「SDGs」という言葉はここ数年でぐっと認知度があがってきました。
実はこの「SDGs」子どもの未来と強く結びつくものなので、お子さんがいる方にとっては、詳細を知っておいて欲しいものです。
今回はこの「SDGs」の17の目標について、子どもの未来について考えてみませんか?
「SDGs」とは何か
「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略語になり、「エスティージーズ」と読みます。
「Sustainable Development Goals」とは「持続可能な開発目標」と訳すことができます。
「SDGs」は国連加盟国193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標で、2015年9月に国連サミットで採択されました。
「SDGs」17の目標
「SDGs」は17の目標と、それを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
17の目標は以下になります。
- 貧困をなくそう
:地球上のあらゆる形の貧困をなくそう - 飢餓をゼロに
:飢えをなくし、だれもが栄養のある食糧を十分に手に入れられるよう、地球の環境を守り続けながら農業を勧めよう - すべての人に健康と福祉を
:だれもが健康で幸せな生活を送れるようにしよう - 質の高い教育をみんなに
:誰もが公平に、良い教育を受けられるように、また一生にわたって学習できる機会を広めよう - ジェンダー平等を実現しよう
:男女平等を実現し、すべての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう - 安全な水とトイレを世界中に
:だれもが安全な水とトイレを利用できるようにし、自分たちでずっと管理していけるようにしよう - エネルギーをみんなに そしてクリーンに
:すべての人が、安くて安全で現代的なエネルギーをずっと利用できるようにしよう - 働きがいも経済成長も
:みんなの生活を良くする安定した経済成長を進め、だれもが人間らしく生産的な仕事ができる社会をつくろう - 産業と技術革新の基礎をつくろう
:災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、みんなに役立つ安定した産業化を進めよう - 人や国の不平等をなくそう
:世界中から不平等を減らそう - 住み続けられるまちづくりを
:だれもがずっと安全に暮せて、災害にも強いまちをつくろう - つくる責任 つかう責任
:生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう - 気候変動に具体的な対策を
:気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こそう - 海の豊かさを守ろう
:海の資源を守り、大切に使おう - 陸の豊かさも守ろう
:陸の豊かさを守り、砂漠化を防いで、多様な生物が生きられるように大切に使おう - 平和と公正をすべての人に
:平和でだれもが受け入れられ、すべての人が法や制度で守られる社会をつくろう - パートナーシップで目標を達成しよう
:世界のすべての人がみんなで協力しあい、これらの目標を達成しよう
まとめると、生きていくことも難しいような貧困をなくすことや、すべての子どもが良い教育を受けられるようにすること、すべての人に平等な機会が与えられること、私たちの地球が汚されず健全であるように消費や生産の方法を変えていくことなど、世界のすべての人にとって重要となる目標です。
「SDGs」と子どもの未来
17の目標を見て、どのように感じられたでしょうか。
貧困や飢餓といったあたりはもしかしたら日本には関係ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、日本でも貧困は近年問題視されています。
たしかに、生命を維持するために必要最低限必要な衣食住が満たされていない「絶対的貧困」の状態ではなく、日本が直面しているのは、地域や社会において“普通”とされる生活を送ることができない「相対的貧困」の状態です。
その相対的貧困率は15.7%とされ、約6人に1人が貧困とされているのです
「普通とは違う」ということは、肉体的なダメージは少なくとも、精神的なダメージが非常に大きくなります。
最初は「みんなと違う」という疑問だけだったものは、精神的なダメージを受け続けると「諦め」に変わります。
諦めてしまった人にもう1度やる気を起こさせることは大変なことです。
そうならないために、「平等」であることが大切なのです。
また、子どもに未来について考えさせることがとても大切なことです。
家庭でも子どもと一緒に未来について話し合う機会を持とう
今は小さな子どもたちも、10年後には文字通り社会の一員となり、社会の中心となっていくでしょう。
そうしたときに、「どんな世界であって欲しいか」という明確なイメージが必要になります。
そのためには、今の状況を調べたり知ったりすること、問題提議し解決の方法を考えたりしながら、「理想の世界」を話し合うことが大切になります。
では、どこでそのような機会を得ればよいのか、というと、学校で学ぶこともあるかもしれません。
また、調べてみるとイベントやセミナーなども開催されていますので、そういったところに参加、活用するのもよいかもしれません。
ですが、そのようなイベントではなくとも、家庭の中でも親子で考えていくことができます。
「どうしたら健康でいられるのか」「どうしたらこの街は安全なのか」「水や食べ物、エネルギーなどの資源を無駄にしないようにするためにはどんな工夫ができるか」など、一緒に考えることもよいでしょう。
また具体的に、ごみを減らす工夫を試したり、地域の清掃活動に参加することも未来について考えるよい機会となるでしょう。
「MDGs」の達成と「SDGs」の達成
「SDGs」の前には「MDGs=ミレニアム開発目標」という2000年から2015年までの目標も決められていました。
その中では「みんなが小学校に通えるようにしよう」「子どもの死亡率を減らそう」といった目標があげられております。
結果としては「みんなが小学校に通えるようにしよう」という目標に対し、発展途上国において、90%の子どもたちが小学校で教育を受けられるようになったり、「子どもの死亡率を減らそう」という目標に対し、1990年以降、命を落とす子どもの数が1日当たり17,000人少なくなるなどの達成が見られました。
2030年はどのような結果になるか分かりませんが、まだ時間はありますので、1人ひとり大人も子どもも未来について考え、行動できる人になることが大切かと思います。
そして2030年以降も、今の子どもたちが世界を見回し、考え、世界をよりよくするための目標とその達成が続いていくことを願いたいものです。