我が子がテストでカンニングをしてしまっていたら!カンニングしてしまう子どもの心理と親がとるべき対応

カニングをしてしまう子供の心理とは

もし自分の子がカンニングをしていたとわかったら、親としてはショックが大きいかと思います。

「なぜカンニングしてしまったのか」「どうしてカンニングしてしまったのか」、子どもに問いただしてみたいけれど、実際どう対応したらいいのかわからないという保護者の方も多いのではないでしょうか。

ここでは、教員経験から、カンニングしてしまう子どもたちの心理と、カンニングしてしまった時にとるべき親としての対応についてお伝えしていきます。

カンニングって悪いこと?

そもそも「カンニング」が悪いことと理解していない場合もあります。

特に小学校1年生のうちは、まず「テスト」に慣れておらず、テストは何かをみてはいけないもの、という認識が甘い場合もあります。

もちろん担任の先生からはテストとはどういうものか、ということは教えてもらいますが、自分の答えが合っているのか?とテスト中に気になって、周りの子のテストを覗いてしまうこともあります。

カンニングしてしまう理由と対策

小学校生活

低学年の頃は「カンニング=いけないこと」と理解していなくても、学年が上がってくれば「カンニング」がいけないことは分かってきます。

それでも「カンニング」してしまうのには、子どもなりの様々な理由があります。

褒められたい気持ちが強い

テストは点数で「できた」「できなかった」がはっきりと見えてしまいます。

親も点数が高ければ褒め、点数が低ければ叱ってしまう対応をしてしまいがちです。

そのため、子ども達も「点数が低かったら怒られる」「100点を取ればもっと褒めてもらえる」という気持ちから、「カンニング」してしまうことが多いです。

つまりテストでのゴールが「100点」や「よい点数」になってしまっているのです。

もちろんテストで100点を取ることは素晴らしいことですが、大切なのはそれまでの過程です。

100点を取ったことだけを褒めるのではなく、例えば「テスト前にたくさん勉強したから100点取れたんだね、頑張ったね」と褒めることで、頑張った結果を一緒に褒めてあげることが大切です。

逆に点数が低かった場合は、叱るよりもどこが分からなかったのか、一緒に考えてあげたりすることで、テストで出来なくても、その後もう一度きちんと学ぶことの大切さを教えていってあげられるといいのではないでしょうか。

できないことの恥ずかしさ

テストをしてみたら、全然答えが埋まらないのに、周りの子の鉛筆が動いていると、不安に苛まれ、自分だけできないことに恥ずかしさを感じ、カンニングしてしまう子もいます。

できないことの恥ずかしさからカンニングをしてしまう子には、テストは何のためにするのかをしっかり伝えることが大切です。

テストは勉強して、どこが分かっていて、どこが分かっていないのかを知るための手段のひとつです。

点数がいい、悪いではなく、テスト前の取り組みとテスト後の振り返りと復習が大切であることを家庭でも伝えていきましょう。

楽をしたい

大人でもそうですが、できれば人間は「楽な道」を選びたくなります。

学年が上がってくれば「楽な道」への進み方も上手くなっていきます。テストでも勉強せずいい点を取りたいからカンニングをしてしまう。

ですが、結局自分の為にはならないことは、高学年になれば多くの子がわかっています。

そして罪悪感と後悔の念に苛まれます。そうした気持ちが「もうカンニングをしない」という決意をさせてくれ、次に進んでいく力となっていきます。

カンニングはテストだけじゃない!テスト以外でも起こる理由

カンニングといえばテストを連想しやすいですが、テスト以外にもカンニングの場面はいくつかあります。

例えば工作の時間に友だちの作品を真似する、授業中に考えよう!と自分の意見をまとめる中で友だちの考えを真似する、宿題の答えを写すなど、実はテスト以外にも子どもの周りにはカンニングしている場面はいくつか考えられます。

これもテストと同様、それぞれのゴールが間違ってしまっていると考えられます。

工作は素晴らしい作品をつくることが目的ではないですし、考えよう!では素晴らしい意見を求めているわけではありません。

宿題も全問正解じゃなきゃいけないわけではないはずです。

何か作品を持ち帰ってきたときは、ただ「すごいね」「上手だね」だけでなく、その作品についてじっくり話しを聞いてみたり、宿題を一緒にやる時間を増やしてみたりすることで、「自分でやることのすばらしさ」や「自分で考えることの大切さ」が少しずつわかり、自分に自信がついてくればこうしたカンニングは少しずつ減ってくるかと思います。

カンニングをしにくい環境づくりとは?

子どもが小さい頃ほど、体が小さく、後ろからカンニングがしやすくなってしまいます。

また、低学年のうちはどうしても考えたりするときにキョロキョロ周りをみてしまったり、テスト中に集中力が薄れキョロキョロしてしまったりして、偶然友だちの答えが見えてしまうこともあります。

しかし学年が上になってくれば、子ども自身の体も大きくなり、解答も見えづらくなります。

また、子ども達自身も周りに答えが見えないように、解答用紙の扱い方に工夫が見られるようになってきます。そのため自然とカンニングがしにくい環境が生まれてきます。

また、筆者自身教員をしていて、カンニングをしそうな場面に出くわすことも稀にあります。

カンニングしそうな時はなんとなくやはりいつもと違う動きや顔つきがみられます。

そんな時は「カンニングしても自分のためにはならないよ」「自分の力を出せるだけだそう」など、学年やその時の雰囲気に合わせてクラス全体にテストの途中でも伝えます。

また、場合によってはその子の周りの机間を多めに通るようにして、カンニングをさせないようにします。1度やってしまい、癖になることを防ぐためです。

特にカンニングが悪いこと、という認識がまだ甘い低学年は、カンニングがいけないことだと分からせてあげることで、段々と認識を強めていくことが大切だと思っています。

テストがすべてではありません!カンニングしてしまった時には理由をきちんと確認して話し合いましょう

もし学校から子どもがカンニングしていた話を聞いたときは、なぜカンニングしてしまったのか、その理由をきちんと確認し、叱るだけでなく、親子で話し合っていくことが大切です。

テストでわからないことがあるということは、わからないことがあるということが分かったということで、それはわかるようになるチャンスであること。

1度失敗してももう1度やり直しができること。それはテストだけではなく、社会で生きていく中でも大切になってくるかと思います。

親もあまり「テストの点」に縛られ過ぎず、子どもの日々の様子とテストの点を総合し、視野を広げ、褒めたり励またりして、子どもたちを支えてあげられるとよいのではないでしょうか。