痛でしかありませんよね。

お子さんに将棋をさせてみたい場合は、まずは一緒に「どうぶつしょうぎ」をやってみたり、おじいちゃんやお父さんに将棋のお相手をしてもらうなどして、将棋に興味をもてそうか様子をみるところからはじめるとよいでしょう。

ひとりひとり将棋の楽しみ方があります

将棋は1年もたたないうちに4段まで昇段する子、何年続けてもなかなか段位者になれない子、強くなるスピードひとつをとっても様々です。

しかし、道場では強い子も弱い子もみんな楽しそうに将棋を指しています。

勝敗がはっきりするゲームなので、連敗が続いたりすると親はつい発破をかけたくなってしまうものですが、どんなときも子どもの頑張る姿勢を認め、広い心で応援してあげたいものですね。