子どもが噛みつきをしてしまう5つの理由!トラブルが起きてしまった時の対処法

噛みつきトラブルの対処法沢山の子どもたちが過ごしている保育園。

そこでは日々、子どもたちが、人との関わり方を学んだり、人との関わりを通して“自分”を知ったりして、成長をしています。

その成長の過程で、必要不可欠な「他児とのトラブル」。

親御さんからすると、心配や不安の種にしかなりませんが、子どもにとっては、絶対に必要な経験で、とても大切なことなのです。

子どもが、友だちとぶつかり合う中で、自分とは異なる価値観の存在に気づいたり、思いの伝え方や、気遣い、人との距離の取り方を知っていきます。

そうして、子どもは、人との付き合い方を練習し、失敗を重ねながら、学んでいるのです。

しかし、そうとわかっていても親御さんの心を苦しめるのは、我が子が、お友だちに怪我を負わせるようなトラブルを起こしてしまった時だと思います。

ここでは、保育士経験から、0歳~1歳児クラスに多い「噛みつき」のトラブルに焦点をあて、我が子への対応方法についてお話ししていきます。

なぜ子どもは噛んでしまうの?噛みつきをしてしまう5つの理由

1番にお伝えしたいのは、親御さんのせいでは、絶対にありません。絶対に、です。

子どもの噛みつきトラブルが多いのは、先に述べましたように、0歳~1歳にかけてです。

その時期の子どもの成長段階から考えられる噛みつきの理由としては、5つ挙げられます。

  1. 歯が生えてきて、歯茎がムズムズしている。
  2. そこにお友だちがいたから。友だちの手や足などが、あったから。
  3. 噛んだ時の相手の反応が新鮮で、遊び感覚になっている。
  4. 自分の思うようにならない苛立ち。
  5. 入園進級などの環境の変化や、断乳・弟妹の誕生・両親の離婚再婚など生活の変化によるストレス。

以上のように、⑤以外の噛みつきは、理由があってないような状況で起こることも多く、親御さんのせいではなく、そのお子さんの性質によるものであります。

しかし、子どものこれからの、より良い人間関係を築いていく為の学びとなるように、必要な子どもへの対処があります。

絵本の読み聞かせをする母親

噛みつきの対処法!親が出来ることとは?

噛みつきトラブルで親が出来ることとは?噛みつきは、すぐになくなることではありません。

しかし、子どもが「噛んだ」ことで、「欲しいおもちゃが使えた」「大人に構ってもらえた」など、間違った学習をしないように気をつけなければなりません。

まず第1に、出来る限り「繰り返させない」ようにします。

歯が生え始めて、歯茎がムズムズする様子であれば、歯固めのおもちゃを用意してあげてください。

次に、噛んで相手の反応を見て楽しんでいる場合は、子どもの目を見て、怖い表情と声で「痛いからやめて。だめ。」と短くハッキリと伝えます。

それも面白がるようであれば、子どもの噛みつきに対しては、一切の反応をせず、無視をします。

そして、他の遊びをしているときには、全力でお子さんと一緒に楽しんでください。

子どもの気持ちを大人が代弁するようにしましょう

「歯茎がムズムズするのかな?このおもちゃを噛んで遊んだらスッキリするよ。」

「お友だちの手があったから、何かな~?って思ったのね。でも、噛んだら、お友だちは痛いよ。噛まずに、優しく手をつないでみようね。」

「お友だちのおもちゃが欲しかったのかな?貸してって一緒に言ってみよう。」
以上のように、子どもの行動から予想される“子どもの気持ち”を大人が代弁することで、子どもが自分の状態のことを知ることができます。

更に、望ましい行動を提案することで、「こんな気持ちになった時は、こうやって行動する」というパターンを知り、学んでいきます。

これらの、子どもへの関わりを繰り返し、積み重ねていくことで、噛みつきはなくなっていきます。

環境・生活の変化によるストレスが原因と考えられる場合の対処法

上記の対処方法を基本として、更に配慮が必要となります。

噛みつくことで、自分や誰かを傷つける行為は許してはならないですが、お子さんが抱えきれない不安や心の傷を抱えているのであれば、噛みつきの対応とは別で、子どものケアをします。

もし可能であれば、噛みつき行動の出る前の状態に戻して、様子を見ください。

しかし、大概のことは、戻すことが難しいと思います。

そういった場合には、保育園に事情を説明し、お子さんの情報を共有してください。そして、お子さんには、子どもの身に起きた変化を、ひとつ一つ言葉にしてお話しし、理由も合わせて伝えてください。

お子さんの表情をよく観察し、大人からの一方的な説明にならないよう、子どもの気持ちに共感しながらお話しできるといいですね。

お子さんのペースに合わせ、必要に応じて、繰り返しお話しする中で、子どもが新たな環境や生活を受け入れていく心構えを作っていきます。

保育園でのケンカとケガ

噛みつきトラブルがあったら保育園との連携を図ろう

お迎えの際に、保育士から噛みつきがあったと報告を受けた際、親御さんのショックは大きなものだと思います。

しかし、先に述べましたが、心苦しいことに、噛みつきは続いてしまうことがある為、保育園と連携を図っていくことが大切です。

保育園によって、噛んだ相手の名前は伝えないなどの方針があると思うので、その方針を元に、保育士へお話しを伺ってみてください。

噛んだ状況や、その時の保育士の対応を聞いておくことで、大人の子どもへの関わり方に、一貫性を持たせやすくなり、お子さんにとって、より効果的な対応を見つけられると思います。

また、保育園でのお子さんの姿を知っておくことで、休日など出かけ先での、トラブル防止にもつながります。

もし、お子さんがお話しを出来る年齢である場合、保育士がトラブルになった双方の親御さんに、それぞれの名前を伝えていなくても、子どもの話しから相手を知ることがあります。

その際は、保育園に相談の上、子ども間の問題だとしても、親御さんからの謝罪の機会を設けてもらうことで、保護者同士のわだかまりにならずに済むと思います。

幼児期の反抗期とは

最後に

子どものトラブルが続くと、お子さんだけでなく、親御さんの心も辛く、苦しくなります。

そんな時に、親御さんだけで、悩みを抱え込んでしまうのは、とても危険です。心に溜め込まず、遠慮せずに保育士へ相談してください。

親御さんが元気であるからこそ、子どもへの対応ができるのです。どうか、頑張り過ぎないでくださいね。