子どもが大きくなってくると『受験』というものを意識しないわけにはいきません。
塾講師をしていると時々あるのが、志望校の方針は決めていないが、手遅れになると困るのでとりあえず勉強をさせるというご家庭です。
もちろん勉強は大切なことですから、やらないよりはやったほうが良いに決まっていますが、学習の効果を高めるためにも目標や方針は決まっていた方が良いといえます。
そこで、今回は特に小学校受験、中学受験の志望校を選ぶときの考え方の軸として、大切な4つのポイントをご紹介します。
目次
志望校選びで重要な教育費用
まずは、現実的な話として教育費用の面があります。
現実的に負担できる費用は夫婦で話し合ってある程度も目算はつけておいた方がいいでしょう。想定せずにあとで困るのが、周りの子どものお小遣いのレベルだったりします。
ちょっと費用負担が大きい私立中学に学費だけなら払えると無理をして通わせて見たら、周りの子どもとお小遣いの額が1桁違ったなんて話も聞きます。
たかがお小遣いですが、当然休みの日に遊びに良く場所は負担できる費用で変わりますから、周りの子どもと経済レベルがあまりにもかけ離れてしまうようなら、楽しい学校生活は送りにくいかもしれません。
次の受験は中学受験、高校受験、それとも大学受験?
次の受験をいつにするのかも計画の中に入れなければいけません。
中学受験や高校受験のレベルでは名門校となる大学附属も、実際にその大学自体は1流校ではないケースもあります。
エスカレーターで大学に行ったときに、その大学で満足できるのかは、中学高校のレベルとは別に考えなければなりません。
実際に附属に入れてしまうと、勉強して外部受験でさらに上の大学にチャレンジとはなかなかならないものです。
外部受験をするということは、せっかくできた同級生と離ればなれになるということだからです。
そのため、教育熱心なご家庭では、「高校受験をさせたい」「大学受験をさせたい」との理由で接続のない名門校しか狙わない方も一定数いらっしゃいます。
逆に、大切な青春時代を受験勉強ばっかりにはさせたくないとお考えの方もいらっしゃいます。
受験勉強は学力を伸ばすきっかけでもありますし、人生のレベルアップをはかるチャンスと言う事もできますが、一方では、せっかくの青春時代に勉強しかできなかったということにもなりかねません。
勉強以外のことに価値を強く感じるのであれば、受験の回数がすくなくなるような学校選びも考えられます。
志望校の学校の雰囲気も重要な基準
子どもの生活が学校の雰囲気、校風に合うかどうかも重要な判断基準になります。
校風があるということは一定の性格の生徒が集まっているということですから、その中に溶け込めないようであれば、学校生活は楽しいものにはならないかもしれません。
では、校風は誰が作っているかというと、学校の方針と先輩たちといえるでしょう。
私立高校であれば、入試問題で一定の生徒を集めることができます。入試問題が細かい暗記を要求するように作られていると、コツコツ型のまじめな生徒が多くなります。
逆に思考系の問題を多くすると天才型で腕白な生徒が集まります。
こうした校風を判断材料とするためには、先生方や入試担当者が行う学校説明会だけでなく、学園際・文化祭など生徒の様子がわかる行事に参加すると良いでしょう。
学校のレベルと子供の学力レベル
学校の学力のレベルと子どもの学力のレベルが合っているかも重要です。
それは入学時点のレベルというよりは、子どもの性格によるところが大きいといえます。
性格的に平均で満足してしまうが、最低平均は取りたいという子どもであれば、レベルが高い学校に行ってもレベルが低い学校に行っても平均で納まる可能性が高いといえます。
この子どもは多少無理をしてでもレベルの高い学校に入れたほうが良い結果になるといえます。
逆にプライドが高く順位が下の方だと努力をしなくなる子どももいます。
それまで成績優秀と言われていた子どもが無理をして自分のレベルより高い学校に入った結果、学校の中の順位が最下位近くになりドロップアウトしてしまったというのも良く聞く話です。
一般的には少しでもいい学校に入ることが良いことといわれますが、入ったはいいが授業についていけないのであれば元も子もありません。
志望校選びは理想ではなく判断基準を持って
学校選びのポイントについて述べてみましたが、最終的な判断の軸はご家庭の人生観・幸福感ということができると思います。
子どもの人生にとって何が重要かは学校や塾の先生には決めることはできません。
ですから、ご家庭の中で何を最重要と考えるかを話し合われるとよいでしょう。判断の軸を決めた上で比較検討すれば、志望校選びにあまり迷うことはなくなるはずです。