中学受験塾で成績上位の子はどんな勉強をしているの?上位をキープしている子の特徴と共通点

通塾している小学生

中学受験の勉強をしていると、やはり塾の成績が気になってしまうお子さん・ご家庭も多いでしょう。

成績上位を維持している子は日頃どんな勉強をしているのか、成績上位をキープするにはどうすれば良いのか、疑問点もあるかと思います。

この記事では、塾講師の経験から、中学受験の勉強で、4年生から6年生になっても塾で成績上位をキープしている子の特徴をご紹介していきます。

成績上位を維持する子どもは、定期的な復習や基礎の定着など、一見普通に見える勉強を効率良く行っています。

学力アップのためにも、成績上位の子が行っている勉強習慣をぜひ参考にしてみてください。

成績上位の子どもは特別な勉強をしているわけではない?!

中学受験の勉強で塾を活用していると、成績上位の子どものことが気になってしまう場合もあるかと思います。

4年生から6年生になっても成績上位を維持するためにどんな勉強をしているのか、何か特別な勉強方法があるのかなど、疑問も多いのものです。

ただ、成績上位をキープしている子どもは、何も難問ばかり解いているわけではなく、また特別な勉強ばかり行っているわけではありません。

コツコツと復習の習慣を続けていたり、とにかく基礎の理解が正確であったりなど、地味ながらも着実に成績上位を維持できる勉強を繰り返しています。

お子さんの成績が伸び悩んでしまったとき、成績上位生の勉強方法が気になることもあるかもしれませんが、彼らは何か目新しい特別な勉強方法を行っているわけではないのです。

見方を変えれば、大半の子どもができるような勉強方法であり、ただその勉強(復習の徹底など)をとにかく効率良く行っている形になります。

その勉強ポイントは多くの子どもが実践できるはずのものであり、誰もが成績上位に入る可能性を秘めているとも言えます。

このことを大前提に、以下、塾で成績上位をキープしている子どもに共通していることなどをお話ししていきます。

中学受験塾で成績上位をキープしている子どもに共通していること!

成績上位者は復習を欠かさない

勉強において復習は必要不可欠であり、成績上位を維持する子どもは復習をきちんと行っています。

どんなに成績が優秀な子どもでも、一度見ただけで記憶が持続するわけではありません。

定期的な復習を欠かさず行い、実力をその都度補強してこそ、成績上位を維持できるわけです。

受験生の中には、意外にもこの復習がおろそかになっているケースが多く見られます

一方、成績上位をキープしている子どもは復習の重要性を理解しており、しっかり復習に時間をかけて実力を盤石なものにしています。

問題演習の解き直し・復習を丁寧に行っている

問題演習の解き直し・復習も、受験勉強において非常に重要な意味を持ちます。

問題というのは解きっぱなしで終わらせてはいけません。

どこを間違えたのか、どこの知識を間違えて覚えていたのか、どこで解法をミスしたのかなど、細かくチェックして次に繋げることが重要です。

もう一度解き直しを行ったり、間違えた分野・単元の復習を進めたりなど、次に問題をミスしないためにできることをしっかり進めなくてはなりません。

問題の正答率に一喜一憂せず、解きっぱなしで終わらせず、必要な復習・解き直しをきちんと行うことも成績維持のために必要なことです。

模試やテストの解き直し・復習や分析を丁寧に進めている

解き直しや復習が大切なのは日々の問題演習だけではありません。

受験勉強をする中で多くの模試やテスト・小テストを受けるかと思いますが、これらもその都度しっかり復習や解き直しをしなくてはならないのです。

特に模試は成績や判定に一喜一憂しがちですが、自分がどのような問題でミスをしやすいのか、どこが苦手分野・単元なのか、細かい部分まで正確に把握しなくてはなりません。

問題数が多い分だけ復習も大変ですが、そこで面倒に思わず、解き直しや復習、苦手分野の分析などをコツコツ積み重ねることで、受験に必要な実力が磨かれていくわけです。

得意分野と苦手分野の勉強バランスが良い

当然と言えば当然の話ですが、受験勉強は得意分野だけ勉強すれば良いわけではありません。

なるべく苦手分野を減らして得点源を確保する必要があり、苦手分野を放置してしまえばそれだけ点数は伸び悩みます。

一方で、苦手分野の対策だけを進めるわけにもいきません。

得意分野は得意分野として勉強を継続し、しっかり実力を維持しなくてはならないのです。

いくら得意分野といっても、勉強をしなければ実力は伸び悩み、ケアレスミスの頻発を招くことも多いです。

そうならないよう、苦手分野の対策を進めつつ、得意分野の勉強もしっかり行わなくてはなりません。

成績上位を維持している子どもは、このような得意分野と苦手分野の勉強バランスが優れています。

偏った勉強にならず、状況に応じてバランスよく対策を進め、実力を維持しているわけです。

苦手分野を正確に把握している

意外にも、自分の苦手分野を正確に把握していない受験生は一定数見られます

漠然と「あの分野・単元はなんとなく苦手」と思っていても、その詳細を正確に把握していない受験生は多いのです。

一方で、成績上位をキープしている受験生は苦手分野を正確に把握しており、詳しく分析を進めているケースが多いです。

ミスをしやすい分野・単元の把握はもちろん、苦手な設問の傾向まで幅広く分析するなど、より入試傾向に沿った対策を進めています。

例えば、「この分野は記述問題が苦手」「この分野は選択肢問題でつまずきやすい」など、設問形式も含めて苦手分野を把握しておくと、効率良く対策を進めることができます。

このように、苦手分野を詳細に把握することは受験勉強において非常に大切であり、成績上位の子どもはこうした対策をしっかり進めています。

苦手分野を正確に知っておけば勉強スケジュールも立てやすい

苦手分野を正確に把握することは、勉強スケジュールを立てる際にも非常に大切です。

重点的に対策すべき分野を知っておけば、どの程度時間をかけて対策すべきかなど、勉強の目安も定まるでしょう。

そして苦手分野の対策に使う時間が決まったら、他の時間を得意分野の勉強に使えば良いので、苦手分野と得意分野でバランス良く学習を進めることができます。

このように、苦手分野の把握は勉強の方向性を決めるうえでも非常に大切なことです。

当たり前のように宿題をきちんとこなしている

当たり前に聞こえるかもしれませんが、成績上位を維持する子どもは塾の宿題もきちんとこなしています。

そもそも宿題というのは、それを家庭学習で行うことで効率良く学力が伸びるよう構成されています。

良問ぞろいの問題演習を宿題で出すなどして、家庭学習でしっかり実力を伸ばしていけるよう、塾側が考えて用意するものが宿題なのです。

また、個別指導塾であれば、生徒一人ひとりの学習状況に合わせて宿題を出すため、その生徒の苦手分野に特化して宿題を用意し、家庭学習を通じて実力が伸びるようにすることも可能です。

このように、宿題をしっかりやることは実力アップに大きく貢献するはずであり、成績上位の子どもは宿題をきちんとこなし、家庭学習を有意義なものにしています。

家庭学習のスケジュール調整がうまい

宿題をきちんとこなすためには、日々の家庭学習のスケジュール調整もきちんと行う必要があります。

「この時間は自習」「この時間は宿題」といったように、しっかりメリハリをつけて効率良く勉強を進めることが大切です。

宿題をしっかり行う子どもはこうしたスケジュール調整もうまく、宿題が終わらないという状態にならずに効率的に家庭学習を進めています

明らかに塾の宿題の量が多すぎるなどの特殊な事情がない限り、宿題は家庭学習でしっかり終えることができる量ですが、ただ漠然と勉強を進めるだけでは宿題が終わらない可能性があります。

他の勉強との兼ね合いも踏まえ、しっかりスケジュール調整をしながら進めることが大切であり、このあたりの調整がうまく宿題をしっかりこなす子どもは成績上位に入りやすいのです。

宿題が終わらない小学生

基礎をしっかり理解している

成績上位を維持する子どもは、各分野の基礎をしっかり理解しています。

「成績が良い子は難易度の高い問題ばかり勉強している」というイメージを抱く方もいるかもしれませんが、難問よりも基礎をしっかり理解しているかどうかのほうが重要なのです。

確かに、最難関校を受験する場合など、多くの難問を解く実力も必要ではあります。

ただ、その難問も、そもそも基礎がしっかりしていなければ解けません。

受験勉強は、ただやみくもに難問ばかり解き進めれば良いというものではなく、各分野の基礎をしっかりおさえ、あらゆる問題に応用していけるかどうか?がカギなのです。

難問も例外ではなく、基礎となる考え方が根底にあって、それを応用して解き進める形になります。

成績上位をキープしている子どもは、こうした基礎の重要性を理解し、その基礎を応用して様々な問題に対処できる力が備わっています。

ほとんどの受験生が解けない難問まで解く必要はない

受験勉強においてしばしば誤解されることですが、そもそも難問が解けたからといって受験に絶対有利になるとは限りません

入試問題に登場する難問というのは、明らかにほとんどの受験生が解けないような問題も含まれます。

そして、こうした難問に正答できたからといって、必ずしも受験に有利になるとは限らないのです。

例えば、多くの受験生が解けない難問に正答できても、その問題に時間をかけすぎて他の簡単な問題が解けなかったような場合、むしろ受験は不利になります。

入試は合格ラインを突破することが必要なのであり、わずかな難問に正答することが目的ではありません。

特に一つの問題に時間をかけすぎて他の問題に手が回らなくなるのは、入試としては致命的になります。

単に時間がなくなって残りの問題が解けなかった場合はもちろん、残り時間が少ないことで精神的な焦りが生まれ、ケアレスミスを繰り返すような場合もあるのです。

普段ならミスをしないような問題、絶対に失点してはいけない問題までケアレスミスをすれば、合格の可能性は一気に下がります。

このように、難問というのは過度に気にしすぎてはならず、時には「この問題は諦める」という判断も重要なのです。

基礎をしっかり意識し、絶対に得点しなければならない問題を一つひとつ得点していくことのほうが重要になります。

成績上位の子どもは、こうした問題の取捨選択、時間配分の感覚にも優れています。

基礎の理解は単なる暗記ではない

もう一つ誤解されやすいのが、基礎の理解は単なる暗記ではないという点です。

基礎の勉強というと知識の暗記と誤解されることが多いですが、単なる暗記では基礎はなかなか定着しません。

例えば社会の歴史を例に挙げると、確かに年号や人物名などは理屈抜きで覚えなくてはならないでしょう。

ただし、いくら年号や人物名・出来事の名称を知ったとしても、その時代背景までしっかり理解していなければ、知識はなかなか定着しないのです。

「なんとなくこの人物名は聞いたことがある」と思っても、その人物が具体的に何をしたのか、その当時の時代とどう関係するのかなど、背景までしっかり理解しないと基礎の定着は難しくなります。

ただなんとなく名前だけ暗記しても、時が経つにつれて記憶はあいまいになりますし、「この人物は何をした人だったか?」「この人物が歴史に与えた影響は何か?」など、肝心な部分があやふやになってしまうのです。

そうならないよう、名前・名称を覚えることに加え、その歴史的背景を常におさえて理解することが大切になります。

そして、暗記一辺倒では基礎はなかなか定着しないのは、社会の地理や公民はもちろん、他の科目にも言えることです。

勉強を単なる暗記と考えず、背景や理屈までしっかり理解して基礎を固めるという習慣を続ければ、おのずと実力も伸びていくはずです。

成績上位を維持するために!成績が降下しないよう意識したい3つのこと

受験勉強において成績上位を維持するのはもちろん簡単なことではなく、残念ながら何かの拍子に成績が下がってしまうこともあります。

ここまでの話も踏まえ、以下、成績上位をキープするために意識すべきことはなにか、さらにポイントを整理しておきます。

1.とにかく復習をおろそかにしないこと

繰り返しになりますが、勉強において復習は必要不可欠なものです。

そして、成績上位から下がってしまう子どもは、この復習がだんだんおろそかになっているケースが多く見られます。

特に受験直前期になると過去問演習や問題演習などが増えますが、問題を解くことを優先しすぎて復習が追いつかなくなる受験生は多いです。

問題演習や模試の解き直し・復習がおろそかになり、解きっぱなしで終わってしまえば、それだけ実力は下がってしまうのです。

直前期だからこそ復習の重要性を再確認し、とにかく復習をおろそかにしないようにしましょう。

もちろん直前期でなくとも、定期的に復習を行うことは必要不可欠です。

2.得意分野と苦手分野で偏った勉強にならないように

6年生になると受験勉強もさらに本格化し、特に6年生の夏は「受験の天王山」などと呼ばれます。

6年生の夏休みは苦手分野の克服のチャンスでもあり、時間をかけて少しずつ対策を進めることが大事です。

ただし、得意分野の勉強を全くしないわけにはいきません。

夏休みで苦手分野の対策を優先するにせよ、得意分野もある程度勉強を続け、実力を維持しなければならないのです。

そして秋以降や、さらに受験直前期になれば尚更、苦手分野の対策ばかり行うわけにはいかず、得点源である得意分野の実力を盤石なものにしなくてはなりません。

このような得意分野と苦手分野の勉強バランスが揺らいでしまうと、成績が下がる大きな要因になります。

夏休みと受験直前期で得意分野と苦手分野の勉強バランスは変わるかと思いますが、その時々に応じた適切なバランスのもとで学習を進めるよう、自分の実力は正確に把握し、偏った勉強にならないようにしましょう。

成績が伸びる子と伸びない子

3.規則正しい生活はしっかり続けること

受験のプレッシャーが強まると、もっと勉強しなければならないと考えて無理をしてしまう子どももいます。

受験勉強が本格化するにつれてプレッシャーや不安も増えるため、もっと勉強時間を増やさなくてはならないと焦ってしまうお子さん・ご家庭も見られます。

ただし、ここで無理をしすぎて規則正しい生活が崩れると、勉強として逆効果になってしまいます。

例えば勉強時間を無理矢理増やし、その結果睡眠不足が続けば、勉強中の集中力にも支障を来たし、勉強の効率が下がってしまうでしょう。

また、規則正しい生活ができず家庭学習のスケジュールが狂ってしまうと、宿題がうまくできない可能性もあります。

特に塾の授業は、宿題をしっかりやることを大前提として進む場合も多く、宿題がうまく終わらないと授業についていけなくなるおそれもあります。

このように、規則正しい生活リズムが崩れると、成績が下がる要因にもなるのです。

勉強が本格化するにつれて勉強時間を少しずつ増やすのは良いですが、無理をして規則正しい生活リズムを崩してはいけません。

特に受験直前期に無理をしすぎて体調を崩すと、ラストスパートで一気に追い上げることも難しくなります。

直前期という貴重な時期を有意義に過ごすためにも、直前期だからこそ無理は禁物なのです。

成績が下がらないようにするためにも、いついかなる時も規則正しい生活は必ず心がけてください。

小学校生活と中学受験

まとめ

今回は、中学受験の勉強で、4年生から6年生になっても塾で成績上位をキープする子どもの特徴をご紹介していきました。

成績上位を維持する子どもは、何も特別な勉強を繰り返したり難問ばかり解いているわけではありません。

定期的な復習や基礎の定着など、一見普通とも言える勉強を、高いレベルで効率的に行っています。

特に復習はあらゆる勉強で必要不可欠なものですが、意外にも復習をおろそかにする受験生は多く、そこで大きな差がついてしまうケースも多いです。

また、あらゆる応用問題に対処するためにも基礎の定着は絶対に必要であり、成績上位の子どもは基礎の重要性をきちんと理解しています。

さらに、得意分野と苦手分野の勉強バランスが良いことも大きな特徴でしょう。

ほかにも、日々の勉強スケジュール調整がうまかったり、規則正しい生活を送っていたりなど、一見普通に見える内容も徹底しています。

このように、成績上位を維持する子どもは、何か目新しい特別な勉強をしているわけではありません。

定期的な復習や基礎の確認など、地味ながら非常に重要なことをコツコツ進めてこそ、成績上位の維持が可能になるのです。

これは何も特別な勉強方法ではなく、どんな子どもでも実践可能なはずであり、多くの受験生が参考にすべき内容でもあります。

こうした勉強習慣をぜひ参考にしていただき、日々の勉強の質を上げ、実力を盤石なものにしていきましょう。