子どもが勉強をしないのは、実は当たり前のことなのかもしれません。
なぜなら子どもにとって勉強はつまらないものだからです。
ではなぜ勉強はつまらないものなのでしょうか?
その理由を掘り下げてみたらお子さんの気持ちがわかり、いくら「勉強しなさい!」と言っても勉強しない理由が見てくるはずです。
目次
何のために勉強するかが分からない
勉強がつまらない、嫌だと思う理由は、勉強に目的意識が無いからです。
勉強することに目的意識を持っている子は少ないのでしょう。
むしろ「勉強が何の役に立つの」と思っている子がほとんどです。
大人になると
- 昇進するにはTOEICが650点以上必要
- 資格を持っていたほうが転職には有利
など、勉強の目的意識が明確になるので、自発的に勉強に取り組むことができます。
子どもが勉強をしないのは、大人と違って目的意識がないからです。
勉強は強制されたものと感じている
子どもにとって勉強は、しなければ親に叱られたり、先生に注意されたりするものです。
つまり勉強は強制されたものです。
そのため、「勉強はしたくない強制されたもの」という認識しているのです。
「勉強しなさい」という発言は強制そのものですよね。
ここでお伝えしたいことは、勉強が強制されることの是非ではなく、子どもにとっての勉強は強制的なものであり、大人にとっての「上司に依頼されたやりたくない仕事」と同じということです。
「勉強しなさい」という発言は、お子さんにしてみれば、親(上司)に強制された、勉強(やりたくない仕事)と同じです。
仕事と勉強の違いは、仕事はしなければ周りも自分も困りますが、勉強しなくても困るのは自分だけです。
だから、勉強をしません。
インプットだけでアウトプットする機会が見え辛い
「勉強」と言った時にどんなイメージを持ちますか?
勉強は机に向かって本を読んだり、ノートに書いたりして覚えるもの、そのようなものをイメージしませんでしたか?
勉強は机に向かって知識をインプットするためのものです。
そして勉強しなさいと言われている小中学生には知識をアウトプットする場所がありません。
小中学の勉強の中には、実際に得た知識を使って何か新しいことを考えたり発想したりする機会が少ないと思いませんか?
確かにアウトプットの場として、テストがあるとは思います。
けれど学校のテストは子供達にとって「決められた手順で問題を解き、決められた答えを出すだけの、知識の詰め込みの延長」でしかないのです。
勉強に達成感がない
「達成感がない」は言い過ぎかもしれませんが、勉強はゲームに比べて達成感を得難いものです。
当たり前ですが、ゲームは子どもたちが夢中になれるように作られており、小さなゴールをクリアしても、次のゴールが続きます。
「あのアイテムが欲しい」そのような欲求を刺激します。
けれど勉強はどうでしょうか?残念ながらゲームのように達成感を与えてくれたり、次の単元も進んで勉強したいと思わせるような刺激はありません。
必要に迫られてこなすためのものなので、達成感ではなく義務感から行っています。
勉強がどのように役に立つのかわからない
勉強する理由を説明する上で、「大人になったら役に立つから」「今後や将来のために必要だから」といった言葉は、残念ながら子供に全く響きません。
自分自身も小さい頃、「勉強しないと将来困る」と母親から言われていませんでしたか?けれど、その発言自体がぼんやりし過ぎてピンと来ずに結局勉強しなかったと思います。
「勉強をすることが将来役に立つ」という事に子どもは気付けません。
だから多くの大人が「子どもの頃にもっと勉強をしておけばよかった」と言うのではないでしょうか?
身の回りに勉強よりも楽しいものが溢れている
昔に比べ、今の時代は勉強よりも楽しいものがたくさんあると思いませんか?
テレビ、漫画、ゲーム、ネット…。勉強よりも楽しいものが子供たちの身の回りには溢れています。
それらは「楽しいと感じてもらうため」に創作されているわけで、勉強よりも楽しいのは当たり前です。
楽しいものの存在、その楽しさをぞんぶんに味わった子たちが、勉強に楽しさを見出せないのは当然だと言えます。
昔の、義務教育などなかった時代の子どもたちや、途上国の貧しくて学校に行けない子どもたちが、キラキラと目を輝かせて勉強をする様子がテレビなどで流れます。
現代の日本の子どもにとってはつまらない勉強が、どうして彼らには目を輝かせるほど楽しいものなのか?
それはやはり彼らの身の回りに、勉強よりも楽しい娯楽がないというのも一因ではないでしょうか。
だからこそ彼らにとってみれば、汗水たらして働くよりも座って色々なことを吸収できる勉強の方が楽しいのでしょう。
勉強が自分のやりたい事と結び着いてない
誰しも知的好奇心は持っているはずです。
ですが、別に知りたいとも思っていないことを無理矢理押し付けられても全くおもしろくありません。
単に覚えなさいと強要されたところで、何故覚えないといけないのか、この勉強をしたら将来何の役に立つのか、それが分からなければやる気が出るはずがありません。
目的もなく仕方なくやらされている勉強がつまらないのは当たり前の話です。
「将来役に立つ」という理由ではなく、もっと直接的に勉強するとやりたい事が結びつかなければいけません。
例えば
- そろばんをもっと上手になりたいからそろばんを練習する
- 日本語以外で会話をしたいから英語を覚える
- 漢字検定一級を取りたいから漢字を頑張る
- ゲームアプリを開発したいからプログラミングを勉強する
など、目的が必要です。
勉強が自分のやりたいことや知りたいことに繋がらないので勉強をしないのです。
勉強の必要性に迫られてない
志望校に合格したい子は一生懸命勉強します。
受験する子どもたちは勉強が楽しくて勉強をしているわけではないでしょう。
目標とする学校に合格したいからです。
もしくは受験に失敗したくないからです。
合格したい、失敗したくない、このどちらにも共通することは、勉強の必要性に迫られていることです。
締め切り間近になって一生懸命に夏休みの宿題に取り組むのも同じ理由です。
必要に迫られなければ勉強できないのは、大人も子どもも一緒です。
子どもが勉強しない理由を理解してあげよう
勉強しない子に勉強をしなさいといくら言っても効果がないのは、多くの親御さんが経験済みだと思います。
頭ごなしに押し付けるのではなく、勉強しない理由を理解してあげるところから始めましょう。
ママ、パパも子どもの頃を思い出して、今、勉強をする大切さ、勉強をしておくべきことをお子さんへ伝えてみてください。
そして、とても難しい事ですが、勉強しなさいという親からの押し付けではなく、子どもが自分から勉強しなければという気持ちを持たせてあげることができたらいいですね。