子どもの反抗期の時期と中学受験期は重なってしまうケースも多く、何気ないひと言に子どもから言い返されたり、ケンカになってしまったり、親としてどうしたらいいのか分からなくなるときもあるはずです。
特に、反抗期は男の子と女の子によって対応の仕方も変わってくるかと思います。
ここでは、我が子の中学受験を経験した筆者が、反抗期を迎えた「娘」とどう接し、受験を乗り越えたのかをご紹介していきます。
女の子をお持ちの親御さんで、まさに受験と反抗期が重なってしまっているというご家庭は参考にしてみてください。
目次
突然「塾に行きたくない!」と言い出したら・・・
今は高校生になった娘は幼いころから、手のかかる子どもではありませんでした。
ただ、積極的にリーダーシップを発揮して行動する、というタイプではなく、大人しいながらも、自分の意志を秘めているようなタイプで親子関係も良好でした。
そんな娘が6年生の夏期講習前あたりに、「塾に行きたくない!」と言い出したのです。
親にとってみれば、青天の霹靂のような感じですが、親の気づかないところで、我慢を重ねていたのだと思います。
初めて「行きたくない」と言い出した日の塾は欠席にし、まずはじっくりと話を聞くことから始めました。
行きたくない気持ちを冷静に見つめてあげよう
通塾は小学校2年生から始め、4年生からの受験コースに向け、低学年のうちは基礎をしっかり身につけるという目的で通っていました。
本人の頑張りもあり、学校の成績はよく、「算数、教えて」と友達から言われることもあったようで、本人も嬉しそうに話してくれ、学ぶ楽しさも理解していたように見受けられていました。
しかし、高学年になり、通塾回数が増えるなか、違和感はあったようです。
地域にもよりますが、筆者が住んでいるエリアは中学受験をする児童が少なく、受験予定の児童は学年で数人程度。
同じ塾に通っている子とは、楽しく通塾しているとばかり思っていました。
しかし、心の奥には、やっぱりみんなと一緒に遊びたい、という気持ちがあり、「行きたくない」という発言につながったようでした。
娘に受験を提案したのは親からで、娘が自分から決めたわけではありませんでした。それでも、中学校からの環境を変えたいという思いもあり、受験を決意していました。
そこで、もう一度なぜ受験をするのかを親子で話し合うことにしました。
子どもの気持ちを聞いて認める
お子さんが低学年の頃は、親の言うことに素直に従い、反抗することもあまりなく、育てやすく感じるという親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。我が家もそうでした。
今になって思うことは、塾に行かないと言い出したのは、成長の証し。
今まで親の言うことに従ってきたけれども、自分の意志や気持ちを主張するようになる反抗期の入り口だったと思い返しています。
親子で話し合いを重ね、娘は「中学からは違う環境で、新しい友達に出会いたい」という気持ちに落ち着き、塾は止めずに続けることになりました。
モヤモヤした気持ちが晴れてスッキリしたように見えました。
子どもの意見に耳を傾けてあげよう!
我が子も反抗期の時期には、「塾に行きたくない!」という大きな反抗がありましたが、「もう動画は止めたら?」と注意をすると「うるさい!」と返してきたり、部屋に入らせてくれないなど、小さな反抗もありました。
感情的になって叱るとかえって事態が悪くなることは親として分かっていても、つい怒ってしまい、後から後悔することもありました。
筆者も子どもの反抗を通じて、気持ちを聞くことの大切さを痛感しました。
子どもに反抗的な言葉や態度があっても、一旦親が冷静に受け止め、なぜそんな態度を取るのかを考えてみませんか?
今、娘は高校生で休日は友達と出かけることも多いですが、親子二人で一緒にショッピングに出かけたり、ランチをしたりと楽しい時間を過ごすこともあります。
娘と良好な関係でいられるのは、中学受験期に子どもの気持ちをしっかりと聞けたことも大きいと感じています。
<中学受験>女の子の反抗期はあえて距離を置いてみませんか?
最近、ケンカが増えてきた、口答えばかり、と感じるならば、少し距離を取ってみるのはおすすめです。
4年生、5年生のころは通塾するにあたって、宿題を確認し合ったり、親がプリント整理をしたり、スケジュール管理をしたり、親の出番が多かったはずです。
ただ小学校高学年にもなると、塾生活にも慣れ、自分でできることも増えているはずです。
我が家では下の子が小さかったので、娘の塾の管理ができないことが多くありました。
6年生の時は「暗記しているか確かめて」と言ってきたり、宿題も自分で管理したり、自分で考えていたようです。
放任してしまうのではなく、ほどよい距離を置くことで、親子が衝突することなく、気分よく受験生活を過ごせるかもしれません。
女の子の成長を上手に利用しよう
女子は男子よりも早めに思春期を迎えると言われています。
この時期を、親子の関係を見直す時期が来たと考えて対策を考えてみませんか。
低学年のころと同じように親が先にあれこれ手を出してしまうと、子どもの心を傷つけてしまうかもしれません。
初めての中学受験は親も不安を感じ、先回りして物事を決めてしまうかもしれませんが、子どもの気持ちを尊重する大切さに親が気づくことが重要だと感じます。
こうしなさいと親が指示するのではなく、「どうしたい?」、「どう思う?」と子どもの意志を聞けば、きっと子どもは親の変化を感じて、自分の考えを伝えてくれるはずです。
我が子は小さい頃から人前に出ることや、自分の意見よりも友達の意見を尊重しがちでした。今でも人前で発表する、グループで議論することなどは苦手だと言います。
そういったなかで、中学受験を通じて、自分で考えて行動できるようになる力を、小学生のうちから身につけておいたほうがいい、と感じています。
反抗期について親が学びながら、受験期を乗り越えましょう
心が大きく成長する時期が初めての中学受験の時期と重なるお子さんも少なくありません。
その点を見越して早めに対策を考えると、親子の衝突を極力避けることができ、ストレスなく受験に専念できるはずです。
子どもの反抗期について学ぶことは、いずれ来る子離れについて考える機会にもなります。
親が主体的に学び、受験期をスムーズに乗り越えましょう。