小学校のテストの点数が上がらない!点数を伸ばすための勉強のコツと対処法

テストの点数を上げるコツ

小学校のテストは簡単だとしばしば言われますが、テストに苦手意識を持つお子さんも少なくありません。

なかなか点数が伸びないとき、心配になってしまう親御さんも多いでしょう。

一方、テストの点数を伸ばすには、暗記方法やスケジュール調整など、ちょっとしたコツがあります。

また、各科目の特徴を知れば、勉強の方向性もわかりやすくなります。

この記事では、塾講師の経験から小学校のテストの点数を伸ばすための勉強のコツについて、様々な視点からポイントを整理していきます。

テストの点数を伸ばすための全科目共通のコツ

小学校のテストといっても、算数・国語・社会・理科で傾向は大きく異なります。

そのため、最終的には科目ごとの対策が重要ですが、点数を伸ばすために必要な全科目共通のコツもあります。

例えば暗記系の分野はどう覚えるのか、スケジュールはどう立てるのか、など、どの科目でも共通するポイントは多いです。

また、子どものやる気やモチベーションが低下したことで、テストの点数が伸び悩むこともあるでしょう。

この場合、科目別の対策以前に、まずは子どもの勉強習慣をどう改善するか、きちんと見直す必要があります。

無理に「勉強して」と言うのではなく、子どもの気持ち・意思も尊重したうえで、少しずつ勉強習慣を作っていくことが大切です。

まずは、こうした全科目共通のポイント・コツから整理していきます。

暗記系の分野!すぐに実践できる3つの対処法

1.時間を区切って集中する

効率的に暗記するには、時間と集中力が重要なポイントです。

なるべく時間を区切り、集中してスパッと覚える習慣をつけましょう。

長時間ダラダラと勉強しても、知識や語句はかえって頭に入りません。

それよりもスキマ時間などを活用し、限られた時間で集中して覚える習慣をつけた方が効果的です。

そもそも勉強というのは、長時間やれば良いというわけではありません。

特に何かを覚えるときは、高い集中力を必要としますが、長時間の勉強はかえって集中力が低下しやすくなります。

問題演習などは長時間行うメリットもありますが、暗記についてはメリハリを持って、短期集中で行いましょう。

2. 背景や関連事項もしっかりおさえる

特に社会や理科は、ただ語句を暗記するだけでなく、その背景などもおさえて学習することが重要になります。

詳しくは科目ごとのコツとして後述しますが、社会や理科はそもそも覚える量が多いため、単純な語句の暗記で対応するのは難しいです。

例えば社会の年号や出来事名は、その時代の背景も合わせて知っておけば、その分記憶に残りやすくなります。

一度覚えてもすぐ忘れてしまってはもったいないので、なるべく記憶に残るよう、関連事項も合わせて整理する習慣をつけましょう。

3. 五感を使って覚える

特に国語の漢字や算数の公式などは、やはり書いて覚えるしかありません。

見ただけで全て暗記できる子どもは少ないので、なるべく手を動かして覚える習慣をつけましょう。

また、社会や理科であれば、資料集などを活用して視覚的に覚えることも重要です。

例えば地図を見て地理感覚を養いながら覚えること、図やイラストから生物の特徴をおさえることなど、視覚でイメージを膨らませながら覚えていくと効果的です。

さらに、語呂合わせで声に出して覚えるなどの方法もあります。

特に社会の年号などは、語呂合わせを活用するケースも多いでしょう。

このように五感を積極的に活用し、暗記の効率を上げていくことが大切です。

暗記を得意にするコツ

事前にスケジュールを立てよう!コツコツと勉強を積み重ねることが点数を伸ばす近道

テストの点数を伸ばすには、その試験日に学力のピークを持っていけるよう、勉強を進めることが大切です。

そのためにはしっかりスケジュールを立て、効率よく勉強を進めなくてはなりません。

スケジュールというと当たり前の話のように聞こえますが、意外にスケジュール管理がうまくいかないケースは多いです。

例えば、試験前日に知識を詰め込んで勉強しても、テストの点数はそう簡単に上がりません。

直前になって「あれもやっておけばよかった、これもやっておけばよかった」という状態になれば、尚更高得点は難しいでしょう。

こうした事態を防ぐには、早い段階でスケジュールを立て、コツコツと勉強を積み重ねるしかありません。

1. テスト前1〜2週間のスケジュールはきちんと立てる

小学校のテストは中学校・高校の定期試験とは異なり、各単元の学習が終わったタイミングで行われることが多いです。

数ヶ月分の勉強をまとめてテストするわけではないので、数ヶ月前からスケジュールを立てるのは現実的に難しいでしょう。

ただ、科目や単元によりますが、テスト前1〜2週間のスケジュールはなるべく立てておく必要があります。

試験前2〜3日で詰め込むようなスケジュールは組まず、ある程度余裕を持って勉強できるようにしましょう。

また、宿題も出されますので、宿題の時間とテスト勉強の時間の兼ね合いなど、計画的に調整することも大切です。

2. 復習の時間をきちんと設ける

スケジュールを立てる際には、とにかく復習の時間をきちんと設定する必要があります。

例えば、ある単元の学習を終えたとき、その単元の初期に習ったことはどうしても忘れがちになります。

「最後に習った分野は得点できるけど、最初に習った分野はなかなか得点できない」というお子さんも少なくありません。

テストで点数を伸ばすには、単元内のどの分野が出題されても対応できるよう、日々の勉強の中に復習時間を作り、その単元を常に幅広くおさえる必要があります。

新しい知識を学習しつつ、その前に習ったことも定期的に復習し、学力を維持することが必要不可欠なのです。

そのためにも、スケジュールの中に復習時間を必ず設け、苦手な分野は重点的に復習を繰り返すなどして、計画的に勉強を進める必要があります。

決して「覚えっぱなし」の状態にせず、繰り返し学習する時間を作りましょう。

テストで点数を伸ばしたいけれど・・・子どものやる気やモチベーションが上がらない場合の対処法

勉強のやる気がない小学生

全ての子どもが勉強に意欲的とは限りません。

子どもによっては勉強に対する関心が低く、やる気やモチベーションがなかなか上がらない場合もあります。

こうしたケースで、無理に「勉強して」「勉強しろ」と言うのは絶対に避けてください。

子どものモチベーション低下につながりかねず、かえって勉強嫌いが加速するおそれがあります。

それよりも、まずは「短時間でもいいから勉強やってみない?」といった声かけを行ったり、何か目標を持たせて「勉強してみようかな」という気持ちにさせたり、など、なるべく自然な形でアプローチすることが好ましいです。

場合によっては、将来的な進路の話から入り、「そのためにはこういう勉強が必要だよ」といった声かけも重要になります。

このようなアプローチを行い、最初は短時間でもいいので、まずは勉強の習慣を少しずつ作っていくことを意識しましょう。

そうした勉強習慣が、テストの点数にも自ずと反映されていくはずです。

決して無理な方法で勉強させるのではなく、自然な流れで子どもと意思を共有できるようにしましょう。

漫画を読む子供たち

テストの点を伸ばすための科目別のコツとポイント

次に、テストの点数を伸ばすための科目別のコツ・ポイントについてです。

小学校のテストといえど、やはり科目別に傾向は変わるので、最終的には各傾向に沿った対策が重要になります。

算数

計算力を習慣的に鍛える

算数の基本と言えば、まずは計算力です。

学校の宿題はもちろん、計算ドリルなども習慣的に解き、着実に計算力をアップしましょう。

また、スピーディーかつ正確に計算できるよう、時間はしっかり計る必要があります。

解答時間が指定されていればそちらを守り、常にスピードを意識してください。

算数の点数で伸び悩む場合、スピードが原因であることも少なくありません。

素早く、かつ正確に解く、という点を意識し、計算をテキパキ進める癖をつけましょう。

暗記事項も繰り返し覚える

算数といっても、公式、倍数や約数など、暗記事項もあります。

こうした暗記はしっかり手を動かし、繰り返し覚えていくことが大切です。

ただし、公式をはじめ、その背景を考えることも意識しましょう。

特に公式は、「なぜそうなるのか?」を考えて覚えないと、すぐに忘れやすくなります。

きちんと背景や理屈もおさえ、「なぜこういう式になるのか?」を理解できれば、式も自然と暗記できるようになります。

丸暗記で終わらせず、常に思考する癖をつけ、点数につなげるようにしましょう。

国語

読解力を伸ばす

国語の基本と言えば、やはり読解力でしょう。

学校で扱う文章のほか、日頃の読書などを活用し、なるべく文章を読む機会を増やしましょう。

また、読解問題の基本は、「本文に書かれていることから考える」という点にあります。

本文に書かれていない内容まで想像して解答してはいけません。

読解力と想像力は異なるという点を常に意識し、書かれていることを正確に読み取る習慣をつけ、実力を鍛えましょう。

場合によっては、教科書の本文を一度音読し、内容理解を深めることも効果的です。

暗記に限らず、五感を使った勉強は何かと効果があるので、ぜひ実践してみてください。

漢字の読み書きを鍛える

漢字の読み書きをはじめ、語彙力を鍛えることも重要です。

特に漢字の暗記に関しては、きちんと書いて覚えるようにしましょう。

また、同じ漢字が使用されている熟語を整理するなどして、関連付けて覚えることも効果的です。

ただ暗記するだけでなく、漢字の意味、漢字のつくり、音読み・訓読みなど、関連事項を整理しながら覚えると良いでしょう。

そのほか、慣用句やことわざなども登場するので、漢字の読み書きとともに知識問題としてきちんと対策しておきましょう。

社会

暗記事項は背景や関連事項もおさえる

先ほども触れましたが、歴史の年号や出来事名などをはじめ、とにかく社会は暗記事項が多いです。

一方、ただ丸暗記しようとしても知識はなかなか定着しません。

そのため、例えば年号や出来事名であれば、各時代の背景をまず理解し、大まかな歴史の流れをおさえたうえで、各年号や出来事を覚えていく、といった方法が大切です。

ただ部分的に年号・出来事名を暗記しても、実際のテストで正確に解答できるとは限りません。

関連事項も含めて整理し、「なぜこういう出来事が起こったのか?」という点を理解し、覚えるようにしましょう。

また、地理や公民の暗記でも、背景・関連事項を覚えることは非常に重要です。

地理であれば、地名とともに特産物を理解したり、公民は歴史と合わせて理解を深めたり、など、関連事項を横断的に整理すると、より覚えやすくなります。

資料集を積極的に活用する

資料集などを積極的に活用し、視覚的に覚えることも大切です。

特に地理は、地図から地理感覚を養い、各単元の知識を覚えていった方が良いでしょう。

歴史の資料集も、各年表が見やすくまとまっているほか、重要な史料も載っているので、イメージを膨らませながら勉強を進めると効果的です。

また、多くの子どもにとってイメージしにくい公民分野も、資料集から理解を深めることに大きな意味があります。

特に国の機関名などは、資料集の図を通じて覚えるとイメージしやすいので、積極的に活用するようにしましょう。

理科

暗記事項はイメージしやすい単元が多いので視覚的に覚える

社会と共通しますが、理科の暗記事項もやはり視覚的に覚える必要があります。

特に理科は、植物・昆虫の特徴、天体など、視覚からイメージしやすい単元が多いです。

そのためにも資料集などをしっかり活用し、関連知識も含めて整理し、効率良く学習を進めましょう。

こちらも社会と同様、ただ丸暗記するだけではなかなか知識は深まりません。

特に生物分野など、暗記事項が非常に多い分野もあり、いかに効率的に覚えていけるかがカギです。

「なぜそうなるのか」という背景も考え、五感を使って覚え、点数につなげましょう。

思考力を深める

理科は暗記事項も多いですが、実験や観察をはじめ、思考力が要求される問題も多いです。

日頃から理科に関する事象に興味を持ち、「なぜそうなるのか」と思考する習慣をつけてみましょう。

例えば天気、自然環境、生物など、理科で習う単元はごく身近にたくさんあります。

なじみのある事柄は「なぜそうなるのか」と興味を持ちやすく、そこから思考を深めるきっかけにもなります。

こうした思考力を鍛えることは、勉強において非常に重要なことです。

ただ何かを暗記したり覚えたりするだけでは、どうしても面白みがなくなってしまいますが、「なぜそうなるのか」を考えることができれば、子どものモチベーションアップにもつながります。

特に理科は子どもが持つ好奇心を刺激しやすいので、そこから思考力を鍛えていけば、理科以外の科目にも生かせるはずです。

そして思考力を鍛えておくと、テストの応用問題などにも対応しやすくなるのです。

このように、興味・関心から思考力アップにつなげていくことを意識してみてください。

家庭で勉強をする子供

テスト直前で焦らないように日頃からしっかり復習の時間を作りましょう

今回は、小学校のテストの点数を伸ばすための勉強のコツについてご紹介しました。

小学校では単元ごとにテストを行うことが多く、中学校・高校の定期試験とは異なりますが、やはりスケジュール調整は必要です。

試験直前で焦らないためにも、日頃からしっかり復習時間を設け、効率的なスケジュールを立てておきましょう。

また、暗記事項はただ覚えるだけでなく、五感を使って覚えること、背景・関連事項もおさえること、さらには時間を区切って短期集中で覚えることなど、ちょっとした工夫を行うことが大切です。

さらに、算数・国語・社会・理科でそれぞれ傾向は変わるので、科目の特徴をおさえた対策もしっかり進める必要があります。

一方、子どものやる気やモチベーションが下がってしまったときは、決して無理はさせず、将来の話なども含め、勉強の意義を話してあげると良いでしょう。

子どもの中に、自然な形で「勉強してみようかな」という気持ちが起これば、自然と勉強習慣も生まれます。

こうしたポイントをおさえ、日頃の勉強を実りあるものにし、テストの点数につなげていきましょう。