親になってから、自分の母親がいかに子どもの食事に気をつけてくれていたかを気づくことはありませんか?
離乳食から始まり、ご飯やおやつも子どもと大人で分けて用意し、口の中のケアに注意して、虫歯にも健康にも気を遣って、、、母親業って本当に大変ですよね。
この記事では、歯科衛生士の筆者がお子さんを虫歯にしないために食事で注意してほしいことをご紹介していきます。
目次
虫歯ってどうして出来るの?
親御さんの中で虫歯になった経験のある人は、沢山いるはずです。
虫歯になったら、まず歯が溶けて穴があきます。歯の神経まで穴が繋がったら、とても激しい痛みを感じ、神経を取らないといけません。
既に、経験済みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?我が子には、なるべく経験させたくないですよね。
まずは、口の中の変化と虫歯のメカニズムから詳しくご説明します。
口の中の変化
口の中は、普段は唾液の働きで中性に保たれています。
しかし、食事を摂り始めてすぐから、口の中の菌が酸を産生し始め、口の中は酸性に傾きます。
すると、歯の成分であるカルシウムとリンが溶け出します。この現象を脱灰といいます。
そして、食後30分に再び唾液の働きで中性に戻り、溶け出したカルシウムとリンが歯に吸収されます。この現象を再石灰化といいます。
口の中では、脱灰と再石灰化を繰り返してバランスを保っています。
虫歯の3大要因
虫歯は、以下の3つの要件が揃った時に穴があき進行します。各項目について解説していきます。
虫歯菌
虫歯は細菌が関係していることを、今までの人生の中で聞いた事があるのではないでしょうか?
そうです。口の中には無数の細菌が存在しています。その中には虫歯の原因菌といわれる、ミュータンス菌とラクトバチラス菌も含まれます。
ミュータンス菌は歯の表面に付着し、食事で摂取した糖質を栄養源として酸を酸性し、歯を溶かします。
ラクトバチラス菌は歯の凹凸のある部分に付着し、糖質を栄養源として酸を酸性し、歯に空いた穴を大きくしていきます。
宿主
人はそれぞれ、歯質の強さと唾液の分泌量や質が異なります。
生まれながらにして、歯質が弱く、唾液の分泌量が少ない人もいればそうでない人もいます。
また、成長していくなかでの栄養状況や病気の有無等により、歯質が十分に強化されなかったり、質の良い唾液が作られなかったりする事もあります。
歯質が良質だと、酸に対する抵抗力があり、歯の面がとても滑らかで細菌が付着しにくく、虫歯になりにくいです。
唾液には口の中の菌の活動を弱めたり、酸から歯を守る働きがあります。その唾液が良質で、量が多いとその働きが高まります。
食事
食事を摂ると、口の中の菌も糖質を栄養源として代謝し、酸を酸性します。
食事の回数が多いと、それだけ酸を産生する機会が多くなるので、脱灰が続き再石灰化がされません。
また、食事の内容も砂糖が多いと、それだけ菌も活発に代謝し、酸を産生します。また、酸性の飲食物(乳酸飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、酢の物、柑橘類等)の摂りすぎも歯を脱灰させます。
子どもの食事で気をつけてほしい3つのこと
食事の回数は少なく、時間を決める
上記で口の中の変化と虫歯のメカニズムについてご説明しました。虫歯にならないために気をつけるべき事は、ずばり食事の回数とおやつ内容です。
食事を摂る回数が多いと、酸性の時間が長くなり、歯は脱灰し続けると説明しました。
つまり、一回の食事に時間をかけ過ぎず、朝食、朝のおやつ、昼食、おやつ、夕食の間に2〜3時間空くように、食事時間を決めましょう。
おやつは砂糖を多く含むものは避ける
おやつの内容とは、歯にくっつくようなキャラメル、グミや、砂糖の多い飴やジュースやチョコレート等のものは避けましょう。
これらは、砂糖が歯の溝や歯と歯の間に入って、口の中に長く残ります。そのため、口の中に残りにくい飲食物をおやつにしましょう。
例えば、果物、おにぎり、和菓子、チーズ、ナッツ、アイスクリームetc…は、上記の食べ物や脂を含む洋菓子に比べ、口の中に留まりにくいです。
おやつ替わりにタブレットで虫歯ケア
おやつがわりにむしばいばいを舐めるのも虫歯ケアにつながります。歯磨きのご褒美としても安心してあげられます。
食後はお茶かお水を飲む
また、食事やおやつを摂った後は、必ず砂糖を含まない水やお茶を飲んで、口の中の食べカスを流しましょう。
歯磨きとフッ素塗布で虫歯予防
虫歯にならないための食事の注意事項をご説明してきました。
ただ、筆者自身も2児の母親なので分かりますが、こんな事を毎日毎日気にしていられないですよね?
外出したり、外食したり、ママ友との付き合いもあったりと日々の日程は変わります。
毎日気をつけるのは大変!と感じられる親御さんは歯磨きとフッ素塗布でフォローしましょう。
就寝前の歯磨きとフッ素塗布で虫歯予防対策をしよう
例え、この注意事項を守れなかったとしても、就寝前の歯磨きとフッ素塗布でフォローしましょう。
就寝中は、唾液の分泌量が極端に減ります。唾液は歯を脱灰から守り、再石灰化を促進させますが、量が減るという事は、歯は守られません。
つまり、就寝前に口の中の食べかすや、歯垢(歯に付着した細菌の塊)を歯磨きによって洗い流す必要があります。
また、細菌の酸産生を抑制させ、歯質を強くし、再石灰化を促進させる働きのあるフッ素を活用し、虫歯予防のための対策をしましょう。
筆者オススメ!フッ素配合歯磨剤とフッ素ジェル
私的な好みですが、フッ素が950ppm含まれている歯磨剤の「DENT チェックアップコドモ」が、泡立ちが少なく長く歯を磨けるので、お勧めです。
また、歯を磨いた後にプラスで、フッ素が950ppm含まれているジェルの「DENT チェックアップ ジェル」を塗りましょう。
このジェルは、5つの味から選べるので、子どもに受け入れやすいです。
大人になっても虫歯になりにくい歯を目指しましょう
さて、食事の注意事項と歯磨きとフッ素塗布でのフォロー方法についてご説明してきました。少しでも、参考になりそうでしょうか?
子どもの頃に虫歯にならなかった子は、大人になっても虫歯になりにくい傾向があるので、今のうちから子どものお口の健康を守っていきましょう!