中には、硬いものより柔らかいものの方が食べやすく、おいしいと感じる方も多いかもしれません。
ですが、硬いものを食べることは大人はもちろん、子どもにとっても嬉しい効果がたくさんあります。
今回は、子どもにとって硬いものを食べることのメリットや、硬いものを食べるポイント、よく噛むポイントなどをご紹介したいと思います。
「硬いものを食べる」=「よく噛む」ということ
硬いものを食べると、自然とよく噛むようになりますよね。
この「噛む」という行為にたくさんのメリットがあると言われているのです。
では、どんなメリットがあるのかみていきましょう。
目次
よく噛むためには、どんなものを食べたら良い?
それでは、噛む回数が多くなる食べ物をご紹介していきます。
よく噛むことは大切ですが、子どもの年齢などを考慮することも重要です。
- 果物:りんご、なし、柿
- 野菜:ごぼう、れんこん、アスパラガス、ほうれん草などの繊維が豊富な野菜、切り干し大根
- 海藻類:こんにゃく、わかめ、こんぶ
- 魚介類:小魚、桜えび、するめ
- その他:アーモンドやくるみなどのナッツ類、高野豆腐
1歳の頃は離乳食の完了前でもあり、「食べ物に慣れる」「食べることに慣れる」といった時期でもあるため、飲み込みやすい、食べやすい工夫が大切です。
2〜3歳頃ではりんごやなしなど、噛みごたえがあるような食材から取り入れていき、よく噛む習慣を少しずつ身につけていきましょう。
4歳頃ではごぼうや繊維が豊富な野菜やこんにゃくなどの弾力のある食材も取り入れていくと良いでしょう。
フランスパンなども良いですね。
また、食パンをトーストしてよく噛むようにするのもおすすめです。
最近では、噛む訓練用のガムやグミなどもお店に売られているので、そのようなものを取り入れるのも良いでしょう。
よく噛むと、どんな良いことがあるの?噛むことで得られる7つのメリット

1.顎が発達する
よく噛むことによって顎の筋肉が鍛えられ、顎の発達に繋がるといわれています。
一見関係がないように思いますが、顎の発達は姿勢などにも影響するといわれており、顎の筋肉が弱かったり、歪んでいると姿勢が悪くなる場合もあるといわれています。
また、顎の筋肉をよく動かすことで顎の骨が強くなります。
顎の骨を強くすることは、永久歯に生え替った際、歯並びをきれいにすることにも繋がるといわれています。
2.虫歯の予防になる
私達の口の中では常に唾液が分泌されていますよね。
唾液が分泌されることによって口の中の食べ物のカスなどが流され、虫歯の予防に繋がります。
唾液はよく噛むことによって分泌される量も増えるため、よく噛むことは虫歯の予防に繋がるのです。
3.消化を助ける
よく噛むことで食べ物が小さくすりつぶされ、胃や腸などの消化器官への負担が減ります。
また、唾液には消化を助ける働きもあるため、よく噛むことで唾液をより多く分泌させ、消化を助けることに繋がります。
4.食べ過ぎを防ぐ
よく噛むことによって脳の満腹中枢が働き、食べ過ぎを防ぐといわれています。
また、ゆっくりと時間をかけて食事をすることも食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
噛む回数が増えると自然と食事の時間もゆっくりになり、食べ過ぎを防ぎやすくなるのです。
5.よりおいしさを感じられる
あまり噛まずに早く食べると食事を味わうことがなかなか難しいですが、よく噛むことで食事を味わいながら食べることができます。
ゆっくりよく噛んで食べることで、お米本来の甘さや、小麦の風味、お肉のジューシーさなど、食材のもつおいしさを感じることができます。
素材の味やおいしさを知ることができることは、子どもにとって大切な経験になります。
6.脳が活性化する
噛む回数が増えると脳がたくさん刺激され、血液の流れが活発になることから、脳が活性化するといわれています。
脳が活性化されることにより、集中力アップや記憶力の向上などに繋がります。
勉強だけでなく、スポーツや遊びにも活発な成長期。
何事にも集中できる力が身につくのは嬉しいですよね。
7.情緒の安定に繋がる
噛むことにより、気持ちを落ち着かせる物質が脳内に分泌されるといわれています。
スポーツ選手が試合などでガムを噛んでいる様子を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
これは、ガムを噛むことにより緊張などのストレスをやわらげる効果があるためです。
子どもは成長、発達していく中で情緒が不安定になることもあります。
よく噛む習慣を身に付けることで、情緒の安定に少しでも繋がると良いですね。
噛む習慣を身につけよう!すぐに実践できる3つのポイント
30回噛む
「一口30回噛もう」というような文言を見たり聞いたりしたことがある方も多いかもしれません。
30回噛むことで上で述べさせて頂いたようなよく噛むことの効果を得られやすくなります。
しかし30回を意識して噛んでみると、思っていたより咀嚼時間が長く感じ、気持ち悪くなったりする方もいらっしゃるかもしれません。
食事がおいしくなくなったり、食べることが億劫になってしまっては良くないので、30回という回数はあくまでも目安とし、無理のない回数から始めてみましょう。
両方の歯で噛む
両方の歯を使ってバランス良く噛むことによって、食べ物を効率良くすりつぶすことができます。
また、両方の歯で噛むことによって舌やほっぺたを噛むのを防ぎやすくするともいわれています。
左右どちらかの歯で噛んでしまうなど噛み癖があるお子様もいらっしゃるかもしれませんが、「両方の歯で噛もうね」「次はこっちの歯で噛んでみようか」など声かけをしながら、両方の歯で噛む習慣を身につけていけると良いでしょう。
ゲーム感覚で楽しみながら噛む
数を数えながらただ噛むのはつまらないかもしれません。
手を叩きながらや、リズムに合わせながら噛むなど、子どもが楽しみながら噛む習慣を身につけられるようにゲーム感覚で行うと良いでしょう。
食材の切り方や調理方法を工夫して噛むことを意識しよう!
同じ食材でも切り方や調理方法によってよく噛むように工夫することができます。
少し厚めに切ったり、乱切りなどにするだけでも自然と噛む回数が増えますよ。
また、加熱時間を少し短めにし食感を残すようにしたり、生野菜を食べるようにすることもよく噛むことに繋がります。
さらに、煮しめなど、柔らかい食材だけでなく固い食材と組み合わせた料理を取り入れることも噛む回数を増やしやすくなるのでおすすめです。
よく噛むことは大切ですが、歯の生え具合いや飲み込む力、咀嚼力などそれぞれ個人差があるので、決して無理をせず子どもに合わせて進めていきましょう。
まとめ
今回は、なぜ硬いものを食べた方が良いのかということを、子どもに焦点をあててお話させて頂きました。
硬いものを食べる、よく噛むことは子どもにとって大切なことですが、上でも述べさせて頂いたように、歯の生え具合や咀嚼力などには個人差があります。
無理をするとのどに詰まらせてしまったり、誤嚥してしまうなどの危険もあります。
また、食べることが嫌になってしまう可能性もあります。
月齢や食材などはあくめでも目安にして頂き、子どもに合わせて進めるようにしましょう。
親子で一緒に食事の時間を楽しみながら、よく噛む習慣を身についていけるといいですね。