子どもが成長し、やがて社会生活を送るためにも、幼児期のしつけは必要不可欠なものです。
子育てをする親にとってしつけに関する悩みは日々尽きないと思います。
親世代からの意見や、ママ友から聞いた話、SNSで発信される情報など…子どものしつけに関する情報は山ほどありますが、具体的にいつから、どのようにしつけをしたらいいのだろうとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、幼稚園教諭経験の目線からしつけの効果的な方法やポイントを年齢別にまとめてお伝えしていきます。
子どものしつけに悩んでいる方はぜひ最後まで読んで、参考にしてみてくださいね。
目次
しつけの必要性?しつけで身につけてほしい3つのこと
しつけと聞くとどのようなイメージをお持ちですか?
大変そう…子どもに厳しく教えないといけない、、、など少しネガティブなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
もちろん、しつけは子どもにとっても親にとっても…楽しいことばかりではありませんが、方法次第で子どもや親が大きなストレスを感じることなくしつけを行うことができます。
しつけで子どもたちに身につけて欲しい事は大きく分けて3つあります。
一つ目は社会や友だちとの関わりで必要なルールを覚えること、二つ目は生活習慣を身に付けること、三つ目は事故や怪我に繫がるような危険な行為を覚えることです。
子どもは、正しい生活習慣を身につけることで、規則正しく健康的な毎日を送れるようになり、社会に必要なルールを学ぶことで、幼稚園や小学校などの集団生活で友だちと仲良く過ごすことができるようになります。
危険なこと、悪いことを覚えると怪我や事故を未然に防ぐことができます。
しつけによって身につけることは、どれも生きていく上で最低限必要なことばかり。
この3つの要素を、発達段階に合ったタイミングでバランスよく教えていくことがしつけを無理なく行う上で大切なことです。
しつけはいつから行えばいい?年齢別でみるしつけのポイント!
子どもの成長はひとりひとり違うので、子どもの発達段階を見ながらしつけを行うことが大切です。
子どものしつけは1歳前後から行うことができます。年齢ごとにしつけのポイントをみていきましょう。
1歳からのしつけ
1歳を過ぎると言葉の理解が進み、パパやママが言ったことが分かるようになっていきます。
言葉の数が増え、自分の気持ちや要望を言葉にして少しずつ伝えることができるようになってきたら、しつけを始めましょう。
ハイハイや伝い歩き、そして自分で歩けるようになると世界が広がって目に映るさまざまなものに興味を持つようになります。
高いところによじ登る、危険なものを口に入れるなど…事故に繫がるような危険な行動も増えるこの頃、始めは危険なことを伝え、教えていくことからしつけをしていくといいでしょう。
このしつけのポイントは3つ。
一つは子どもの気持ちを理解し尊重すること、二つ目は叱るのではなく伝える、話をするという気持ちで行なうこと、最後は繰り返し根気強く伝えることです。
まずは、子どもの気持ちを理解し、尊重することです。
大人にとっては理解できないこと、危険に思うことも子どもにとっては興味があり、自分なりに確かめる、試してみるといった行動の現われです。
「○○してみたかったんだよね」「何だか面白そうなもの見つけてきたね」など、まずは子どもの気持ちに寄り添い共感します。
そうした上で、「でもね、この上に乗ると落ちて怪我をするかもしれないの。怪我したらとっても痛いよ。危ないことだからやめようね」など、危険なことをしっかり伝えていきましょう。
1回で理解できないのは当たり前。3分後にはまた同じ光景が広がっている事もあります…。
「さっき危ないって言ったでしょ」と怒りたくなる気持ちをぐっと堪えて根気強く話をしていきましょう。
「○○しちゃだめ」「やめなさい」「○○しなさい」などの命令口調で子どもの行動を抑えることは、子どもの興味関心や好奇心を広げる大事な機会を奪ってしまう可能性があります。
怪我に繫がる可能性がある危ない行為はきちんと話してやめさせる必要がありますが、伝え方に注意しましょう。
2歳~3歳のしつけ
自分の身の回りのことなど生活習慣を身につけたいこの時期、興味を持ったこと、出来ることから少しずつしつけをしていきたいですね。
幼稚園入園を見据えて、物の貸し借りや順番を守ることなど友達との関わりで必要なルールも身に付けていきましょう。
この時期のしつけのポイントは、子どもの思いを理解し代弁してあげること、子どもと一緒に考えながら理由を伝えること、たくさん褒めて子どもの意欲を高めることです。
話す力が発達し、自分の想いを言葉にして相手に伝えることができるようになっていきますが、まだまだ上手く伝えることができず、友だちに手が出てしまうトラブルも多い時期です。
そんな時はまず、子どもの思いを代弁し受け止めてあげましょう。
「○○ちゃんは、今このおもちゃを使いたかったんだよね」など、まずは子どもの気持ちを受け止めた後で「でもいきなり叩いたら○○くんはどんな気持ちになるかな?」と、相手の気持ちを一緒に考えます。
一緒に考え、どうして叩いてはいけないのか、理由を自分でしっかり理解することがしつけのポイント!
自分で考えることで、子どもが駄目なことをしっかりと認識できるようになります。
同じことを繰り返すことも多々ありますが根気強くしつけを続けましょう。
そして、生活習慣を身につけるために必要なことはとにかく褒めること。
始めからすぐに習得するのは難しいことです。
「まだ○○できない」ではなく「今日は○○まで出来た」というちょっとした成長を少し大げさなくらい褒めて認めていくことが意欲に繫がります。
子どもの頑張りを認め、自己肯定感を強めていくことが生活習慣を身につけるしつけを効率よく、無理なく進めていく上のポイントです。
4歳以降のしつけ
4歳を過ぎると基本的な生活習慣が身につき、友だちとの関わりも増え、トラブルを自分で解決できるようになります。
もう分かるはずなのに…とついついダラダラ長く叱ったり、しつけで発する言葉が強くなったりとしつけが厳しくなってしまいがちです。
この時期のしつけで注意することは感情的で一方的なしつけにならないことです。
感情的で一方的なしつけを続けた場合、子どもは怒られたくない、もう聞きたくない、という思いから回避するためのいい対処法を考えるようになります。
平気で嘘をついたり、ごまかしたり…その状態が続くと親子の信頼関係にも大きな問題が発生する可能性が。
注意されるのが嫌だから、怖いからと消極的になっていくと、小学校に上がってから活動に積極的に参加できない無気力な子どもになってしまうこともあり、子どもの成長に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
しつけとは、注意することだけではありません。
危険な事、怪我に繫がる事に関しては厳しくしつけする必要がありますが、「子どもの気持ちを理解し尊重すること」「否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉を多く使うこと」「子どもを認めてほめること」この3つを常に頭に入れながらしつけをしていくといいと思います。
しつけにネガティブな要素ばかりではなく、肯定的でポジティブなイメージを持つことから始めていくといいですね。
しつけは親の大切な役目のひとつです!
しつけの必要性から、年齢別のしつけのポイントまでお伝えしていきました。
しつけとは1歳からでも行うことができる、子育てとは切っても切り離すことができない親の大切な役目のひとつです。
ずっと継続的に行なうことだからこそ、大切なポイントを押さえながら、子どもやそれぞれの家庭にあったしつけの方法を見つけていきましょう。